プロテニスは新型コロナウイルスの影響で中断され、国際大会を行うことができない状況の中、各国のテニス協会は独自に大会を開催することを検討し始めている。tennis.comが報じた。活動への制限を…

プロテニスは新型コロナウイルスの影響で中断され、国際大会を行うことができない状況の中、各国のテニス協会は独自に大会を開催することを検討し始めている。tennis.comが報じた。活動への制限を緩和する国が出始めている一方で、未だに各国間の渡航制限は広く敷かれており、大会主催者が通常の国際的な規模で参加選手を募ることは難しい。

オーストラリアテニス協会のCEOであるクレイグ・タイリー氏は、「ATP(男子プロテニス協会)が再始動する準備が整う前にオーストラリアが回復すれば、国内のテニスに対する関心を喚起するためのユニークな機会が得られると思う」と、自国の選手たちのために国内大会を何度か開催する意図を明かした。

そして、すでに一つの大会が計画されていると話し、「もうすぐ公表する予定の大会が一つある。もしかしたら、毎年同じ時期に行う恒例の大会になるかもしれないね」と続けた。

どんなイベントも政府の指針を遵守する必要があるが、テニスでは選手たちがお互い距離を取りやすいので、比較的大会を開催しやすい競技だと考えられる。

「コートチェンジの時も、選手がそれぞれネットの反対側を通れば、対戦相手との距離はかなり長く保てる」とタイリー氏。

ドイツで行われたエキシビション大会にはダスティン・ブラウン(ドイツ)らが出場したが、この大会は無観客で行われ、大会の安全対策は政府の承認を受けていた。

一方ロンドンではアンディ・マレー(イギリス)の兄でありダブルス元世界1位のジェイミー・マレー(イギリス)が、本来「ウィンブルドン」が開催される時期に、イギリスのシングルス選手たちのための大会を開催しようと模索している。さらに、スコットランドテニス協会も、スコットランドの選手たちが出場する無観客の大会を計画しており、マレー兄弟の参加を望んでいる。

スペインテニス連盟は、加盟する1,300のテニスクラブとプロ選手たちのために60万ユーロ(約6900万円)の支援を発表したが、近々予定されている政府の規制緩和によって許可された場合には、国内大会をいくつか開催する意向だ。スペインで開催される多数のジュニア大会やITF(国際テニス連盟)の大会については、スケジュールの再調整が叶わないと連盟会長のミゲル・ディアス氏が述べた。

新たな大会には、トップ100選手が出場するもの1回と、それより下位の選手たちが出場する12の大会が含まれる見通しだ。ディアス氏によると、選手やクラブも関心を示している。

「みんな喜んでいるよ。これでいくつかの試合ができるし、テレビでも放送されるだろう。数は少ないにしても、ファンも見に来ることができるかもしれない」とディアス氏は語った。

※為替レートは2020年5月8日時点

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「テニス・ポイント・エキシビション・シリーズ」でのブラウン

(Photo by Alex Grimm/Getty Images)