「パトリックはダブルチームされた状況でも、フェイダウェイショットを放とうとしたんだ。それがあのチームを傷つけた」とオークリーが発言


 マイケル・ジョーダン、スコッティ・ピペン(共に元シカゴ・ブルズほか)、フィル・ジャクソンHC(ヘッドコーチ)を擁したシカゴ・ブルズは、1990年代に2度の3連覇を達成し、この年代におけるベストチームとなった。

 そのブルズが91年から93年にかけて成し遂げた前期3連覇において、最も苦しめたチームとして挙がるのがニューヨーク・ニックスだ。パトリック・ユーイング、チャールズ・オークリー、ジョン・スタークス、アンソニー・メイスン(いずれも元ニックスほか)といった役者をパット・ライリーHCが束ね、フィジカルコンタクトを活かしたタフなディフェンスで台頭。

 92年のイースタン・カンファレンス・セミファイナルでは第7戦まで持ち込み、翌93年のカンファレンス・ファイナルではホームのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行われた最初の2戦に連勝。第2戦終盤には、スタークスがホーレス・グラント(元ブルズほか)のブロックをかいくぐって強烈なダンクを左腕1本でたたき込み、“ニックス優勢”ムードとなった。

 だがホームに戻ったブルズはジョーダン、ピペン、グラントらの活躍で連勝。2勝2敗のタイとなり、再び舞台はニューヨ―クのMSGへ。

 勝利したチームがNBAファイナル進出に王手をかけるという重要な試合となった第5戦は、両チームの意地とプライドがぶつかり合い、終盤まで競り合う展開となる中、リング下でボールを受け取ったチャールズ・スミス(元ニックスほか)がショットを放つも、ピペンらに阻まれてしまう。スミスはなんと4本連続でブロックショットを浴びてしまい、ニックスは惜敗。翌第6戦にも敗れたことで、ニックスは2連勝から屈辱的な4連敗でシーズンを終えた。

 両チームのシリーズにおいて、ターニングポイントとなった第5戦。スミスはブロックされながらこぼれ球をもぎ取り、フェイクを交えるなどタイミングをずらしてショットを放つ抵抗を見せていたのだが、ブルズのディフェンス陣を突破するには至らず。シリーズ敗退の要因にスミスの4連続ブロックを挙げる者がいたことは否定できない。

 だがオークリーは5月4日(現地時間3日、日付は以下同)に『The New York Post』へ掲載された記事の中で、「パトリックは試合終盤にダブルチームされた。彼はダブルチームされた状況でも、フェイダウェイショットを放とうとしたんだ。それがあのチームを傷つけた」と話し、スミスではなく大黒柱ユーイングを非難した。

「私はチャールズが話したことについて何も言うつもりはない。それぞれが各自の意見を言う権利がある」とユーイング


 ユーイングはシリーズ平均25.8得点11.2リバウンド2.5アシスト1.7スティール1.8ブロックにフィールドゴール成功率53.0パーセントと、ニックスのエースとして活躍を見せていた。だがオークリーはこう話している。

「俺たちはショットを決められず、相手の思うつぼだったんだ。ブルズは(ルールの中で最大限の)ゾーンディフェンスを敷き、壁を作り上げた。ブルズの奴らはパトリックがダブルチームされてもパスしないと分かっていたんだろう」。

 第5戦終盤。スタークスからボールを受け取ったユーイングは、ペリメーター右側から左側へとドリブルするも、ダブルチームされた途端にボールを失いそうになり、かろうじてスミスへボールをつないでいた。ブルズ側からすれば、その時点で作戦勝ちと言ってもいいプレーだった。

 すると8日にユーイングが『The Good Show』へ出演。ニックスで10シーズンを共にプレーしたフロントコートの相棒オークリーについてこう口にしていた。

「私はチャールズが話したことについて何も言うつもりはない。彼は私にとってベストなチームメートの1人。我々は多くの(プレーオフという)戦争を繰り広げてきたんだ。それぞれが各自の意見を言う権利がある」。

 オークリーが指摘したことについて、ユーイングは否定も肯定もしなかったわけだが、ユーイングは「私はチャールズ・オークリーが大好きだ。今でも友人だと思ってる。でも(当時について)彼らは思っていることを口にする権利があるということ」とし、もう終わったこととして振り返ることはなかった。

「もしスミスのショットが決まっていれば…」「もしユーイングがダブルチームされる前にショットまで持ち込み、ファウルを誘発してフリースローを沈めていれば…」といった“タラ・レバ”はあるものの、ニックスの選手たちが打倒ブルズを果たすべく、真剣勝負をしていたことは間違いない。