ノバク・ジョコビッチ(セルビア)には、これと言って目につく弱点がない。ジョコビッチはミスが少ないため、相手にすると最も厄介な選手な一人である。それなのに、テニスの基礎的なショットの一つでのミス…

ノバク・ジョコビッチ(セルビア)には、これと言って目につく弱点がない。ジョコビッチはミスが少ないため、相手にすると最も厄介な選手な一人である。それなのに、テニスの基礎的なショットの一つでのミスショットが多いのは、驚くべきことだ。ウェブメディアEssentially Sportsが伝えている。ジョコビッチのキャリア上で、大きな障害の1つとなっているのがオーバーヘッドスマッシュ。プロテニス選手の中でも特に精度が低いと言える。グランドスラム17回優勝を誇るジョコビッチ自身もそれは十分に承知していて、ネットにはあまり頻繁に近づかないようにしている。

「すべての選手は弱点を持っている。ジョコビッチの弱点はオーバーヘッドだ」とジョコビッチの元コーチ、ボリス・ベッカー氏は、ある試合の解説中に語った。「世界ランキング100位以内の選手の中で、ジョコビッチが一番下手かもしれない。私の意見だけれどね」

ジョコビッチは、試合でオーバーヘッドスマッシュのタイミングを外すことが多い。素晴らしいショットメーカーとして知られるジョコビッチのような選手が、どうしてこのような技術的な弱点を持っているのか。

ジョコビッチのスマッシュ成功率の低さの原因の1つは、フットワークだ。彼はひんぱんに、ボールの真下に入りすぎてしまう。さらに、ボールが落ちてくるのを待ちすぎて、打点が低くなってしまい、そのために腕を曲げすぎてしまう。それでスマッシュの打ち方がぎこちなくなり、またおかしな角度でスマッシュを打つことを余儀なくされている。

理想的には、ジョコビッチは届く限り最も高い所でボールをラケットに当てる必要がある。ボールとラケットのコンタクトポイントは、彼の体より前で、最も高い所であるべきだ。

残念だが、ジョコビッチはオーバーヘッドスマッシュを打つ際に自信も失っている。スマッシュを避けるばかりに、ネットに引っ掛けてしまっているのだ。ジョコビッチは、ハイボレーをミスすることが多く、大きな代償を払う結果となっている。ジョコビッチが技術を改善し、スマッシュをよりなめらかに打てるようになることを願う。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「ウィンブルドン」でのジョコビッチ

(Photo by TPN/Getty Images)