テニスの世界ランキング1位であるノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、新型コロナウイルス大流行の中で、ファビオ・フォニーニ(イタリア)とATP(男子プロテニス協会)の大会のあり方について意見を交…

テニスの世界ランキング1位であるノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、新型コロナウイルス大流行の中で、ファビオ・フォニーニ(イタリア)とATP(男子プロテニス協会)の大会のあり方について意見を交わし、ツアーが再開した際の状況を予想した。加えて、テニスファンの若年層の少なさについて懸念を抱いていることを明らかにした。ウェブメディア Essentially Sportsが伝えている。ある統計データを見ると、テニスの将来が危ぶまれる。ジョコビッチは、「アメリカとヨーロッパでテニスファンの平均年齢が60歳以上だと知った時、とてもショックだった」とフォニーニに明かした。

「少し怖いよね。このスポーツの将来という観点ではあまりポジティブなことではないから。もちろん、僕たちは素晴らしいファンを持っているし、スポーツとして成功している。全世界にファンがいるグローバルで国際的なスポーツだ。でも、新しい世代を取り込むための行動を起こす必要がある」

2019年に、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)のコーチ、パトリック・ムラトグルー氏はテニスファンの平均年齢が62歳であること、そしてテニスが若い世代を集客できていないことを明らかにした。ジョン・マッケンロー(アメリカ)やビヨン・ボルグ(スウェーデン)の時代のファンは、今でもテニスの最新情報を追いかけている。だが、新しく獲得できたファンの数は少ない。

「数字を見ると、テニスファンの平均年齢は62歳だ。今何か行動を起こさなければ、間に合わなくなる。世界中でテニスが運営されている方法は正しくないのではないか。若者にとって魅力的でないのだ。昔ながらのファンは今もテニスを追いかけてくれているが、果たしてそれは、本当に魅力的だからだろうか。彼らは70年代や80年代にテニスファンになった人たちだ」とムラトグルー氏は述べている。

ジョコビッチはATPの選手協議会会長を務めているが、テニスの現実を知った今、若い選手を育成するためのより良い枠組みを作りたいと考えている。ATPは既に、21歳以下の最高の選手たちが出場する「Next Gen ATPファイナルズ」を導入している。

ジョコビッチは、この大会での独特のルールについて語った。「ミラノで行われた“Next Gen ATPファイナルズ”は、いくつかのルールを変えて実験する良いテストの場となっている。例えば1セットは4ゲーム先取での、ダイナミックな5セットマッチ制。それから、コーチングを許可したりね」

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「ATPカップ」でのジョコビッチ

(Photo by Chris Hyde/Getty Images)