5月10日、東京競馬場でGⅠ・NHKマイルC(芝1600m)が行なわれる。このレースは今回で25回目。80回を超える日…
5月10日、東京競馬場でGⅠ・NHKマイルC(芝1600m)が行なわれる。このレースは今回で25回目。80回を超える日本ダービーなどに比べると歴史の浅いレースだが、わかりやすい血統的傾向も多く、「血統派」としては展望がしやすいレースとも言える。

レシステンシアと共に人気を集めそうなタイセイビジョン
昨年の最優秀2歳牝馬で、今回も人気を集めそうなレシステンシア(牝3歳/栗東・松下武士厩舎)も、このレース向きの血統構成の持ち主だ。
同馬は昨年、新馬戦、GⅢファンタジーS(京都/芝1400m)、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神/芝1600m)を3連勝。阪神ジュベナイルフィリーズは2着に5馬身差をつけ、1分32秒7というコースレコードだった。しかし年が明け、単勝1.4倍の圧倒的1番人気だったGⅢチューリップ賞(阪神/芝1600m)は3着。重馬場で行なわれた前走のGⅠ桜花賞(阪神/芝1600m)は2番手追走から一旦は先頭に立ったが、デアリングタクトに差されて2着に敗れた。
血統を見ると、父ダイワメジャーは2004年のGⅠ皐月賞(中山/芝2000m)や、NHKマイルCと同じ舞台のGⅠ安田記念(2007年:東京/芝1600m)を含むGⅠ5勝。産駒も、NHKマイルCでは2012年カレンブラックヒル、2016年メジャーエンブレム、2019年アドマイヤマーズと、種牡馬としてレース史上最多の3勝を挙げている。
母マラコスタムブラダは、アルゼンチンのGⅠフィルベルトレレナ大賞典(芝2200m)の勝ち馬。祖母の父ポリグロートは凱旋門賞馬ソレミアなどの父として知られ、そのポリグロートの父は欧州で一時代を築いた大種牡馬サドラーズウェルズだ。ダイワメジャー産駒で母系にサドラーズウェルズの血を持つのは、前述のメジャーエンブレム、アドマイヤマーズと共通していて、メジャーエンブレムとは5代目に入るダンチヒの血も共通する。
また、2歳牝馬チャンピオンにして、桜花賞で敗れたあとの出走(メジャーエンブレムは桜花賞4着)という臨戦過程もメジャーエンブレムとよく似ている。レシステンシアは東京コースどころか左回りも初めてだが、阪神ジュベナイルフィリーズで見せたスピードは牡馬に混じってもトップクラスのもの。良馬場なら巻き返してきそうだ。
続いてはタイセイビジョン(牡3歳/栗東・西村真幸厩舎)を挙げる。父タートルボウルは仏GⅠジャンプラ賞の勝ち馬(タートルボウルが勝った2005年は1600m。2019年から1400mに短縮)。日本ではGⅠ馬を出していないが、フランスでは日本の皐月賞に当たるGⅠ仏2000ギニー(芝1600m)の勝ち馬ルカヤンなどを出している成功種牡馬だ。自身も産駒も、マイル戦に実績がある。
母の父スペシャルウィークは、2015年のNHKマイルC勝ち馬クラリティスカイ(父クロフネ)、2014年2着のタガノブルグ(父ヨハネスブルグ)の母の父で、祖母の父エルコンドルパサーは1998年の勝ち馬。同牝系には2003年4着のユートピア、2015年3着のミュゼスルタンがおり、このレースに縁がある血が揃っている。
タイセイビジョンは、ここまで5戦して3勝2着2回と崩れなく走っている。前走の、今年の初戦になったGⅢアーリントンC(阪神/芝1600m)も、1番人気に応えて快勝したことで勢いも十分。今回も上位争いをする可能性が高いだろう。
もう1頭、除外の可能性もあるが、ボンオムトゥック(牝3歳/栗東・高橋亮厩舎)も挙げておきたい。
父クロフネは、2015年のクラリティスカイ、2017年のアエロリットと2頭のNHKマイルC勝ち馬を出しており、母の父は前述したように3頭の勝ち馬を出しているダイワメジャーという配合だ。いとこに阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬のローブティサージュがいるなど、牝系も優秀。前走のアーリントンCは出遅れて流れに乗れず0秒4差の4着に敗れたが、スムーズな競馬ができれば大駆けも可能だろう。
以上、今年のNHKマイルCは、レシステンシア、タイセイビジョン、ボンオムトゥックに期待する。