東京オリンピックへ向けて注目度が高まるアーバンスポーツ、アクションスポーツの魅力をFINEPLAY編集部がDig。今回は「スケートボード 」の歴史や種目、世界で戦う注目選手を紹介する。
世界で戦うスケーターも近年では増えてきており、東京オリンピックでのメダル獲得も期待されている日本。「スケートボード 」観戦をもっと面白くするために、ルールや注目選手を今一度おさらいしてみよう。
FINEPLAYフォトグラファーが切り取った、スケーター達のスタイル溢れるフォトも多数掲載、お見逃しなく。

「スケートボード 」の歴史

「スケートボード」の始まりには諸説ある。一説には、木製の板(デッキ)に鉄などのウィール(車輪)をつけて滑ったことが「スケートボード」の始まりだという。

1950年代にはゴム製の車輪がついた「ローラーサーフィン」という商品が発売されて人気を集めるようになり、大会も開催されるようになっていく。
1970年代には素材も車輪がウレタン製のものになり、ベアリングを搭載。デッキもベニアを重ね婉曲がついたものとなり、現在の「スケートボード」とほぼ同じ形となる。これによりスムーズな動きと多様なトリックが可能となった。この頃、「スケートボード」は日本にも上陸したとされる。

1980年代まではスケートパークでの滑走が主流であった「スケートボード 」だが、相次ぐスケートパークの閉鎖により、スケーター達は滑ることができる場所を求めて街中で滑るようになる。これが現代の「ストリート」種目に繋がっていった。
さらに「スケートボード 」にとって大きな転機となった出来事としてはVHSの普及が挙げられる。それまで写真でしか見られなかったトリックを動画で見ることができるようになり、「スケートボード」のレベルが格段に上がったのもこの時期だ。

1985年には日本でも大きな大会が開かれるようになり、スケートボードが加速度的に普及していく。そして1990年代には、ストリートカルチャーの隆盛に伴って「スケートボード 」の認知度は大きな高まりを見せ、再び流行の兆しを見せる。
2015年9月には「スケートボード」が正式にオリンピック種目に決定。現在では世界で活躍する日本人選手も多数存在している。


トニー・ホーク / photo by tabasa

「スケートボード」の4種目

スケートボードは滑るコースや場所などに応じていくつかの種目が存在する。東京オリンピックでは「ストリート」「パーク」の2種目が行われることになっており、今回は代表的な4種目を紹介しよう。

ストリート

「ストリート」は街中の階段や手すり、ベンチや縁石などに似せた構造物が設置されたコースで行われる。選手は1人ずつ競技を行い、構造物を使ったトリックの完成度やオリジナリティをもとに採点され、その得点を競う。
構造物にデッキをあてて滑る「スライド」やトラックと呼ばれる金属部分をあてて滑る「グラインド」、ボードと共にジャンプする「オーリー」、そしてボードを回転させる「フリップ」など、様々なトリックを組み合わせ、試技を行う。オリジナリティ溢れる、スケーターそれぞれのスタイルに注目しよう。


佐川涼 / photo by tabasaパーク

「パーク」では大きなお椀をいくつも組み合わせたような複雑な形の窪地状のコースで行われる。コースには大きな湾曲、傾斜がつけられており、その傾斜を利用して空中へ飛び出すエアトリックが競技の中心となる。直線的でスピーディな「ストリート」とは一味違った、アクロバティックでダイナミックなトリックを見てほしい。


内田怜臣 / photo by AYATO.バーチカル

「バーチカル」は大きなカマボコを横から見たような形状をした急傾斜のついたコースを往復して、ターンやエアトリックの完成度を競う競技。スノーボードのハーフパイプにも似た競技だ。その高さはなんと3〜4メートルにもなり、圧巻のトリックには会場から大きな歓声が飛ぶ。


photo by kazukiフリースタイル

「フリースタイル」は平面上で音楽に合わせ、回転技を中心とした自由演技でオリジナリティや完成度を競う競技。フィギュアスケートのように連続でトリックを繰り出しつなげていく。まるでダンスを踊るようにスケートボードを操るスケーターの技術は必見。

「スケートボード」3つの観戦ポイント

オリンピック新種目である「スケートボード」には、他のスポーツとは一味違った3つの魅力がある。そんな「スケートボード」の魅力を順番に紹介していこう。

ダイナミックでアクロバティックなトリックの応酬に注目!

スケートボードの魅力は何といってもスケーターたちの繰り出すトリックのダイナミックさだ。スピード、躍動感溢れるトリックは見もの。実際のビデオやムービーを見てみると、「スケートボード」への興味がより一層高まるに違いない。


白井空良 / photo by Shuji Izumoスケーターの個性的なスタイルをCheck!

注目すべきなのは競技だけじゃない。「スケーター」にはユニフォームはなく、それぞれの着たい服を着て滑り、ファッションも含めてそのスタイルを追求する。他のスポーツでは見られない、スケーターそれぞれの個性あふれるファッションにも注目だ。


photo by AYATO.BGMを含めた会場の雰囲気を楽しもう

「スケートボード」のコンペティションにはBGMとMCがつきもの。会場ではHIP HOPやパンクロック、激しいメタルなど様々な音楽がかかり、普通のスポーツとは一味違った雰囲気を楽しむことができる。多種多様な文化を吸収して発展してきたスケートボードのカルチャーの面も存分に味わってほしい。


photo by kazuki

「スケートボード」世界で戦う4人の日本人選手に注目

スケートボード発祥の地であるアメリカはやはり世界でも第一の強豪国。しかし近年では、アメリカのプロリーグで活躍している日本人選手も多い。東京オリンピックで注目すべき日本人選手を紹介していこう。

堀米雄斗(ほりごめ・ゆうと)

堀米雄斗は「ストリート」のカテゴリにおいて、世界で活躍している21歳のスケーター。2018年にはスケートボードのコンペティション世界最高峰の舞台、「STREET LEAGUE SKATEBOARDING」(SLS)で2連覇を達成、世界のトップスケーターの仲間入りを果たしている。「ストリート」種目におけるオリンピックの金メダル最有力候補だ。


堀米雄斗 / photo by tabasa白井空良(しらい・そら)

白井空良は2001年生まれの19歳、ストリートで活躍するスケーターだ。2019年「DEW TOUR Long Beach」2位、「X GAMES Minneapolis」では3位入賞。そして同年11月の「WORLD SKATE OI STU OPEN」では悲願の優勝を果たしている。今最も乗りに乗っているスケーターでオリンピック出場にも期待がかかる。


白井空良 / photo by tabasa西村碧莉(にしむら・あおり)

西村碧莉は19歳のガールスケーター。2017年の「X GAMES Minneapolis」ストリートで日本人初優勝を果たし、注目を集める。同じ年に左膝前十字靱帯を断裂し手術を受けるも見事カムバックし、2019年には「SLS WORLD CHAMPIONSHIP」ストリートで見事金メダルを獲得、世界一に輝く。「ストリート種目」でオリンピック金メダルを狙う。


西村碧莉 / photo by Naoki Gaman岡本碧優(おかもと・みすぐ)

岡本碧優は2006年生まれの今年14歳。2019年「DEW TOUR Long Beach」パークで優勝を果たし、「International Sakateboarding Open」「2019 SKATEBOARDING WORLD CHAMPIONSHIP SAO PAULO」でも優勝を果たしている。彼女のエアトリックは女子選手の中でもダントツの高さを誇り、空中で1回転半をする大技「540」を成功させている。オリンピックにおける「パーク種目」の期待の新星だ。


岡本碧優 / photo by tabasa

FINEPLAY’s PHOTO SELECT


photo by Shohei Shibata
溝手優月 / photo by AYATO.
佐川涼 / Shuji Izumo
西村碧莉 / photo by Naoki Gaman
池田大亮 / photo by tabasa
西村詞音 / photo by KAZUKI TAKANO
photo by AYATO.
織田夢海 / photo by KAZUKI TAKANO
徳田凱 / photo by AYATO.
内田怜臣 / photo by AYATO.

知れば知るほど面白い、「スケートボード」の世界。「スケートボード 」には他のスポーツとは違った魅力がたくさんある。
興味を持った方はぜひ、一度大会のライブ中継やビデオを視聴して、「スケートボード」のカルチャーを感じてほしい。

文・金子修平