東京五輪世代ポジション別スター候補(3)センターバック 過去20年で最高のセンターバックは誰か。意見は分かれるはずだ。 …
東京五輪世代
ポジション別スター候補(3)
センターバック
過去20年で最高のセンターバックは誰か。意見は分かれるはずだ。
パオロ・マルディーニ、アレッサンドロ・ネスタ、ファビオ・カンナバーロ、ロベルト・アジャラ、フェルナンド・イエロ、ジョン・テリーなどは、もう引退しているが、甲乙つけがたい名手だった。
現役のCBでは、ジョルジョ・キエッリーニ(ユベントス)、ディエゴ・ゴディン(インテル)、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード)、ジェラール・ピケ(バルセロナ)、フィルジル・ファン・ダイク(リバプール)という面子になるだろうか。
個人的には、チャンピオンズリーグ、リーガ・エスパニョーラ、クラブワールドカップ、ワールドカップ、EUROとあらゆるタイトルを勝ち取った元バルセロナのカルレス・プジョルを推したい。超攻撃的なサッカーを、硬骨なディフェンスで支えた。
東京五輪世代で、先人たちを超えるCBは--。

評価が急上昇中のフランスU-23代表ダヨ・ウパメカノ(ライプツィヒ)
フランスU-23代表CBダヨ・ウパメカノ(21歳、ライプツィヒ)への期待感は、突出している。
ウパメカノの特徴は、同じフランス代表CBのラファエル・ヴァラン(レアル・マドリード)とやや似ているところがある。スプリント能力と動きのタイミングに優れ、局面で相手を上回れる。走り負けることはほぼ考えられず、リアクションは動物的。勘もよく、コースを読めるために、インターセプトの回数が多い。そしてヴァラン以上に、自ら仕掛けるディフェンスができる。足を入れ、体を巻き付かせてボールを奪う。まるでタコが獲物を取るように。
レアル・マドリードはジネディーヌ・ジダン監督自ら陣頭に立ち、ウパメカノに誘いをかけているという。しかしバイエルンも大金を準備し、獲得攻勢に出ている。競争は加速するはずで、その去就が注目される。
期待の二番手は、ブラジルのエデル・ミリトン(22歳)になるか。守備全般の総合力を高く買われて、今シーズンはポルトからレアル・マドリードに移籍してきた。しかし、すでに”戦力外”の瀬戸際に立たされている。右サイドバックでもプレーするなど、ユーティリティ性は見せているものの、大事な場面で失点に絡むなど、厳しい状況だ。
「マタイス・デ・リフトの移籍金をケチって、ミリトンを買ったが、”安物買いの銭失い”だった」と、地元メディアも辛らつだ。ミリトンは逆に、東京五輪を反撃の狼煙を上げる機会にしたいはずだ。
そして今シーズン、アヤックスからユベントスに新天地を求めた20歳のオランダ代表デ・リフトは、五輪出場こそないが、同年代での知名度、実力では1、2を争う。
もっともそのデ・リフトも、セリエAの洗礼を受けている。守備の屈強さやしたたかさで物足りず、評価は低調だ。”イタリア脱出”も噂され、代理人のミノ・ライオラがレアル・マドリードと盛んに接触している。ユーベでは「キエッリーニが長期離脱から復帰後はサブに降格する」とも囁かれており、今後も虚々実々の駆け引きが行なわれるだろう。
「面構えが大切だ」
ヴィッセル神戸を率いていたスペイン人監督フアン・マヌエル・リージョは、センターバックに必要な資質を聞いた時、意外な答えをしている。
「プレーは顔つきに出る。色男かどうかじゃない。『俺は戦っている』と周りの選手に真剣さを伝えられるか。例えば相手のシュートに対し、顔を差し出せる選手は最高だね。
長くウルグアイ代表だった(ディエゴ・)ルガーノは、その典型だった。危険な場所で踏ん張って、ボールのコースを変えることによってチームの運命を変える。『あ、シュートを打たれたな』なんていう暢気なセンターバックは高いレベルでやっていけない。守備者としての覚悟、責任。『ここに俺がいるから、おまえらは心配するな』と後ろから安心を伝えられるか、だ」
その面構えという点では、日本代表の冨安健洋(21歳、ボローニャ)も無骨さを増している。セリエAで若手の日本人選手がディフェンダー(現在の主戦場は右サイドバック)としてプレーする時代が来るとは、隔世の感がある。そのディフェンスは迫力を感じさせ、ステップワークの弱点もなく、推進力も備える。歴代の日本人CBと比較しても、非凡な人材だ。
日本にはほかにも期待できるDFがいる。渡辺剛(23歳、FC東京)は、技術的に洗練されていないものの、ヘディングが強く、マーキングもしつこく、CBらしい硬骨さを感じさせる。たゆまず鍛錬することによって、いつか中澤佑二のような存在になれる可能性はある。東京五輪では、格上アタッカーとの勝負になるはずだ。強敵との対峙で成長の足掛かりをつかめるかもしれない。