外出を控えつつ、しかし筋力や体力の低下はできる限り防ぎたい。そんなランナーに向けて、室内で取り組める「筋トレサーキット」をご紹介しています。まずは前編で5つのトレーニング種目を取り上げました。後編では、さらに5つの種目を動画で解説します。…
外出を控えつつ、しかし筋力や体力の低下はできる限り防ぎたい。そんなランナーに向けて、室内で取り組める「筋トレサーキット」をご紹介しています。まずは前編で5つのトレーニング種目を取り上げました。後編では、さらに5つの種目を動画で解説します。フォームを確認しながら、ぜひ取り組んでみてください。
室内で取り組める筋トレサーキットメニュー
6.バイシクルクランチ足の動きと身体の捻りを加えた腹筋運動です。腹直筋だけでなく腹斜筋や腹腸筋まで鍛えることができます。筋力アップはもちろん、軸の安定性が高まり、ランニングフォームの改善も期待できるでしょう。
手順1)仰向けになり、少し両足を浮かせる。両手は頭の後へ
2)左肘と右膝が触れるよう、身体を捻りながら腹筋を行う
3)元の姿勢に戻し、今度は右肘と左膝が触れるように腹筋を行う
4)左右交互に繰り返す
・身体の中心軸がぶれないようにする
・両足と肩(背中の上部)は床につかない状態を維持する
・しっかり呼吸をしながら取り組む
・反動を使わずに行う
身体を折りたたみ、V字を作る腹筋運動です。腹直筋と腸腰筋を中心として鍛えることができ、通常の腹筋に比べて大きな負荷が掛かります。なお、シックスパックを目指す方にもおすすめのトレーニングです。
手順1)仰向けになり、両手を挙げる
2)上半身と足を少し地面から浮かせる
3)腹筋部を中心に身体を折り曲げ、手の指先と足を近づけてV字を作る
4)元の姿勢に戻り、繰り返す
・できる限り上半身と下半身が同時に動くようにする
・V字の姿勢では手と足が触れるくらい近づける
・腹筋を折り曲げるだけでなく、手足をやや上方に引き上げる意識で行う
体幹トレーニングとして取り組んだことのある方も多い、腹斜筋を中心に鍛えるメニューです。ランナーの目線からは、筋力アップだけでなく四肢の連動性を整えるのにも役立ちます。
手順1)四つん這いの姿勢になる
2)左手と右足を同時にまっすぐ伸ばす
3)今後は左手と右足を引きつけ、身体の下で左ひじと右膝を触れさせる
4)終わったら反対側も行う
・四つん這いの姿勢では、手は肩の下、膝はお尻の下に配置する
・ぐらつかないよう片手足でしっかりバランスを取る
・手と足はまっすぐ伸ばす
・手足を伸ばした際、指先を見る
・できるだけ手足は同時に動かす
おなじみの背筋運動です。腹筋を行った後は、反対側に位置する背筋にも刺激を入れましょう。背中の動きは、大きく安定したランニングフォームに欠かせません。
手順1)うつ伏せになる。両手は頭の後ろで組む
2)両足と胸を少し浮かせる
3)身体を反らせて弓なりになる
4)元の姿勢に戻り、これを繰り返す
・上半身と下半身ができるだけ同時に動くようにする
・ゆらゆら揺れたり反動を使ったりしない
お尻や腹筋を中心に鍛えつつ、有酸素運動の効果もあるトレーニングです。足を浮かせたままの「マウンテンクライマー」もありますが、ランナーは地面に着地してリズムよく行う「マウンテンクライマー・ツイスト」をおすすめします。
手順1)腕立て伏せの姿勢になる
2)膝を曲げて右足を上半身側に引きつけ、床に足をつける
3)足を入れ替えて右足を伸ばし、今度は左足を引きつける
4)交互に繰り返す
・リズムよく行う
・腰の上下運動はできるだけ抑える
・両足が同時に着地するようにする
・前足は上半身側に着地させ、後ろ足はしっかり伸ばす
休憩前に「腿上げ」と「腕振り」
10個の筋トレに加え、休憩前に「腿上げ」「腕振り」を入れてみましょう。筋肉が負荷によって緊張状態となるため、動きを意識しやすくなります。筋トレから走る動きに繋げることで、ランニングスキル向上にも効果的です。セット回数が増えるほどうまく動けなくなりますが、ここでしっかり動かすことがレベルアップのポイントです。
腿上げ腿上げは、トレーニングで行ったことのある方が多いかもしれません。素早く、大きくリズミカルに動くことで走力アップに繋がります。
手順1)足を閉じた状態でまっすぐ立つ
2)右膝を曲げて上げ、同時に腕を振る
3)足を入れ替え、今度は左膝を曲げて上げる
4)左右交互に繰り返す
・膝は腰の位置までしっかり上げる
・地面から離れたつま先は上げるようにする
・腕と足が同時に動くようにする
・背中は反らさない、曲げない
・目線は前に向ける
・つま先は正面に向けた状態で行う
腕振りを含めた上半身の大きな動きは、ランニング時にとても重要です。腿上げでも腕は振りますが、ここでは腕だけの動きに集中して行いましょう。
手順1)足を閉じた状態でまっすぐ立つ
2)左右の腕を大きく振る
3)これを繰り返す
・つま先は正面に向けた状態で行う
・背中は反らさない、曲げない
・目線は前に向ける
・脇が開かないように注意する
・腕は横振りではなくまっすぐ振る
・腕を引いたとき肘が伸びないようにする
・腕は「肘から引く」意識で行う
・リズムを意識して素早く行う
フォームを意識し、すばやく行うと効果的
いずれのトレーニングもフォームを意識し、丁寧に行いましょう。そのうえで、できるだけすばやく行うと、持久力の向上に効果が高まります。最初は無理のない回数・時間から始め、少しずつ負荷を上げていくのがおすすめです。
また、ご自身のトレーニングを動画撮影し、SNSでシェアしてみるのもよいでしょう。仲間と一緒に同じトレーニングに取り組めば、離れていても一体感が生まれてモチベーションが高まるはず。前編・後編でご紹介した筋トレを組み合わせ、ぜひ“筋トレサーキット”にチャレンジしてみてください。
[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。また、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】https://www.run-writer.com
<Text & Photo:三河賢文>