昨季まで5年連続でファイナルまで勝ち上がったウォリアーズと重ね合わせる


 4月20日(現地時間19日、日付は以下同)から『ESPN』で放送がスタートしたドキュメンタリー“The Last Dance”は、これまで第1話から4話まで公開されており、世界中のバスケットボールファンだけでなく、メディアや選手たちをもくぎ付けにしている。

 これは1990年代に2度の3連覇を達成したシカゴ・ブルズが6度目の優勝を飾った1997-98シーズンを追跡したものとなっており、MJことマイケル・ジョーダンやスコッティ・ピペン(共に元ブルズほか)、デニス・ロッドマン(元デトロイト・ピストンズほか)、フィル・ジャクソンHC(ヘッドコーチ)など、レジェンドたちのストーリーを交えながら振り返っていくという珠玉のコンテンツ。

 ゴールデンステイト・ウォリアーズのスーパースター、ステフィン・カリーもこの『ザ・ラストダンス』に注目して観ている選手の1人。1988年3月14日生まれのカリーにとって、このシーズン当時は9歳と10歳だったわけだが、父デル(元シャーロット・ホーネッツほか)はキャリア12年目をホーネッツの一員としてプレーしていた。

 そしてホーネッツは98年のプレーオフ、イースタン・カンファレンス・セミファイナルでジョーダン率いるブルズと対決していた。ホーネッツはグレン・ライス(元ホーネッツほか)、アンソニー・メイスン(元ニューヨーク・ニックスほか)、ブラデ・ディバッツ(元サクラメント・キングスほか)らを中心に、両チームとも平均90得点未満というロースコアなシリーズを戦い、1勝4敗で敗退。父デルはシリーズ平均16.2分5.0得点2.0リバウンドに終わっていた。

 では、息子ステフはこのドキュメンタリーを見たことで、どのように映ったのか。先日“The Rory & Carson Podcast”に出演したカリーはこう話している。

「MJのドキュメンタリーは……(今とは)違う時代だよね。当時はすごくミステリーにあふれていたよ。ジョーダン、ピペン、ロッドマン。彼らがテレビに出演して、試合でプレーして、皆が熱中してたんだ。全てのドラマと彼らが乗り越えてきた経験の数々は、昨シーズンまでのウォリアーズが乗り越えてきたものと多くの点で比較できる。僕らはチームを作り上げて、トップに立ち続けようとしてきたんだ」。

カリーがブルズのドキュメンタリーから学んだのは「リーダーシップと……」


 カリーを中心に昨季までの5シーズンで3度優勝に輝いたウォリアーズは、2015-16シーズンに73勝9敗を記録し、95-96シーズンのブルズ(72勝10敗)を上回り、1シーズンにおける歴代最多勝記録を樹立。3連覇こそ達成していないものの、1950年代後半から60年代にかけて8連覇を達成したボストン・セルティックス以来初となる5年連続のファイナル進出を果たした。

 今季はカリーの長期離脱に加え、クレイ・トンプソンが全休、ドレイモンド・グリーンもケガに苦しみ、ウォリアーズはリーグワーストの15勝50敗でシーズン中断を迎えた。だが主力が健康体を取り戻し、ドラフトやトレードで戦力アップが期待できる来季、このチームは間違いなく覇権奪回を狙ってくるはずだ。カリーは『ザ・ラストダンス』から学んだこととしてこのように語っている。

「僕はリーダーシップについて多くを学んでいるんだ。それと、自分たちがやっていることが理解されるのは分かってる。けど同時に、全てのことはスポットライトを浴びている中で上手にやりくりしなきゃならないということかな」。

 『ザ・ラストダンス』は20年以上も前のことだが、今観ても当時の舞台裏を知ることができるだけでなく、意外なエピソードが出てきたりと、話題に事欠かない。「クレイジーだね」とカリーが評したのもうなずけるドキュメンタリーだ。

 では、そのカリー率いるウォリアーズが、今から20年以上も後に珠玉のドキュメンタリーを制作されるチームとなれるのか。昨季までのような王朝を来季以降に作り上げることができれば、その可能性は高まるのではないだろうか。