スポーツロスに嘆くファンへ「名珍場面特別編」―昨年6月、WBSSクルーザー級の一戦が波紋

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くのスポーツイベントが延期、中止を余儀なくされている。スポーツロスに嘆くファンへ向け、THE ANSWERでは過去の様々な競技で盛り上がったシーンを「名珍場面特別編」としてプレーバックする。今回は昨年6月、ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)クルーザー級の試合。ラウンド終了のゴングを主審が聞き損ね、試合が続行されてポーランド人選手がダウンするなど、後味の悪い試合に。危険な肘打ちも飛び出した一戦は「無能な主審に欺かれた」などと海外で波紋が広がった。

 なんとも後味が悪い試合となってしまった。発端となったのは2回残り30秒。接近戦からクジシュトフ・グロワキ(ポーランド)が放った左フックが後頭部に入るような形になった。これに腹を立てたのか、マイリス・ブリエディス(ラトビア)は身を起こすように右肘を相手の顔に向け、そのまま顎に入った。たまらずグロワキはリングに倒れ込み、会場は騒然となった。

 ただ、これにとどまらなかった。一旦休憩を入れた後に試合を再開させると、ブリエディスが2回終了目前に強烈な右でダウンを奪うも、グロワキは立ち上がった。ここでゴングが鳴った。2回終了のはずだったが、あろうことか主審は気づかず、試合を続行させたのだ。けたたましくゴングが鳴り響く中、試合に集中していたブリエディスは再び、ダウンを奪取した。

 主審はそのままカウントを数えたが、グロワキは立ち上がって試合を続行。リングサイドの関係者が主審に対し、ゴングが鳴っていることをアピールする中、ようやく事態に気づいた主審はやっと2回終了を宣告したのだった。納得がいかないグロワキ陣営は主審に抗議したが、そのまま3回が開始。受ける必要のないダウンのダメージがあったのか、グロワキは直後にKO負けを喫した。

元Sミドル世界王者「ノーコンテストになるべき」「無能な主審によって欺かれた」

 肘打ちを巡る騒動で会場が騒然となり、主審も冷静さを失ってしまったのか。英紙「ザ・サン」は引き金となったブリエディスの肘打ちの決定的瞬間を画像付きで公開。事の顛末をレポートした上で、当時の格闘技界の反応を伝えていた。

 元UFCヘビー級王者のダニエル・コーミエ(米国)は激怒したといい、「エルボーが当たった。レフェリーはゴングを聞いていなかった。ゴングの後、彼らは15秒ほど戦っていたと思う」と憤ったという。

 ボクシングのIBF元世界スーパーミドル級王者のカレブ・トゥルアックス(米国)は「ノーコンテストになるべきだ。ブリエディスは無能なレフェリーによって欺かれた」と主審に厳しく指摘し、無効試合を訴えたという。

 試合後、決勝進出を決めたブリエディス陣営は喜びを爆発させていたが、団体を超えて世界一を決めるWBSSにあって、アンフェアとも思える試合展開、そして結末はボクシング界に波紋を呼ぶことになってしまった。(THE ANSWER編集部)