テニスツアーは新型コロナウイルスのパンデミックのため中止されているが、中断期間中に独立した主催者たちがいくつかの大会を企画している。Tennis.comが報じた。早ければ5月1日にも、ドイツで…

テニスツアーは新型コロナウイルスのパンデミックのため中止されているが、中断期間中に独立した主催者たちがいくつかの大会を企画している。Tennis.comが報じた。早ければ5月1日にも、ドイツでTennis Point Exhibition Seriesが開始する。この大会はドイツ南西部のラインラント・プファルツ州で4日にわたって開催され、全部で32試合が行われる予定。フランス、ベルギー、ルクセンブルクに国境を接するこの地域は、近々ドイツ政府によりロックダウンが解除されることになっており、地域の官庁からは安全性の基準さえ満たせば開催の許可が下りている。

出場選手は観客を沸かせるエキサイティングなプレーで知られているダスティン・ブラウン(ドイツ)や、ヤニック・ハンフマン(ドイツ)ら8名で、トップ100選手は含まれていない。試合は無観客で行われるが、PlaySightにより配信される予定だ。

またこの大会は、テニスの不正行為を監視する機関であるテニス・インテグリティ・ユニット(TIU)が認可したオンラインの合法賭博の対象となる。

そしてフランスでは、先日お伝えしたように、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)のコーチでもあるパトリック・ムラトグルーが自身のアカデミーで5週間にわたる大会を計画している。その最初の試合は、世界ランキング10位のダビド・ゴファン(ベルギー)と世界103位のアレクセイ・ポプリン(オーストラリア)の対戦となる予定だ。

こちらも無観客で、ネット上で配信され、スタッフの数は最小限にとどめる。コーチングが許可され、その他にも通常の試合より規則が緩められるということだ。主催者のムラトグルーは大会について「より若い観客の獲得と、選手たちへの賞金の公平な分配を目指している」と述べている。

だがフランス政府による厳しいロックダウンは、大会開催予定の1週間前まで延長されている。大会が開催できるかどうかは、フランス政府の動向にかかっている。

またラファエル・ナダル(スペイン)が主催するラファ・ナダルアカデミーでは、この数ヶ月のうちに、選手たちが施設内でトレーニングできるようになるよう求めている。それが許可されれば、ナダルは選手たちの練習試合を放送することを考えているそうだ。

アカデミーから出された声明では、「現在はテニスよりも、すべての人の健康が最も重要だ。だがこの数ヶ月のうちに、アカデミーでプロ選手たちがトレーニングすることが許可されれば、プロ選手たちにここへ来てトレーニングしたり、試合をしたりして欲しい。今、大会は行われていないが、互いに競い合えばツアーが再開した時の助けになるだろう」とナダルは述べている。

アカデミーではここ2年間、チャレンジャーの大会が行われており、安全基準を満たすだけの備えがあるという。

2週間前、ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)のコーチであり、「ATP250 リヨン」の運営にかかわっているティエリ・アシオーヌ(フランス)が、中止になってしまったクレーコートとグラスコートのシーズン期間に、南フランスでいくつかの大会の開催を考えていると発表。アシオーヌは大会をフランステニス連盟と協力して開催し、収入は寄付する、と述べた。

他にもこういった大会が企画されているようだ。プロテニスにはエキシビションに関する規則はあるが、今はツアーの大会が開催されていないので、それらの規則は該当しない。だがATP(男子プロテニス協会)は選手たちに、公式の大会でなくとも、「倫理にもとる」行為には厳重に注意するように呼びかけている。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年スペインでの「フェドカップ」の様子

(Photo by Quality Sport Images/Getty Images)