スポーツロスに嘆くファンへ「名珍場面特別編」―陸上400mの棄権に波紋広がる

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くのスポーツイベントが延期、中止を余儀なくされている。スポーツロスに嘆くファンへ向け、THE ANSWERでは過去の様々な競技で盛り上がったシーンを「名珍場面特別編」としてプレーバックする。今回は昨年7月に陸上男子400メートルで起こった悲劇の棄権だ。バルバドスの選手が他選手のフライングに気づかず、400メートルを全力疾走。ゴールまで走り切って状況に気づき、結局、レースを棄権した。まさかの瞬間を大会公式YouTubeが動画付きで公開すると、「選手が本当に気の毒」「史上最悪の運営だ」などと波紋が広がった。

 悲劇の棄権が生まれたのは、昨年7月12日のダイヤモンドリーグ・モナコ大会の男子400メートルだった。緊迫したスタートの場面。しかし、号砲が鳴るより早く4レーンのカーマリ・モンゴメリ(米国)が動いた。すぐさまフライングを知らせるブザーが鳴った。走り出した面々は、直ちにスピードを緩めたが、異変がアウトレーンに起きた。音が聞こえなかったのか、6、7、8レーンの3人はそのまま走っていったのだ。100メートルほど走ったところで6、8レーンの2人は異変に気づき、ようやく走りを止めた。

 問題は7レーンのジョナサン・ジョーンズ(バルバドス)だった。それでも気づかずに走り続けた。他の多くの選手は仕切り直しに向け、切り替えていたが、なんとそのまま400メートルを完走。幻のゴールを切ったところでタイムが何も表示されておらず、選手たちがスタート地点にいるのを見て、初めて気づいた様子だった。両手を広げ、「何が起こったんだ」とばかりのリアクション。全力を出し切った直後とあって、そのままコース脇に座り込み、レースは棄権した。

 ダイヤモンドリーグ公式YouTubeチャンネルは「ジョナサン・ジョーンズ、間違えて400メートル完走」と題して実際のシーンを公開。目の当たりにした海外ファンもジョーンズに対する同情と、選手に気づかせることができなかった大会側に対する苦言が相次いでいた。

「誰もレースを止めなかったのが不思議」と疑問の声も

「この選手が本当に気の毒」
「オフィシャルの人間が誰もレースを止めなかったのが不思議。頑張りが無駄になってしまった選手が可哀想」
「この選手がリカバリーしてレースに出られるまで延期すべきだった」
「なんたる失態。運営は処罰されるべき」
「史上最悪の運営だ」
「ここ大事なんだけど、彼は優勝したの?」
「学生さん、ビッグレースにようこそ」
「彼は一瞬、優勝したと思ったはず。笑」
「可哀想。世界新記録を確信しただろうに」
「マラソンじゃなかっただけ、まだよかった」

 海外メディアも反応。スイスのフリーペーパー「20minuten」は「400メートルでフライング―選手は気づかず」と見出しを打ち、「彼にとっては、これがダイヤモンドリーグのデビュー戦。20歳の選手は全てを正しく遂行しようとしたが、結果的には全てがミスだった。体力を使い切ってしまったために、もう一度走ることはできなかった」とレポートしていた。(THE ANSWER編集部)