ロシアの重鎮が現行ルールに提言「能力の最大限を発揮させてあげるべき」 新型コロナウイルス感染拡大により、3月の世界選手権が中止となり、シーズンに幕を下ろしたフィギュアスケート界。女子では高難度のジャンプを決める選手が台頭する“4回転全盛時代…
ロシアの重鎮が現行ルールに提言「能力の最大限を発揮させてあげるべき」
新型コロナウイルス感染拡大により、3月の世界選手権が中止となり、シーズンに幕を下ろしたフィギュアスケート界。女子では高難度のジャンプを決める選手が台頭する“4回転全盛時代”を迎えている。ロシアの重鎮タチアナ・タラソワ氏は、女子ショートプログラム(SP)で4回転ジャンプを認めない現行ルールに対し「なぜフィギュアを40年前に戻すのか」と批判しているという。地元放送局「ロシアトゥデー」が報じている。
アレクサンドラ・トルソワ、アンナ・シェルバコワ(ともにロシア)、アリサ・リウ(米国)ら、4回転ジャンプを武器とする若手選手が現れている女子フィギュア界。国際スケート連盟(ISU)の現行ルールでは、女子SPで4回転ジャンプの構成は認められていないが、同局の記事によると「私は何も禁止すべきではないという意見です」と話したタラソワ氏は、次のように続けているという。
「女子SPの4回転を認めるべきです。認めるべきです! スケーターに能力の最大限を発揮させてあげるべき。これは、スポーツの発展にもつながるのです。何故に妨げるのでしょうか? これでは勝利も成功ももたらすことはないのです。なぜフィギュアを40年前に戻すのでしょうか?」
同局は「ISUに女子の参加年齢制限を唱えている批評家の中には、4回転の全面禁止を求めている者もいる。彼らは、若い選手が過酷なトレーニングを肉体に課すことで、健康に悪影響を及ぼすと主張している」と、女子フィギュア界を取り巻く現状を説明。様々な制約を主張する声もある中で、タラソワ氏は重ねてこう話しているという。
「ISUのやり方は間違っていると思います。これからのフィギュアはレベルの低いスケーターたちに合わせるべきと考えている人がいるのです。しかし、個人的にはどの選手にとってもハードルが上がることを望んでいます」
73歳名コーチの批判を取り上げる一方、同局はISUの苦悩についても言及。「シニアでわずか1、2シーズン戦っただけでキャリアを終えるトップ選手が何人か出たことで、年齢制限の変更の声は強くなっている。4回転による競技の発展を止めることなく、いかに選手寿命を延ばしていくか。ISUは難しいジレンマに直面している」とつづっている。(THE ANSWER編集部)