両親が営む寿司店「きよ鈴」を救うための取り組みとは? フィギュアスケートの平昌五輪団体銅メダリスト・長洲未来(米国)。日本出身の両親を持つが、その両親が米ロサンゼルス郊外で営む寿司店が、新型コロナウイルス禍で休業を余儀なくされている。米国で…
両親が営む寿司店「きよ鈴」を救うための取り組みとは?
フィギュアスケートの平昌五輪団体銅メダリスト・長洲未来(米国)。日本出身の両親を持つが、その両親が米ロサンゼルス郊外で営む寿司店が、新型コロナウイルス禍で休業を余儀なくされている。米国では多数の飲食店が経営危機を抱えている中で、長洲は閉店を防ぐために奔走しているという。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」が特集している。
ただ黙って手をこまねくわけにはいかない。同紙は「ミライ・ナガス、飲食店の閉店を防ぐ活動に希望を見つける」と題した記事では長洲の取り組みに注目している。
記事ではまず長洲と、両親が営む寿司店「きよ鈴」とのつながりを紹介。「学校に通っていない、フィギュアスケートのレッスンを受けていないころは同店の物置で寝て、皿洗いで25セントをもらっていたこともあった」と当時を振り返っている。
現在の「きよ鈴」は他の小規模事業者と同様、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、休業を余儀なくされているというが、長洲の母・育子さん、父・清人さんは政府からの複雑な融資計画を把握できておらず、店の状況はかなり逼迫したものだという。
そんな状況で長洲ができることは何なのか。記事では27歳のスケーターがある取り組みを知ったと伝えている。
「そうした中、ナガスは友人から『パワー・オブ・10』という飲食店を救済しようとする取り組みについて知った。それは、昨月ワシントンDCから始まったもので、従業員の再雇用や新型コロナウイルス禍で影響を受けた医療従事者などを支援できるよう、飲食店に資金を提供しようとする取り組みである」
ボストンで自己隔離中の長洲は友人に協力を呼びかけ
飲食店とコロナ禍にある医療従事者などをつなぐ「パワー・オブ・10」プログラム。きよ鈴は21日にロサンゼルスでその取り組みに参加する最初の店舗となり、今週には500食、来週はその倍となる食事の提供を行う予定だという。
長洲は現在ボストンで自己隔離中だが、そんな状況でも高校時代の友人らに声をかけ、「きよ鈴」の食事の配送を手伝ってもらうように呼び掛けているという。記事によると、本人は今回の取り組みについて「両親の寿司店がロサンゼルスで最初に取り組みを行う店舗となったことを嬉しく思います。また、その取り組みが全米に広まれば良いですね」と語っている。
「パワー・オブ・10」は、すでに個人や財団から20万ドル(約2150万円)の資金を調達している。また、取り組みが始まって3週間で、1万食が地域の病院、児童センター、ホームレスのための施設、高齢のアジア系移民の住居などに届けられている。個人に関しては、1食当たり10ドルで1食から1000食まで購入が可能。そして、その購入費用が飲食店の店員の給料となると記事では伝えられている。(THE ANSWER編集部)