男子テニス界のビッグ3、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、コロナ禍によるテニスツアーの中断で最も影響を受けている下位選手たちを…

男子テニス界のビッグ3、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、コロナ禍によるテニスツアーの中断で最も影響を受けている下位選手たちを助ける計画を進めているようだ。豪The Age紙が伝えている。新型コロナウイルスのパンデミックの影響でテニスの大会が中止になり、ランキング下位の選手たちは経済的苦境に直面している。彼らを助ける方法を模索するため、ジョコビッチは同じくATP選手協議会のメンバーであるフェデラーとナダルに連絡を取っていた。

その方法とは、例えば「ATPファイナルズ」と「全豪オープン」の賞金を特別援助基金に充てることだ。

スタン・ワウリンカ(スイス)とのインスタライブの中で受けたファンの質問に、選手協議会会長であるジョコビッチは、それらの援助はその資格がある選手たちにのみ与えられる、と語った。

「数日前にロジャー(フェデラー)とラファ(ナダル)と、テニスの近い将来について話した。今明らかにもっとも苦しい思いをしている下位選手たちを援助するために何ができるだろうと。ランキング250位から700位、あるいは1000位ぐらいの選手たちには国家の援助やスポンサーもなく、取り残されている」

17度のグランドスラム優勝者であるジョコビッチは、「ATPファイナルズ」のような大会でトップ選手たちが受け取る賞金を援助基金に充てることが短期的には解決策になるのでは、と語った。

「もし2020年の大会がすべて中止になったら、来年の“全豪オープン”の賞金を充ててもいい」とジョコビッチは付け加えた。

「上位、下位の選手たちが協力できて嬉しいよ。誰もがプロテニスの基盤を理解している。250位以下の選手たちはテニスの未来なんだ。彼らに、忘れられてはいないと示さなければならない。若い選手たちに、経済危機があってもテニスで食べていけるというメッセージを送らなければいけない」

プロテニスツアーはコロナ禍の影響で3月上旬に中断され、大会での勝利による賞金だけが収入源の下位選手たちは収入の道を断たれた。100位以下の選手たちの苦境を見て、テニスの運営団体であるATP(男子プロテニス協会)、WTA(女子プロテニス協会)、ITF(国際テニス連盟)、そして4つのグランドスラムの運営団体は、援助の計画をしている。

「選手会としてもまとまって、援助基金に協力したい。それをATPや他の団体が何らかの基準に基づいて分配してくれればいい。そのお金はなるべく必要としている選手に渡したい。基金として300万ドルから450万ドル(約3億2千万~4億8千万円)を分配できればいいと思ってる」とジョコビッチは語った。

※為替レートは4月21日時点

(テニスデイリー編集部)

※写真は左からジョコビッチ、ナダル、フェデラー

(@Getty Images)