ブラジル生活で改めて感じる日本の清潔さ「そういう根本的な部分は大きいと思う」 元サッカー日本代表の田中マルクス闘莉王氏は、2010年に南アフリカワールドカップで日本代表の16強進出に貢献するなど輝かしい実績を残し、昨季限りで現役を引退。親孝…

ブラジル生活で改めて感じる日本の清潔さ「そういう根本的な部分は大きいと思う」

 元サッカー日本代表の田中マルクス闘莉王氏は、2010年に南アフリカワールドカップで日本代表の16強進出に貢献するなど輝かしい実績を残し、昨季限りで現役を引退。親孝行のため現在はブラジルに戻り、遠く離れた日本の人たちとのコミュニケーションツールとするためにYouTube公式チャンネル「闘莉王TV」と公式インスタグラムを立ち上げた。闘将はこのたび「THE ANSWER」の単独取材に応じ、新型コロナウイルスの初感染者が出てから55日間で感染者4万人以上、死者2500人以上と被害が拡大しているブラジルの現状を危惧。日本の「3つの文化」の素晴らしさを改めて称賛している。

 ブラジルで新型コロナウイルスの感染者第一号が報告されたのは2月26日だった。イタリアからサンパウロ空港に帰国した60代の男性の感染が明らかになったが、これが南米での初のケースだった。

 すると、3月中旬から感染が拡大。感染者は4万581人、死者2575人(在ブラジル日本大使館公式サイト発表)と一気に事態は悪化した。

 ブラジルで初の感染者が出る以前から、日本ではクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」での感染拡大が社会問題となっていた。「自然災害もあった。神様は日本に試練を与えすぎると心配していた」という闘莉王氏だが、ブラジルでは一気に状況が悪化。感染者と死者の数は世界でそれぞれ11番目になってしまった。日本との違いを実感しているという。

「ブラジルに戻ってから、改めて感じるのは日本のキレイさ。とにかく清潔で衛生的。道路にゴミもない。ブラジルから友達を呼んだ時も、日本のキレイさにみんな驚いていた。新型コロナの感染に関しても、そういう日本の根本的な部分は大きいと思う」

 ブラジルではリオデジャネイロ州やサンパウロ州などで外出禁止令が出されているが、17日には1日で3000件以上の新型コロナ陽性が国内で確認されるなど、感染拡大のスピードは衰えを見せていない。

闘莉王氏が指摘する日本とブラジルの“3つの違い”とは…

 日本とブラジルの“3つの違い”が大きく影響していると闘莉王氏は言う。

「日本と文化的に決定的に違う部分がある。まずブラジル人はあまり手洗いの習慣がない。特に固形石鹸。固い石鹸をブラジルの人は使わない。自分自身も手洗いの習慣は日本に留学で行ってから学んだこと」

 日本では、子供の頃から学校で手洗いの重要性を学び、習慣化するが、ブラジルには石鹸での手洗い文化が乏しいという。

 さらに、闘莉王氏は「うがいという習慣もあまりブラジルではなかった。喉に痛みが出てから始めてアルコールやビネガーでうがいするイメージ。染み付いた予防という部分も大きいと思う」とも指摘。そして、3つ目の“違い”は「土足文化」だという。

「ブラジル人は面倒くさがる人が多い。土足でそのまま自宅にあがる。外のばい菌とかも、家の中に持ってきてしまう。うちは土足禁止にしているけれど、ブラジルの土足文化も今回悪い影響が出ていると思う」

 ブラジルのみならず、欧米では自宅やホテルで土足がOKとなっている地域は多い。外部からのばい菌を生活スペースに持ち込んでいるリスクは見逃せないと闘莉王氏は語る。

「何と言っても清潔さはどの国でも評価される日本人の美徳だと思う」。闘莉王氏は地球の反対側から、日本の文化を改めて称賛していた。(THE ANSWER編集部)