才能あふれる？悪童？キリオスについて知っておきたい5つのこと。ATPが特集

テニスのプレーにおいては高いポテンシャルを持ち、その行動や言動でコート内外ともに注目を集めることが多いニック・キリオス（オーストラリア）。そんな彼を、現地19日ATP（男子プロテニス協会）が公式サイトで特集した。

先日には錦織圭（日本／日清食品）も紹介された、このATPの特集シリーズ。今回は「キリオスについて知っておきたい5つのこと」として、以下の大きく5点にまとめて紹介している。

1）ビッグマッチに強い選手、ジョコビッチにはまだ負け無し。

2）予測不能、バリエーション豊富なショット。

3）チャリティ活動にも積極的、心優しい一面も持つ選手。

4）母国の森林火災への支援のために、サービスエースを量産。

5）バスケットボールをこよなく愛するプロテニス選手。

それぞれについて、簡単にではあるが紹介してゆきたい。

1）ビッグマッチに強い選手、ジョコビッチにはまだ負け無し。

現在24歳、世界40位（ランキングは3月16日付け）のキリオス。ノバク・ジョコビッチ（セルビア）にはこれまで2勝0敗、ラファエル・ナダル（スペイン）とは3勝5敗という成績で、さらにロジャー・フェデラー（スイス）、アンディ・マレー（イギリス）を加えたテニス界の「ビッグ4」全員から白星を挙げている。

最近では1月の「全豪オープン」4回戦で、惜しくも敗れはしたもののナダルと熱戦を繰り広げたのも記憶に新しい。それ以前にはキリオスがナダルを皮肉るなどし確執が取り沙汰される両者だったが、この試合後にはナダルから「今日のようなポジティブな態度で彼がプレーするのなら、素晴らしい未来が待っているだろう」と称えられた。

2）予測不能、バリエーション豊富なショット。

股抜きショットや、度々物議を醸した突然のアンダーサーブなど、予測不可能なプレースタイルのキリオス。対戦相手はリズムを崩される一方、観衆はそんなプレーにワクワクさせられることだろう。

ATP公式サイトによると、以前マレーもキリオスを「彼はエキサイティングな試合をしていて、大きな個性を持っていて、他とは違うんだ」「人々はそれを観ることを楽しんでいるんだ。僕も楽しんでいるよ」と評した。

3）チャリティ活動にも積極的、心優しい一面も持つ選手。

試合中には納得のいかない判定に対し主審に激しく詰め寄るなど、気性の荒い面が強調されることも多いキリオス。その一方で、自身の才能を生かして地域社会に恩返しをしたいと考えているようだ。

2017年には、恵まれない若者にスポーツの機会を提供することを目的とした「NK財団」を立ち上げている。

4）母国の森林火災への支援のために、サービスエースを量産。

オーストラリアで発生した史上最悪規模の森林火災。今シーズン開幕とともにキリオスは、オーストラリアシーズンにおいてサービスエース1本あたり200豪ドル（約13,500円）を寄付することを発表した。

その後「全豪オープン」は公式YouTubeで、大会中（男子シングルス）の彼のサービスエース計100本をまとめた動画を公開。キリオスは「ATPカップ」のシングルスでは69本のサービスエースを打っており、それだけを合わせると計169本、寄付額は33,800豪ドル（約229万円）以上となった。

5）バスケットボールをこよなく愛するプロテニス選手。

バスケットボール好きとして知られるキリオス。13日には自身のInstagramに、バスケットボール愛に溢れたド派手なタトゥーを腕に入れた動画をアップした。

1月にヘリコプター墜落事故により41歳の若さでコービー・ブライアントが亡くなった際、「全豪オープン」中だったキリオスは、追悼の意味を込めてレイカーズ時代の永久欠番である「8」の番号がついたユニフォームを着てコートに入場。涙を流し、ウォームアップもその格好のまま行っていた。

また、キリオスが次のように語ったエピソードもある。「14歳の時、両親がおれに話をしたんだ。テニスかバスケットボールか、どちらかを選ばなくてはならないってね」

◆プレーはもちろん、その発言や行動にも目が離せないキリオス。

現在のツアーにおいて、唯一無二の個性を持っていると言えるであろうキリオス。過去には度々その行動や発言が問題となっていることもあるが、才能あふれるプレーを見せるのは彼ならでは。

ツアー中断となっている最近は、ジョコビッチとマレーのインスタライブ中にコメント欄で現れたりもしているが、ツアー再開後にはまた予測不能でエキサイティングなプレーを見せてくれることが期待される。

（テニスデイリー編集部）

※為替レートは2020年4月21日時点

※写真は「全豪オープン」でのキリオス

(Photo by Kelly Defina/Getty Images)