テニス界に君臨する二人の王者、ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)は、他を圧倒する記録を持っている。シングルスでの名声に加え、二人はダブルスでオリンピックの金メダルを…

テニス界に君臨する二人の王者、ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)は、他を圧倒する記録を持っている。シングルスでの名声に加え、二人はダブルスでオリンピックの金メダルを獲得している。つまり、彼らはダブルスにおいても卓越したプレーヤーなのだ。2017年の「レーバー・カップ」で、二人がダブルス選手としての野心について聞かれた時のことを、ウェブメディア Essentially Sportsが振り返っている。フェデラーは、「それはとても良いアイディアだ(笑)。(ナダルが)スイス人になれば、オリンピックのダブルスで一緒にプレーできるね。もしくは、僕がスペイン人になる?」と冗談交じりに答えた。

だがナダルもフェデラーも、今後、あるいはシングルスから引退後も、ダブルスとして一緒にプレーをすることは考えていないようだ。「それはありえないね。僕から言い出すことはない」とフェデラー。さらに、二人は次のような会話を交わしている。

ナダル「もし君の方から言わないんだったら、うまくいかないだろうね」

フェデラー「言わないね。君の期待を裏切りたくない」

ナダル「うん、まあ、僕は…(笑)。やめておいたほうがいいと思う。結局のところ、僕らはシングルス選手だから、シングルスを引退した後にダブルスでプレーし続けるといのは想像し難いな。あまりいい考えじゃない」

ナダルとフェデラーが初めてダブルスペアを組んだのは、チェコのプラハで行われた2017年の「レーバー・カップ」。サム・クエリー(アメリカ)とジャック・ソック(アメリカ)のペアと対戦した。

二人がコートの同じ側から繰り広げるテニスを世界中のファンが楽しみ、プラハのスタジアムの熱気は圧倒的なものだった。そして、ナダルにとってこの経験は忘れがたいものとなった。

「まずは、僕たち二人にとって忘れられない日となった、ということだね。僕たちのライバルとしての今までの過去がある上で、コートの同じ側に立ち共にチームのために闘うということを、僕ら二人とも本当に楽しんだと思うよ」とナダルは語った。

2019年の「レーバー・カップ」でもダブルスを組む予定だった二人だが、ナダルの手首の炎症のため、それが実現することはなかった。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2017年「レーバーカップ」でダブルスで組んだフェデラー(右)とナダル(左)

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images for Laver Cup)