新型コロナウイルス感染拡大の影響で、レーシングドライバーによる人種差別発言騒動を巻き起こす事態となった。 人種差別発言をしたカイル・ラーソン(鶴田真也撮影) ファンを楽しませるためのバーチャルレースで・・・  米ストッカーシリーズ、NAS…

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、レーシングドライバーによる人種差別発言騒動を巻き起こす事態となった。

 

人種差別発言をしたカイル・ラーソン(鶴田真也撮影)

 

ファンを楽しませるためのバーチャルレースで・・・

 

 米ストッカーシリーズ、NASCARのトップカテゴリーに参戦する日系米国人のカイル・ラーソン(27)がバーチャルレースに参加中にアフリカ系住民を侮蔑する言葉を発したとして、NASCAR側から無期限出停止処分を科され、所属する名門チーム・チップガナシレーシングからも解雇されてしまった。

 ラーソンは12日、バーチャルレースのライブ配信でマイクチェックをした際に「僕の声が聞こえるかい?」と言い、続けざまにアフリカ系住民を意味する人種差別用語も発した。14日に自身のツイッターに「とにかく申し訳ないと言いたい。決して言ってはならない言葉を使ってしまった」と謝罪する動画を公開したが、時すでに遅しだった。

 NASCARから出場停止処分を受け、所属先から解雇された。さらに大口スポンサーとなっていた自動車ブランドのシボレー、ファストフード大手マクドナルドなどから契約解除を通告された。

 バーチャルレースはNASCARが新型コロナウイルスの感染拡大でシリーズが第4戦を最後に中断したことから、ファンを楽しませるために企画された。レースはライブ配信サービスを通じてインターネットで生中継され、出場しているドライバーの音声も公開されていた。

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トップドライバーとしてのステータスを一夜にして失うことに

 

ツイッターに公開されたラーソンの謝罪動画(本人のツイッターから)

 

 ラーソンは日系4世で、NASCARのトップカテゴリーでもあるカップシリーズで6勝をマーク。過去4年連続でプレーオフに出場し、昨季はランキング6位を獲得するなどトップドライバーの1人として知られる。それが不用意な発言をしたことで、せっかくのステータスを一夜にして失うことになった。

モータースポーツのレーシングカーは「走る広告塔」と呼ばれ、チームの運営費やドライバーの報酬はレースの賞金以外に、車体に貼られるスポンサー企業からの資金で賄われる。今回のような人種差別発言はブランドイメージを著しく傷つけるため、最も嫌われる行為でもある。

モータースポーツに限らずスポーツイベントでは過去にも選手や関係者から人種差別発言が出て、大問題となったことが何度もある。ラーソンがこのままNASCARのトップカテゴリーに返り咲くかどうかは分からない。まずは自分が発言したことの罪深さをかみしめ、真摯(しんし)に反省をすべきである。

[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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