写真:ティモ・ボル(ドイツ)/撮影:ittfworldヨーロッパ卓球連合(ETTU)は16日、ティモ・ボル(ドイツ)のインタビューをウェブサイトに掲載した。”欧州の皇帝”と呼ばれるボルは、2000年シドニー五輪から2016年のリオ五輪まで、…

写真:ティモ・ボル(ドイツ)/撮影:ittfworld

ヨーロッパ卓球連合(ETTU)は16日、ティモ・ボル(ドイツ)のインタビューをウェブサイトに掲載した。

”欧州の皇帝”と呼ばれるボルは、2000年シドニー五輪から2016年のリオ五輪まで、5大会連続で五輪に出場している。4月発表時点の世界ランキング10位の38歳は、20年近く世界のトップで闘う、名実ともにレジェンドと呼ばれるにふさわしい選手だ。

プロになったのは16歳




写真:ティモ・ボル(ドイツ)/提供:ittfworld

現在は、ドイツのヘキストの自宅で在宅生活を送っているという。

いつ卓球を始めたのかという質問に「3、4歳の時で、家で父と一緒に卓球をしていました。ほぼ毎日遊んでいました。ただスポーツをするのが好きだったんです」と語る。

「プロになったのは16歳のときです。ただ、自分が大きな結果を出せると楽観的に考えたことは一度もありませんでした」。

圧倒的なメダルの数




写真:ティモ・ボル(ドイツ)/提供:ittfworld

しかし、すぐにボルは世界のトップレベルで結果を出し始める。

なにより、これまでに獲得したメダルの数が圧倒的だ。

五輪団体で、銀メダルと銅メダル2個。世界選手権、2011年ロッテルダムのシングルスで銅メダル、2005年上海のダブルスでの銀メダルを含む8個のメダル。ヨーロッパ選手権で、27個のメダルを獲得し、そのうち19個が金メダル。

これまで五輪シングルスで表彰台に上ったことがないことが不思議なくらいである。

最も印象に残っている、日本との2008年北京五輪団体戦




写真:ティモ・ボル(ドイツ)/提供:ittfworld

その長いキャリアの中で最も印象に残っている瞬間は、2008年北京五輪団体戦準決勝で、日本に勝利した試合だと語る。

ボルは、若き水谷隼と岸川聖也に勝利して2点を挙げ、ドイツは日本に3-2で勝利した。ボルにとってそれが初めてのオリンピックメダルだったことも、より記憶に残った理由なのだろう。

最も印象に残っている選手はサムソノフ




写真:ウラジミール・サムソノフ(ベラルーシ)/提供:ittfworld

最も印象に残った人物はという問いにはこう答えている。

「ブラディミル・サムソノフ、彼の素朴な人間性が好きだ」。

後悔は何も無い




写真:ティモ・ボル(ドイツ)/提供:ittfworld

また、キャリアにおける最大の後悔はという質問への、ボルの答えも味わい深い。

「人は振り返ればいくつかの決断を批判することはできますが、そのときは常に正しいことをするという気持ちで行動していました。だから何も後悔はありません」。

そして今までで最高の幸せは「娘の誕生」だと語る。

最大の失意はアテネ五輪でワルドナーに負けたこと

最も悲しかったことを問われると「特にありません、私は幸運な男です」と語ったボルだが、「もし、卓球での失意を意味するなら」と前置きした上で「2004年アテネオリンピック準々決勝でワルドナーに負けたこと」を挙げた。




写真:ヤン・オベ・ワルドナー/提供:ロイター/アフロ

今年初めのヨーロッパトップ16カップで、ボルはそのワルドナーの記録を更新し、7個目のタイトルを獲得した。

優勝後にボルはこう語っている。

「私にとって、ヤン(ヤン・オベ・ワルドナー)は史上最高の選手の一人だよ。私はヨーロッパで成功しているが、彼は世界的にもっと偉大な選手だ」。

次の目標はと聞かれて「五輪でもう一つのメダル」と語るボル。日本の卓球ファンとしては、尊敬しながら、応援しながら、でも警戒しながらの気持ちかもしれない。

文:ラリーズ編集部