前半戦2勝1敗の3チームは後半戦で一つでも多く勝ち星を重ねてJXBトーナメント進出を確実にしたいところだ。中でも好ゲームが期待できるのは10月9日に行われるIBMビッグブルーとLIXILディアーズの一戦だ。僅差必至の好カードIBMとLIXI…

前半戦2勝1敗の3チームは後半戦で一つでも多く勝ち星を重ねてJXBトーナメント進出を確実にしたいところだ。中でも好ゲームが期待できるのは10月9日に行われるIBMビッグブルーとLIXILディアーズの一戦だ。

僅差必至の好カード

IBMとLIXILのメンタルな戦い

春季パールボウルでは21対20の僅差でIBMが勝利しているが、IBMは前半を優位に進めながら、試合終盤にLIXILに追い上げられて1点差に詰め寄られた内容だった。

今季のIBMはエースQBケビン・クラフト(UCLA)が負傷のため攻撃コーディネーター役に徹し、カレッジ日本代表の新人QB政本悠紀(早稲田大)を先発起用。RB末吉智一(早稲田大)、RB高木稜(京都大)のランを軸に、勝負所でパールボウルMVPのWR栗原嵩(法政大)へのパスと、政本の走力を絡める攻撃スタイルで戦っている。

大きな変化はメンタルな浮き沈みが少なくなったことだ。これまでのIBMは、爆発的な得点力を発揮する反面で、競った展開になると自滅する傾向が強かった。しかし、初戦の富士通戦では敗れたとはいえ、4Q中盤に19点差をつけられたところから、2TDを連取して5点差に迫り、すでに楽勝ムードが漂っていた富士通が肝を冷やした。

第3節のアサヒビール戦は、4Q中盤に27対27の同点に追いつかれながら、浮足立つことなくRB高木の決勝37ヤードTDランを決めて勝ちきった。

「パールボウルで対戦したLIXILは一喜一憂しないチームでした。今季はLIXILのように浮き沈みのないチームを目指しています」

IBMの主将DB中谷祥吾(関西大)は、チーム作りにおいてLIXILのメンタルな取り組みを手本としていることを明かした。

LIXILはターンオーバーを量産する守備でチャンスを作る戦い方に磨きをかけている。

延長タイブレークの末に勝利した第2節のノジマ相模原では4インターセプト(タイブレークを含む)を奪取。13対27で敗れた第3節のオービック戦は、WR木下典明(立命館大)に2つのキックオフリターンTDを許したことが直接的な敗因となったが、攻守の戦いは互角だった。特に守備はDB矢野秀俊(日本大)と、DB脇圭佑(立命館大)がいずれもオービックのTDを阻止するインターセプトを奪っている。

LIXILの森清之ヘッドコーチは、「負けたからといって自分たちが弱くなったわけではないし、もし、勝ったとしても強くなったわけではない」と、オービックに敗れた直後のハドルで選手たちにやるべきことをしっかりと積み重ねることを促していた。

接戦が予想されるIBMとLIXILの一戦は、メンタルな強さが勝敗を左右する戦いになりそうだ。

JXBトーナメントへのサバイバル戦

ノジマ相模原対アサヒビール

前半戦を1勝2敗で折り返すことになった、ノジマ相模原ライズ、アサヒビールシルバースター、アサヒ飲料クラブチャレンジャーズの3チームにとっては、ひとつも落とせない戦いが続く。

10月9日、共に1勝同士のノジマ相模原とアサヒビールの一戦は『サバイバル戦』の第一ラウンドだ。

ノジマ相模原はオービックに1点差、LIXILに同点延長タイブレーク戦の末に敗戦と、紙一重の戦いを落としてきた。しかし、開幕前に話題をさらったQBデビン・ガードナーとWRジェレミー・ギャロンのミシガン大コンビは、さすがの存在感を発揮している。

3試合合計でパス91投58回成功812ヤード4TD5被INT、ラン34回206ヤード3TDを記録しているガードナーは、チームが獲得した総獲得距離(1192ヤード)の85パーセント以上を稼ぎ出している。また、24捕球298ヤード4TDのギャロンはパス獲得距離(854ヤード)の35パーセントを担っている。

徹底的なマークを受けながらこれだけの結果を残していることは二人の実力が飛び抜けていることを証明している。一方で、彼らに偏重しているが故に、対戦守備にとっては的を絞りやすくなってしまい、勝負所で勝ちきれない原因になっているという見方もできる。

レシーバー陣随一のスピードを生かし、初戦からガードナーのターゲットの一人として活躍しているWR出島崇秀(久留米大)、「常にハドルにいてほしい」と、ガードナーが信頼をよせるTE吉田武蔵(日大)らが、攻撃の幅を広げるキーパーソンになりそうだ。

富士通に7対20、IBMに27対34と競り負けたアサヒビールだが、勝機を見出す戦いはできている。昨年はQBメイソン・ミルズ(サンディエゴ大)のパスに頼り切っていた攻撃は、2年目RB柳澤拓弥(拓殖大)の活躍によりバランスがとれてきた。また、DBのエースであるCB茂木雅人(国士舘大)とギャロンのマッチアップは、注目ポイントの一つだ。

第4節の注目カード②

10月9日(日)  IBMビッグブルー×LIXILディアーズ                           富士通スタジアム川崎

10月9日(日)  ノジマ相模原ライズ×アサヒビールシルバースター    富士通スタジアム川崎