2020年のクレーコートシーズンはあっけなく終りを迎えてしまったが、中止となった「ATP500 バルセロナ」は新型コロナウイルスの感染拡大に苦しむスペインを助けるための行動を起こした。ウェブメ…

2020年のクレーコートシーズンはあっけなく終りを迎えてしまったが、中止となった「ATP500 バルセロナ」は新型コロナウイルスの感染拡大に苦しむスペインを助けるための行動を起こした。ウェブメディアEssentially Sportsが伝えている。スペインは新型コロナウイルスの猛威に苦しみ、死亡者数では最多のイタリアに次いで1万人を超えている。だが、その死亡率はようやく下降し始め、終息への希望がわずかに見えてきたところだ。

しかし、スペインの医療機関は今も圧倒的な患者数に苦闘している。医療機器も医療施設も、理想的な状態からはほど遠く、多くのホテルも臨時の病院として使用されている。

けれどスペインの人々は勇敢に戦っている。ラファエル・ナダル(スペイン)とバスケットボール選手のパウ・ガソルがアスリートたちに呼びかけた募金活動には、現在Jリーグのヴィッセル神戸に所属するアンドレス・イニエスタや、他国からノバク・ジョコビッチ(セルビア)らも賛同。

そしてコロナのせいで中止になってしまった「ATP500 バルセロナ」も独自のやり方での貢献を決定した。2万個の帽子を、マスクに作り替えて寄付するというのだ。まず千個は地元の病院として使用されているホテルに、2千個はマドリードで2千床の患者収容施設として使われているIFEMAコンベンションセンターへ、残りのマスクもそれぞれ必要とされる所へ寄付される。

「ATP500 バルセロナ」は、2014年·15年に錦織圭(日本/日清食品)が連続優勝を遂げた大会だ。数年前そのセンターコートには、11回の優勝を誇るナダルの名が冠された。スペイン、そして世界がこのウイルスに打ち勝ち、再びこの美しい大会を見られる日が待たれる。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「ATP500バルセロナ」優勝のティーム(右)と準優勝のメドベージェフ(左)

(Photo by Alex Caparros/Getty Images)