2日、TBS系『S☆1』に野村克也元監督がVTR出演。この秋、野球界が注目する2人の投手を徹底分析・解説した。1人目は、北海道日本ハムファイターズのパ・リーグ優勝の原動力となり、CS、日本シリーズでも活躍が期待される大谷翔平。2人目は、今年…

2日、TBS系『S☆1』に野村克也元監督がVTR出演。この秋、野球界が注目する2人の投手を徹底分析・解説した。

1人目は、北海道日本ハムファイターズのパ・リーグ優勝の原動力となり、CS、日本シリーズでも活躍が期待される大谷翔平。2人目は、今年のドラフトの目玉で、複数球団からの1位指名が確実視されている創価大学の田中正義だ。

 

ノムさんは、大谷を「間違いなくMVPだ」と評価する。特に、優勝が決定した9月29日の西武戦で、1安打完封勝利をあげた投球内容を絶賛した。

「絶対に負けられないというプレッシャーのかかる状況で、『自分がエースなんだ』という気迫にあふれていた。大したものだよ。22歳の若さは感じられなかったし、まるで10年選手のようだった。プロ野球界も、こんなピッチャーが出て来たんだから、万々歳だね。顔もハンサムだし(笑)。メジャーリーグになんか行かないでほしいよ」

 

またノムさんは、12日から始まるCSファイナルステージ、そこを勝ち進んだ先に待ち受ける日本シリーズでは、「大谷は投手に専念すべき」と提言する。「CSも日本シリーズも1人では勝てない。昔は1人で勝てたけど、今の時代、4連投はありえないから。プレーオフ、日本シリーズを制するには、最低でも、もう1人2人ピッチャーが必要。バッターとしてもすごいけれど、登板の前後は休むでしょ? だったらピッチャー1本でいった方がいいと思う。

プロの選手いっぱいいるじゃん。功は人に譲れ、じゃないけど、チームにはプロの選手がいっぱいいるんだから、自分1人で手柄を上げなくても……。大谷が7戦制のシリーズを制するための4勝のうち、大谷が2勝をマークしてくれれば、チームとしては御の字だと思いますよ」

 

続いて、創価大・田中の投球シーンを分析。ノムさんはまず田中の体型について気になる点を指摘した。「足が細いのが気になるな。良いピッチャーって、みんな下半身がしっかりしている。だから、フォームとしては、そんなに良いとは言えない……上半身主導のピッチング。腕に負担のかかる投げ方だから、腕を壊さないか、少し心配だよ。足→腰→腕の順番に動かすのが正しいピッチャーのフォーム。今は、腕→腰→足の順番になってしまっている」

田中の投球フォームには「上半身に頼りすぎる」という弱点があると評価したノムさん。ただ、その弱点がハッキリしているだけに、「ここに下半身の力が加わったら、絶対にすごいピッチャーになる」とも期待する。

「今の若い子は、子供の時に力仕事ってしないでしょ? 我々の時代は、畑仕事をしないと食っていけなかった。みんな、そこで力の入れ方を覚えるんだよ。それが野球につながっていると思う。彼も、プロに入ったら、走って走って、下半身を鍛え抜くべき。下半身主導のピッチングに変わればすごいよ。キャッチした時にミットが浮き上がるようなすごいボールになると思う。今の段階であれだけの球を投げるんだから。プロ球団としては欲しくなるピッチャーだろうね。私も育ててみたい逸材だよ」

 

※野村元監督のコメントの詳細は、今夜0:00から放映の『S☆1』(TBS系)「ノムさんのぼやき解説」コーナーをご覧ください。