錦織圭(日本/日清食品)が初めてATPツアーのタイトルを獲得した2008年の「ATP250 デルレイビーチ」。この時のことを特集した2018年2月の記事を、ATP(男子プロテニス協会)が再度掲…

錦織圭(日本/日清食品)が初めてATPツアーのタイトルを獲得した2008年の「ATP250 デルレイビーチ」。この時のことを特集した2018年2月の記事を、ATP(男子プロテニス協会)が再度掲載している。

当時の錦織は18歳で、世界244位。初優勝するこの大会の前までは、ツアー本戦レベルで通算3勝5敗、一つ前はチャレンジャー大会の予選で敗れていた。

錦織は当時のことを「デルレイビーチでプレーしたくないとコーチに言ったんだ。でもコーチがプレーするように後押ししたんだ」と振り返っている。

だが、コーチの後押しを受けた錦織はこの大会で快進撃を見せた。予選を3試合勝ち抜き本戦へ出場すると、2回戦の当時世界120位のAmer Delic(ボスニア・ヘルツェゴビナ)戦では、12本すべてのブレークポイントのピンチをしのぎ勝利。準決勝では当時世界62位のサム・クエリー(アメリカ)から4本のマッチポイントをしのぎ決勝へ。そしてツアー本戦6大会目ながらプレッシャーを乗り越え、当時世界12位のジェームズ・ブレイク(アメリカ)を3‐6、6‐1、6‐4で破って初優勝を遂げた。

ブレイクは錦織との対戦前「圧倒できると感じていたんだ。アグレッシブになれると思った。それに、彼にとって初めての決勝だったから緊張しているかもしれないと思っていた」「これは大きなチャンスだ。決勝の相手が予選勝者だなんて」と思っていたという。だが錦織に敗れた後は「僕はとても良いプレーをしたけれど、彼は僕を打ち負かしたんだ」と錦織の実力を認めていた。

一方の錦織は当時のことを「自分を信じるのが本当に難しかった。300位くらいの選手に負けていたし、良いプレーができていなかった。優勝した時は何が起こったのかわからなかった」と振り返っている。

錦織は昨年10月に右肘の手術を受け、今シーズンはまだ公式戦に出場していない。復帰タイミングをうかがっていたが、男子テニスツアーは現在新型コロナウイルスの影響のため中断を余儀なくされている。錦織は自身のSNSやアプリなどでヒッティング練習をする様子を公開しており、ツアー再開時から大きく躍動してくれることが期待される。

(テニスデイリー編集部)

※写真は錦織圭(2008年6月)

(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)