新型コロナウイルスの影響のため、少なくとも6月7日までは中断することが決まっているテニスツアー。再開の目途は未だ立っていないが、小規模の大会は今年の開催だけでなく、存続の危機に陥っていると米紙…

新型コロナウイルスの影響のため、少なくとも6月7日までは中断することが決まっているテニスツアー。再開の目途は未だ立っていないが、小規模の大会は今年の開催だけでなく、存続の危機に陥っていると米紙New York Timesが報じている。

「ウィンブルドン」はパンデミックによる中止に対して適用される保険に加入しているが、3つの芝コートの大会を運営するEdwin Weindorfer氏は「地震やテロ行為などに備えて保険をかけているが、私の知る限りでは、この特定のウイルスに備えて保険をかけている大会はない」と話す。

「ATP250 ウィンストンセーラム」の元トーナメントディレクターであるBill Oakes氏によれば、ATP250の大会の平均運営予算は約400万ドル(約4億3,000万円)で、平均純利益は約12万5000ドル(約1,300万円)。68大会あるツアーのうち、ATP250の大会は38大会を占めており、通常通り開催された2018年でもATP250では13大会で赤字だったという。

今年はより多くの大会が赤字になると見込まれるが、損失をなるべく減らすにはなるべく早く中止を発表し、設備やケータリング、セキュリティなどへの支出を減らす方法がある。

だが財政破綻に直面する大会は、運営権を売却せざるを得ない可能性があると同紙は指摘している。

ツアー中断によって選手が経済的な危機に直面していることは既に報じられているが、それは大会側も同様。1日でも早く収束し、ツアーが再開されることが望まれる。

(テニスデイリー編集部)

※為替レートは2020年4月1日時点

※写真は中止となった2020年「ATP1000 インディアンウェルズ」会場

(Photo by Al Bello/Getty Images)