ATP(男子プロテニス協会)役員のマーク・ノウルズ(バハマ)は、ATPが新型コロナウイルスの感染拡大を受け6週間のツアー中断という大きな決断を下す際に、男子テニスのビッグ3であるロジャー・フェ…

ATP(男子プロテニス協会)役員のマーク・ノウルズ(バハマ)は、ATPが新型コロナウイルスの感染拡大を受け6週間のツアー中断という大きな決断を下す際に、男子テニスのビッグ3であるロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)そしてノバク・ジョコビッチ(セルビア)が大きな役割を果たしたと明かした。Tennis World USAが伝えている。

ノウルズは、ジョコビッチを会長とするATP選手協議会の12人の選手が役員会に助言をし、役員会がツアーを停止するという最終決断を下したと語った。バハマ出身の元プロテニス選手であるノウルズは、2002年から2004年まで選手協議会員を経験し、今年1月よりATP役員となっている。

取材に対し「(決断に至るまでは)もちろん非常に困難な時間でした。テニス界だけではなく、世界が大きく変わってしまった。皆の同意が得られるよう、電話会議を山ほどしました」とノウルズは語った。

「テニスはとても国際的なスポーツです。大会役員代表者、選手役員会代表者、すべての選手、すべての関係者が世界中に散らばっています。そのため、皆に諮って一つの決断に至るまで、実に多くの段階を踏まなければなりませんでした」

「少しまとまりかけてきたと思ったら、賞金、年金、選手の契約、メディアの契約など、全く別の要素が浮かび上がってきます。あまりに要素が多すぎるから、(全てを解決するには)少し時間がかかるでしょう。でも、ATPツアーはすべての問題に対処してきていますから、先回りして行動できていると感じています」

ATPツアーは、当面6週間の大会を中止とし、その後ヨーロッパで開かれるクレーコート大会については、今後の状況を見ながら判断するとしている。(5月24日から開催予定だった「全仏オープン」は突然9月末の開催を発表した。)

選手の中には「ATP1000 インディアンウェルズ」が土壇場で中止となったことに不満を露わにしている者もいたが、ノウルズの洞察を聞けば、すべての関係者にとってこの状況がいかに難しいものであったか分かるだろう。

またノウルズは、フェデラー、ジョコビッチ、ナダルの3選手が、ツアー関連の問題に果たしている役割について十分な称賛を得られていない、とも語った。「彼らはツアーの問題に非常に深く関わっています。これは我々にとってとても幸運なことです」

「彼ら3人は、テニス史上最高の選手でありながら、すべての決定に関わっています。ロジャーは膝の手術を受けたから、ツアーから離れていると思われているかもしれません。けれど彼は、真っ先にしっかりと物事が進められているか、我々が適切な方法で判断を下しているか確認してきました」

(テニスデイリー編集部)

※写真は左からジョコビッチ、ナダル、フェデラー

(Getty Images)