2020年2月10日、東京都江東区の豊洲西小学校で、ブラインドサッカーの体験授業(社会応援ネットワーク主催)が開催された。講師を務めたのは、ブラインドサッカー元日本代表で、参天製薬株式会社企画本部CSR室に所属する葭原滋男さん。

「ヨッシー(葭原さん)は、実はパラリンピックでメダルも取っているんだよ」。葭原さんは、1996年のアトランタパラリンピックから2004年のアテネパラリンピックの3大会にわたり、陸上・走り高跳びで銅メダル1つ、自転車競技で金メダル1個、銀メダル2個を獲得したパラリンピアンだ。

授業の冒頭、葭原さんは、「耳を澄ましてみて。どんな音が聞こえるかな」と、子どもたちに語りかける。

「あっちでパイプイスを広げている音がする、先生かな。とても小さい音だけど、空調の音もするね」。目が見えない葭原さんが音の方角や正体を言い当てると、「すげー!」と子どもたちから歓声が上がる。

「視覚に障がいのある僕らは、身の回りの音やみんなが発する声などを頼りに生活しています。ブラインドサッカーは音や声が非常に重要な競技です。今日はお互いに声をかけ合いながら楽しみましょう」

まずは二人一組になって準備体操。一方がアイマスクをかけ、アイマスクをかけていない児童は、葭原さんがする動きを声でパートナーに伝えるガイド役だ。

「屈伸」、「伸脚」など、具体的な名称で伝えやすいものはすぐにできる子どもたち。しかし動きが複雑なものになると、「違うよ、こうだよ!」と、上手く伝わらずにもどかしそうにする様子が見られた。その後、同じくアイマスクをした状態で、歩いたり、走ったり、ターゲットに向かってボールを蹴ったりするプログラムが続く。

葭原さんは時折子どもたちにヒントを与える。

「例えば、『手を十字に』とか、『ウルトラマンみたいに』というように、お互いにわかる言葉で伝える方法もあるよ」

「向かい合った相手にとっては、左右は反対になるよね」

ガイド役の人は、アイマスクをかけている人の立場に立って声をかけることが重要だと葭原さん。さらにアイマスクをしている人も、ただ指示を待つだけではなく、「これで合ってる?」と自ら問いかけることで、より密接なコミュニケーションが生まれると語った。

「最初はアイマスクをかけると見えなくて怖かったけれど、みんなの声で安心できた」、「普通のサッカーはやったことがあるけれど、アイマスクを着けるとまったく違う競技に感じた。すごく楽しかったので、パラリンピックのチケットが当たったらぜひ会場に見に行きたい!」。授業の最後、子どもたちは感想を語ってくれた。

この体験授業は、競輪の振興団体公益財団法人JKAの補助と、JR東日本、教職員共済、連合東京などの支援を受け、社会応援ネットワーク主催で実施された。