新型コロナウイルス感染拡大を受けて、「ATP1000 インディアンウェルズ/BNPパリバ・オープン」が中止となり、テニスファンはショック状態だ。その反応を、豪スポーツメディアYahoo Sport Australiaが伝えている。5番目のメ…

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、「ATP1000 インディアンウェルズ/BNPパリバ・オープン」が中止となり、テニスファンはショック状態だ。その反応を、豪スポーツメディアYahoo Sport Australiaが伝えている。

5番目のメジャー大会とも言われる「ATP1000 インディアンウェルズ/BNPパリバ・オープン」だが、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の脅威に対し思い切った対応に踏み切り、大会の開催中止を決定した。

「今、これだけの規模の人が集まる機会を設けるのは、リバーサイド郡の公衆衛生にとってあまりに大きなリスクとなる。大会が開催されることは、ファンや選手たち、そして近隣エリアの利益にならない。私たちは団結して、地域を新型コロナウイルス感染拡大から守らなくてはならない」と語るのは、南カリフォルニア大学の医学・医用生体工学科のDavid Agus教授。

会場付近にある病院、アイゼンハワー・ヘルスの副理事長兼COOのMartin Massiello氏も「公衆衛生と安全を守ろうとする、大会主催者の積極的な姿勢に感謝したい」と語った。

大会ディレクターであるトミー・ハース(ドイツ)は、「大会が開催されないのはとても残念だが、地元住民、ファン、選手たち、ボランティア、スポンサー、従業員、業者など大会に関わる全ての方々の、健康と安全が何よりも重要だ。大会を別の日程で開催する準備はできているし、その他の選択肢も探っている」とコメントしている。

「ATP1000 インディアンウェルズ/BNPパリバ・オープン」の中止はテニス界を揺るがした。テニスファンは、SNS上で落胆や怒りを露わにし、「ショックだ」「しょうがない」「なぜ無観客でやらないのか」「この地域で出たのは1件だけなのに。他の大会がここまで過敏でないと良いが」などの声が上がった。

大会側は事前に予防策を打ち出しており、ボールキッズが選手にタオルを手渡すことを禁じるなど、様々な対策が取られる予定だった。汗だらけのタオルをボールキッズと選手の間でやり取りすることは、衛生上の理由から長い間論争の的となっている。

大会での予防対策は、コロナウイルスが原因で地域初の死者が出たことを受け、カリフォルニア州知事が非常事態を宣言した直後から立てられていた。

「ATP1000 インディアンウェルズ/BNPパリバ・オープン」はグランドスラムに次ぐ大きな大会で、3月12日に始まる予定だったが、アメリカにおいて新型コロナウイルスが原因で中止となった最初の大きなスポーツ大会となってしまった。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年の会場の様子

(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)