フランス・メツで開催された「モゼーユ・オープン」(ATP250/9月19~25日/室内ハードコート/賞金46万3520ユーロ)のシングルス決勝で、第3シードのルカ・プイユ(フランス)が第1シードのドミニク・ティーム(オーストリア)を7-…

 フランス・メツで開催された「モゼーユ・オープン」(ATP250/9月19~25日/室内ハードコート/賞金46万3520ユーロ)のシングルス決勝で、第3シードのルカ・プイユ(フランス)が第1シードのドミニク・ティーム(オーストリア)を7-6(5) 6-2で下してツアー初タイトルを獲得した。

 先の全米オープンで準々決勝に進出したプイユ。この決勝では巧みにボレーを決めてマッチポイントをつかみ、それからセンターにサービスエースを決めて試合を締めくくった。

 22歳のプイユは頭を後ろに傾け、指を振って勝利を祝った。それからネット際でティームと抱擁を交わした。

 「ここで初めてのタイトルを獲得できて、本当にうれしい。出だしからいいプレーができたと思う」とプイユ。「少し休んでから、北京(チャイナ・オープン)に向けて、準備を整えるよ」。  世界ランキング18位のプイユにとって、今季はブレイクの年となっている(年初の彼のランキングは78位)。彼は今年、全米オープンでのラファエル・ナダル(スペイン)をはじめ、5人のトップ10プレーヤーを倒してきた。

 「マイアミでダビド・フェレール(スペイン)を倒して以来、レベルが落ちた期間というのがない」とプイユ。「今、止まることはできない。テニスの道はすごく長いんだ」。  プイユはコーチのエマヌエル・プランクに特別な感謝の意を捧げた。彼はプイユが勝利のスピーチを行っているとき、目に涙をためているように見えた。

 「ありがとう、マヌ。ここまでやってくれたすべてについて」とプイユは言った。「僕が今ここにいるのは、その大部分があなたのおかげだ」。  プイユはファーストサービスからのポイントの83%を獲得し、第1セットで直面した唯一のブレークポイントをセーブした。

 ロジャー・フェデラー(スイス)とナダルに憧れながら育ったというプイユは、「彼らのプレーをコピーしはしなかったが、彼らのコート上の振舞いとメンタルの強さを見習おうと努めてきた」と言う。  一方、キャリア8度目のタイトルを目指していたティームは第1セットで3度ブレークポイントをしのいだが、第2セットでは2度ブレークを許してしまった。

 「僕ら双方が第1セットでは非常にいいプレーをした」と23歳のティーム。「タイブレークで僕は4-0とリードしたが、今日のルカは僕よりもいいプレーをした。彼は初タイトルを獲得するのにふさわしいプレーをしたよ」。  全仏オープンで準決勝に進出したティームはシーズン末の「ATPツアー・ファイナル」初出場を目指し、いまライバルたちとしのぎを削っている。彼は11月にロンドンで行われるツアー・ファイナル出場を巡るレースランキングで、現在7位。出場枠は8つあり、3つは決まっているが(ジョコビッチ、マレー、ワウリンカ)、残る5つはまだ決まっていない。

 「長いシーズンだけど、(今日の)フィーリングはよかった」とティーム。「自分のプレー内容をうれしく思っている」。(C)AP(テニスマガジン)