2020年東京オリンピック開催の可否の議論が止まらない。日本で新型コロナウイルスが広がりを見せ、延期や開催地変更の噂が立ち始めた。だが国際オリンピック委員会(IOC)のある古参の委員は、その2…

2020年東京オリンピック開催の可否の議論が止まらない。日本で新型コロナウイルスが広がりを見せ、延期や開催地変更の噂が立ち始めた。

だが国際オリンピック委員会(IOC)のある古参の委員は、その2つの案はどれも現実的な可能性は低いと語り、よりあり得る可能性として、最悪のシナリオ、大会のキャンセルを示唆した。ウェブメディアEssentially Sportsが伝えている。

その発言をしたのは、カナダの元水泳チャンピオンで1978年から最も長期にわたりIOCのメンバーを務めているディック・パウンド氏だ。彼はAP通信のインタビューで語った。

「その時までに多くの人が聞きたいと思っているのは、この問題は日本できちんと管理できているのだろうか?東京に行って大丈夫だろうか?ということでしょう」その時というのは、オリンピック開催の運命を決める最終的な決断がなされる、2ヶ月の期限だ。

「そこから多くの準備が始まらねばなりません。セキュリティー関連、食事、オリンピック選手村、ホテル。メディアの人間は、会場へ行ってスタジオ設営を始めなければなりません」

もしも東京で予定通りに行うのは困難だと判断された場合の選択肢は「おそらく中止しかないでしょう」とパウンド氏は言う。

しかしながら、現時点ではオリンピックは東京で予定通りに行われることに変更はない、とパウンド氏は明言した。

「我々が知る限りでは、東京で開催されるだろう、ということです。現時点では、何も変わりはありません。だから、今まで通りあなたのスポーツに集中して下さい。IOCが皆さんをウイルスの大流行の中へほうりこむようなことはありません」

パウンド氏は、延期と開催地変更の可能性は完全に否定した。ロンドン市長候補であるショーン・ベイリー氏が代替地として名乗りを上げたのを受けての発言であろう。

「オリンピックという規模のイベントを、延期することはありません。あまりにも多くの人々、国々が関わっており、季節的な要因、あらゆるスポーツ界のスケジュール、テレビ放映の時期的な要因。簡単に“10月に変更しよう”などとは言えません」

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年オリンピック会場前

(Photo by Matt Roberts/Getty Images)