「東レ パン・パシフィック・オープン」(9月19~25日/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート)のシングルス準々決勝で、前年覇者のアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)が、リオ五輪金メダリストのモニカ・プイグ(…

  「東レ パン・パシフィック・オープン」(9月19~25日/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート)のシングルス準々決勝で、前年覇者のアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)が、リオ五輪金メダリストのモニカ・プイグ(プエルトリコ)を6-2 6-3で破り、準決勝に駒を進めた。ラドバンスカは次にカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)と対戦する。  第2シードのラドバンスカはプイグを圧倒。パワーという以上に優れたプレースメントにより8本のサービスエースを決めた。

 「このレベルで、この手のスコアで勝つには、よいプレーをする必要がある」と、2011年にもこの大会を制しているラドバンスカは言った。

 「オリンピックで金メダルを獲ったモニカ(プイグ)の調子がいいことは知っていたわ。でも、コートに出て行って自分のプレーをしなくてはいけない。サービスの調子がとてもよかったから、大きな助けになったわ」  ここ9年で、ウォズニアッキはラドバンスカに8勝4敗と勝ち越しているが、最近の3対戦で勝っているのはラドバンスカのほうだ。

 「私たちは、あらゆる場所の、あらゆるサーフェスで、多くの試合をプレーしてきた。彼女に対する試合は常に大きなチャレンジだわ」とラドバンスカは言った。「たとえ今、少し彼女のランキングが落ちていたとしても、私にとって彼女はトップ10プレーヤー。彼女に対しては、今日と同じくらい、いいサービスが打てるよう願っているわ」。  現在、28位のウォズニアッキは足首、膝、二頭筋の故障を乗り越え、いまベストコンディションに近づきつつあるように見える。彼女は全米オープンで準決勝に進んだが、同様の調子を維持。この日も、ファーストサービスからのポイントを高い確率で取るなどし、予選を勝ち上がったマグダ・リネッテ(ポーランド)を6-4 6-3で下した。

 「リズムに乗ることができて、いい感じでラリーを楽しんだわ。言うまでもなく、勝っているときはより楽しいわね」とウォズニアッキは言った。  一方、第1シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)はエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)に2-6 6-4 3-6で敗れ、もうひとつの準決勝は、ワイルドカード(主催者推薦)で出場した日本の若手、大坂なおみとスビトリーナの間で争われることになった。

 スビトリーナは、全仏チャンピオンのムグルッサに対する2時間の戦いに勝つ過程で、最初の5ゲームを連取する好スタートを切った。

 「第1セットで彼女はまったくミスをおかさなかった。それ以降も、すごく心地よさそうにプレーしていたわ」とムグルッサは言った。「彼女の動きはとてもよく、すべてのボールを拾っていた」。  快進撃を見せている地元のホープ、大坂なおみは、予選を勝ち上がったアリャクサンドラ・サスノビッチ(ベラルーシ)との準々決勝で、第2セット0-5ダウンから挽回した。そして、6-3 7-6(6)で勝利を収め、ツアー初の準決勝進出を果たした。

 癇癪を起こして2度ラケットを叩きつけた大坂だが、若さゆえの感情の乱れを克服し、持ち前のビッグサービスをよりコントロールして、一度は逃しかけた第2セットを取り戻した。  「プレーは楽しかった。私は少しコート上の姿勢を向上させるように鍛錬しなければならない」と試合後の大坂。

 「0-5から、私はスコアよりもショットを打つこと、プレー自体により集中した。彼女は見事なバックハンドのリターンを打つ選手だと感じたので、より球種やコースに変化をつけて、彼女がどうするか見てみようと思ったの。それから、ふたたびサービスを思いきって打つ自信を取り戻した」(C)AP