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追い込まれた日本高野連が「甲子園でもっとも嫌われた男」に救いの手を求めた。
U18日本代表監督に明徳義塾の馬淵史郎監督(64)が選ばれ、驚きの声が広がっている。馬淵監督は02年夏に全国制覇するなど歴代4位の甲子園通算51勝。出場予定の今センバツを含め、春夏34度の甲子園に導いている。
だが同監督で真っ先に思い浮かぶのは「ゴジラ松井5敬遠」だろう。92年大会の星稜(石川)戦で松井秀喜への5打席連続敬遠を指示。甲子園を埋めた高校野球ファンからの「帰れ」コールなど大ブーイングを受けた。試合後も采配批判にさらされ、日本中の〝悪役〟となる騒動になった。後日談として、当時の心境を明かしている。
「後悔するぐらいなら、最初からやっていません。あんな作戦を取って負けていたら監督を辞めていたでしょうが、勝ったわけやからね。今でも間違った作戦だったとは思っていない。高校球児の中に1人だけプロがいるようなものだった。松井くんと勝負して抑えられるとしたら、内角高め。だけど胸元だけを攻めて、死球を当ててケガでもさせてしまった方がよっぽど汚い野球だと思う。ただ、選手は監督の作戦に従っただけ。子供たちへのバッシングはかわいそうだった。子供たちには申し訳ないことをした」
「あれ以前も、あれ以降も、松井くんほどの大打者と出会っていない。甲子園で勝つための練習をやってきて、負けるための作戦を立てる監督なんておらんでしょ?
そもそも野球のルールを犯したわけやない。僅少差の展開では、たとえ2死であっても歩かせるリスクは大きい。敬遠は逃げじゃない。人を敬うからこそ敬遠なわけです」
プロを見ても、明徳義塾に目立ったスター選手はいない。突出した個の力がなくとも、指揮官の采配によって勝利をたぐり寄せる。限られたコマを操り、戦略を練り、蓄積した経験と情熱で勝機を見いだすことにたけた名将は、甲子園20大会連続初戦勝利という記録を持つ。
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馬淵監督抜てきの背景には、高校ジャパンの低迷がある。U18W杯で、元報徳学園(兵庫)永田裕治監督が率いた19年は5位。元拓大紅陵(千葉)小枝守監督が率いた17年は3位。日本の高校生は世界トップクラスの実力を持ちながら、1度も優勝経験がない。
任期2年でOB監督に託したが、結果が出なかった。現役監督との兼務は、15年の大阪桐蔭・西谷浩一監督以来となる。
歯がゆい思いが続く高野連はなりふり構わず勝利を求める。馬淵監督をサポートするコーチ陣も、花咲徳栄(埼玉)の岩井隆監督(50)、智弁学園(奈良)の小坂将商監督(42)、沖縄尚学の比嘉公也監督(38)と、首脳陣4人全員が甲子園での優勝経験を持つ豪華布陣を整えた。
馬淵監督は決意表明した。「最初は私で大丈夫か、という気持ちがあった。国際大会は社会人時代や02年日米親善野球で高校選抜監督の経験があるが、年々、各国も必死になってやっている。その中で結果を残すのは難しいが、日本の高校野球の存在感を見せられたら。日本の良さ、日本にしかできない野球ができれば。高校野球に育てられたので少しでも恩返ししたい。全身全霊をかけて頑張ります」
勝利優先で「日本中を敵に回した男」の代表監督選出。国際大会で結果を出せない高野連が、勝つために非情な選択もできる切り札を投入する。
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※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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