ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が「全豪オープン」決勝で激怒した事件の後、ロジャー・フェデラー(スイス)やラファエル・ナダル(スペイン)に苦々しい気持ちを抱いている、との報道に対して反論した。…

ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が「全豪オープン」決勝で激怒した事件の後、ロジャー・フェデラー(スイス)やラファエル・ナダル(スペイン)に苦々しい気持ちを抱いている、との報道に対して反論した。オーストラリアのNews.com.auが伝えている。

ジョコビッチは、今年の「全豪オープン」決勝で観客や主審に怒りを露わにし、論争を引き起こしたが、テニス界における現在の自分の立ち位置に満足していると語った。

テニスアカデミーの宣伝のため故郷セルビアのベオグラードに戻ったジョコビッチは、フェデラーやナダルと同じような称賛の念を持って扱われないことを苦々しく思っている、という報道を否定。それとともに、思わず他の心情を吐露することとなった。

ドミニク・ティーム(オーストリア)に勝利した「全豪オープン」決勝で、グランドスラム17回優勝を誇るジョコビッチは観客に野次られた。フェデラーやナダルとの関係性について質問されるようになったのはその後だ。

「全豪オープン」の観客がティームを贔屓していたことから、昨年の「ウィンブルドン」でも同様な状況でフェデラーに勝利したジョコビッチが、当時観客から受けた扱いについても険悪な感情を持っているのではないか、という憶測に再びスポットライトが当たるようになったのだ。

その試合で「ウィンブルドン」の観客達は、何度もあからさまに「ロジャー!ロジャー!」と声援を送ったため、ジョコビッチは観客たちが「ノバク!ノバク!」と言っているのだと自分に言い聞かせなければならなかったことを後に認めている。

「全豪オープン」の決勝は、ジョコビッチが主審の足に触れたり、圧倒的にティームを応援する観客たちに対して怒鳴り声をあげたりと、物議を醸すものとなってしまったが、ジョコビッチはそれらの問題から気持ちを切り替えようとしていた。

観客からひどい扱いを受けているにも関わらず、ジョコビッチの「全豪オープン」決勝での戦績は8勝0敗と完璧だ。そしてジョコビッチは、観客からナダルやフェデラーと同じような尊敬の念をもって受け入れられていないことについて、侮辱的と感じることはないと強調した。

セルビア人記者によると、一部の観客から無礼な扱いを受けることについて恨むことはないとジョコビッチは言ったという。「僕が嫌われているという記事を読んだことがあるけれど、そういう印象を受けたことはないんだ。特にコート外ではね。もしそうだとしても、火に油を注ぐようなことはしないよ」

「間違いを犯した時はいつもそれを認めているし、それから学ぼうと努力している。自分のしたことは自分に返ってくるし、悪感情の連鎖を生み出したくはないんだ。僕が愛されていないという記事にエネルギーを使ってしまったら、その話は広がり続ける。そんなの、望んでいると思う?」

「多くのファンが僕よりフェデラーやナダルの方を応援するのは事実だよ。だからといって、ファンが僕のことを嫌いという意味にはならないし、グランドスラムの決勝で僕を応援している人が少ないからといって世界とセルビアを敵対させる必要もない」

ジョコビッチは、明らかにフレンドリーで気楽な雰囲気の中、ロッカールームでフェデラーやナダルと遭遇した時の気まずさについても明らかにした。ジョコビッチ曰く、フェデラーやナダルの横でシャワーを浴びることは、彼自身にとっても、まわりの人々にとっても非常に居心地の悪いことだそうだ。

フェデラーやナダルについて「ほとんどの場合、お互いを避けるね」とジョコビッチ。「ロッカールームというのはどこでもそんなに大きくないから、お互いにロッカーの後ろに隠れるような感じさ。シャワーを隣同士のブースで浴びることもあるけど、お互い見ないよね。自分たちもチームもちょっと気まずい感じ。とてつもなく大きな感情を懸けているからね」

(テニスデイリー編集部)

※写真は左からジョコビッチ、ナダル、フェデラー

(Getty Images)