全日本学生選手権(インカレ)も2日目が終了。男子はクロスカントリー・ノルディック複合の両方で入賞者が出るなど、ボロボロだった1日目からの巻き返しに成功。女子はクロスカントリー競技で酒井結衣(スポ4=北海道・富良野)が2位、小林千佳(スポ3=長野・飯山)も3位につけ、首位を走るチームにさらなる勢いを与える結果となった。

★調子上がらずも、今大会初得点(男子部)


10位入賞を果たしポイントを獲得した宮崎

 昨日の悔しさを晴らすべく、出場する3名一丸となって臨んだ、クロスカントリー男子30キロクラシカル。チーム全員での入賞は叶わなかったが、宮崎遼周(スポ2=新潟・小出)が10位に食い込み、なんとかポイントに繋げた。

 1時間を超える長丁場となるこの種目。技術だけでなく、体力や精神力も大いに必要とされる。連戦の疲労が残るも、「勝てないレースではなかったので、優勝を狙っていた」と高い目標を掲げていた宮崎。しかし、レース途中で本調子でないと気づく。以降は、まずはポイントを得られるよう10番以内に入ることに焦点を定めた。その思惑通り、入賞圏内で粘り切ってゴール。冷静な判断が功を奏した。なお、星野誉貴(スポ1=群馬・利根商業)は27位、岡村慧胤(スポ3=長野・白馬)は43位と苦しんだ。

 絶対的エースである山下陽暉(スポ3=富山・南砺平)が不在とはいえ、思うような成果を出せずに終わったクロスカントリー男子。この悔しさを糧に来シーズンでの飛躍を誓う。

(記事、写真 大滝佐和)

★男子初の表彰台!傳田が2位に(男子部)


応援を背に受けながらゴールした傳田

 おととしのインカレでは優勝、去年も2位。早大のポイントゲッターであるノルディック複合競技・傳田英郁(スポ4=長野・飯山)はこれまで幾度となくチームを救ってきた。それは2部降格も視野に入るほど低調なスタートを切った今年も変わらない。2位入賞を果たし、男子では初の表彰台を達成した。

 まずはジャンプ。前日に行われた公式練習では調子が良くなかったため、イメージを変えていったというこの日1本目。「無駄なところは力を抜いて、入れるところは入れて」という意識で臨んだ練習だったが、「悪いイメージではなかった」と好感触。その華麗なジャンプでSMAPの曲が流れる花輪シャンツェをざわつかせた。そして挑んだ2本目・本番。白を基調としたユニフォームを身にまとい、練習で見せたジャンプを再現する。他の選手たちが2本目で記録を伸ばしていたこともあり、順位は6位と振るわなかったものの、逆転可能な位置につけた。

 続いてクロスカントリー。1位より44秒遅れてスタートした傳田は、1位との差やコースの状態を考えて、最初は飛ばさずに徐々に追い上げていく、というレースプランを考えた。4周のうちの3周目までは、明大・松沢、法大・村上と集団を形成し、1位を争っていた慶大・小林、専大・木村の実力者2人を追う展開となった。しかし、傳田がこの展開について、「余裕がある中でスピードを上げていた」にも関わらず「あんまり追いつかなかった」と振り返るように、先頭の2人との差はなかなか縮まらない。そのまま4周目に入ると、「もう最後の1周は応援と気持ちだけで持っていった」。そして、残り数百メートルというところでとうとう木村を捉える。優勝は小林に譲ったものの、傳田は2位でフィニッシュ。ゴールした直後はその場にバタリと倒れこんでしまったが、その後は一戸剛監督(平11人卒=青森・弘前工)やチームメイトとハイタッチをする姿も見せた。

 小林や木村など、傳田と同じく全日本の指定選手に選ばれている選手たちを追うかたちとなった今回のレース。例年と比べてもレベルの高い戦いとなったに違いない。それでもしっかりと優勝争いに食い込み、早大に貴重なポイントをもたらした。

(記事、写真 山田流之介)

★驚異の追い上げを見せた酒井が惜しくも2位(女子部)


2位集団の先頭を引っ張る酒井

 「千佳ガンバ!」アルペンの試合がなかったこともあり、早大スキー部からも多くの応援が駆け付けたこの日。男子に続いて行われたクロスカントリー女子15キロクラシカルは、たくさんの声援が飛び交う中でのレースとなった。その中でもひときわ輝きを放ったのは酒井結衣(スポ4=北海道・富良野)。5キロのコースを3周するうちの1周目、「上手くコースに入れなかった」と振り返るように、スタートリストが2番と良い位置だったにも関わらず、マススタートの混沌の中で大きく後れをとってしまう。それでも徐々に持ち直していき、1周目を4位で折り返すと、その後は小林千佳(スポ3=長野・飯山)と日大・米田の3人で2位集団を形成し、耽々とトップの座を狙っていった。しかし、1位を走っていた日大・小林萌の板が大当たり。スピードに乗った下りの速度についていくことができず、一時は約40秒ほど離されるほどの差がついた。それでも、酒井は持ち前の後半の粘りを生かした滑りで驚異の追い上げを見せる。グリップワックスの効きが甘かったと語るものの、懸命にストックを、そして足を動かし続け迎えた3周目。コースの最後の登りに先に現れたのは小林萌だった。その数秒後、エンジのユニフォームをまとった酒井が姿を現したものの、ゴールはもう目と鼻の先。悲鳴に近い声援が響く。しかし、近くて遠い1位の背中を、ついに追い抜くことはできなかった。15キロのロングレースだったにも関わらず、その差はたった5.6秒。「本当は1位を狙っていた」とはいえ、10キロ通過時点で1位との差が約27秒であったことを考えると、十分すぎるほどの追い上げを見せたといえるだろう。「リベンジじゃないですけど、リレーではトップで2走の人に繋げるように頑張りたいと思います」。酒井にとってはこのインカレが最後の大会となる。次のリレーがラストラン。4年間のすべてを、見せてくれ。

(記事 山田流之介、写真 大滝佐和)

▽クロスカントリー男子30キロクラシカル

10位 宮崎遼周(スポ2=新潟・小出)1時間21分13秒2

27位 星野誉貴(スポ1=群馬・利根商業)1時間24分46秒6

43位 岡村慧胤(スポ3=長野・白馬)1時間28分54秒0

▽男子ノルディックコンバインド

2位 傳田英郁(スポ4=長野・飯山)

前半ジャンプ6位 106.5点

後半クロスカントリー2位 24分50秒1

▽クロスカントリー女子15キロクラシカル

2位 酒井結衣(スポ4=北海道・富良野)49分00秒7

3位 小林千佳(スポ3=長野・飯山)49分25秒8

13位 佐藤葵(スポ4=秋田北鷹)52分26秒8

15位 広瀬悠(スポ2=富山・雄山)53分30秒9

コメント

宮崎遼周(スポ2=新潟・小出)

――今のお気持ちを聞かせてください

男子としては、実力のある2人(山下陽暉、広瀬崚)がいなかったので、その2人がいなくても僕らでもちゃんとポイント獲れるぞっていう展開にしたかったんですけど、初日がダメだったので。今日は途中までは優勝狙う気でいたんですけど、周りと離されてからはとりあえず点数は取らなきゃなと思って、10番っていうのを意識して、結果として1ポイントでも獲ることができたので、自分としてはとりあえず一安心です。

――優勝を狙う気でいたとのことですが

僕としては正直、勝てないレースではないと思っていたので優勝を狙っていたんですけど、ちょっと体の調子をうまく持ってこれなかったかなと。下りも離されたりしたので、レースの途中で10番以内に(目標を)切り替えたという感じですね。

――連戦の疲労はありましたか

ありました。疲労は溜まりやすい方なので。今日の30キロもあんまり得意ではないというか、長い距離は得意ではなくて不安もあったんですけど、サポートの皆さんのおかげで頑張れました。

――昨日の結果を受けて、今日のレースに向けてどのように気持ちを作りましたか。

僕はけっこう波がある方なので、悪かった次の日にすごく良いってことも今まで経験としてあるので、もう一旦昨日のことは忘れて、今日は今日として考えてました。

――今レースのように長距離を滑るときに、特に意識することはありますか

先頭集団から離れ過ぎないことを除けば、自分がその中で抜けた実力とかが無ければ温存すること。前半積極的に出ることも大事なんですけど、引っ張りすぎると後半で一気にうしろの人達に追い抜かれるので。僕は長いレースは大体前半は前の方にいて、後半越されることが多かったので、(今日は)前半なるべく前に出ないように、人のうしろで楽をするようにしました。

――昨年もクラシカルで入賞(10キロクラシカルで5位入賞)されていますが、フリーよりクラシカルの方が得意なのでしょうか

僕としては、成績が出やすいのはクラシカルの方です。走るとか体力的な動作がクラシカルの方が多くなるかなと。昨年は得意な短い距離とクラシカルが重なりましたが、今年は苦手な長距離とクラシカルという組み合わせだったので、少し難しかったです。

――インカレの種目も終わり、今シーズンも終盤に近づいてきました。次戦への意気込みをお願いします

もしかしたらこれ(インカレ)が最後かもしれないのですが、まだ気を緩めないで。この後少し落ち着くとは思うんですけど、早いうちからまた来シーズンのことを考えて、練習に打ち込めればいいかなと思います。

傳田英郁(スポ4=長野・飯山)

――前半のジャンプを振り返ってみていかがですか

調子良くなかったっていうのがあって。昨日(の練習)も悪くてきょうどうなるかなって思っていたのですが、少し変えたというか。イメージを少し変えて、どうなるか分からなかったのですが、1本目練習でやったら、悪いイメージではなかったので、2本目もそういう感じでいうと思って。あんまり良くなかったので気楽にいこうと思っていて、それが逆に良かったのかなっていう感じです。

――イメージを変えた、というのは、気持ちの部分でですか

技術面ですね。少し低く組んだというか、無駄に力を入れないというか。少し昨日までだと『ここをああして、こうして』っていって力を込めながら、無理にいいかたちになろうと思って組んでいたのですが、シンプルにいこうかなっていう考え方にして。無駄なところは力を抜いて、入れるところは入れてってシンプルなかたちにしたら少し(練習で)いい感じがしたので、そこが変えた部分ですね。

――次に、後半のクロスカントリーではどのようなレースプランで臨みましたか

きょうのコンディション的に前半から飛ばしすぎちゃうと、後半まで持たないっていうのが目に見えてわかってたんですよね。自分の中で。なので最初から飛ばさずにというか。徐々にいって最後出し切ろうというかたちにしようと思っていて。少し前半抑えめにはいったのですが、本当に抑えるわけではなくて、余裕がある中でスピードを上げていたのですが、あんまり追いつかなくて。『追いつかないなあ』って思いながら走っていて。もう最後の1周は応援と気持ちだけで持っていった感じなんですけど(笑)。でも、予想していたプラン通りにはいったのかなって思います。少し抑えながら入って、最後上げられたので。レースプラン的には良いようにいけたのかなって自分の中では思います。

――2位に踊り出たのはいつくらいだったのでしょうか

本当に最後の登りですね。コースが10割だとしたら多分8割くらいのところで追いついて、そのままって感じですね。だから本当にギリギリまで追いつかなくて、 本当に9割くらいの、最後の最後の3、400メートルくらいでしたね。

――後半のクロスカントリーのレースが午後、しかも太陽が出ていたこともあって、水を含んだシャバシャバした雪質だったと思うのですが、板や雪の状態はどはいかがでしたか

昨日とかおとといとかもスキーテストとかをして、条件は良くなさそうだなっていう風には思っていて。きょうも午前中クロカンの人たちが先にやって、(コースを) 均してもらったのですが、結局雪の状況はそんなに変わっていない感じで。足とかに負担がかかるんですよね。(雪が)固くなくて、沈んでいってしまうので。なのでハードなレースになるとは思っていたのですが…。このコース結構スピードコースで、板が滑らないと勝てないような感じだったので、板も心配していたのですが、コーチとかワックスマンとかの方々がテストしてくれた甲斐もあり、板もそんなに滑らない訳でもなかったですね。平地とかはそれほど差はなったのですが、下りとかで近くにいた大学(の人)と比べると滑っている感じもあったので、大丈夫かなとは思って。そこで気持ちの余裕ができた感じもありましたね。コースはきつかったのですが、板には助けられた感じがします。

――他の種目の選手たちも駆けつけていて、たくさんの応援があったかとは思うのですが、その応援はどのように聞こえていましたか

びっくりしましたね(笑)。普段も応援はあるのですが、こんなに応援されて走ることってなかなかなくて。(クロカンの)レースが終わって、中日っていうこともあってアルペンの人とかもいることもあって。やっぱり応援の力はデカかったのかなって思いますね。(応援が)なかったら多分あそこまで上げられなかったので。いてもらえて良かったです。

――優勝できなかった要因を敷いてあげるとするならば、どのあたりでしょうか

前半ジャンプで差がつきすぎてしまったっていうのと、単純に走れないっていうのの両方なのですが。シーズンの最初、ワールドカップも回っていたのですが、調子悪くて結局回れなくなって日本に帰ってきて、国体(国民体育大会)もこの前5番で。調子が上がらない中でこっちに来て、なんとかやった感じなのですが。きょうも。結構僕調子に波があるほうなんですよね。そこの波があるっていうのも一つの課題なんですけど。そこをいかに、自分の体をコントロールして。(コントロールが)いけていないっていうのが今の課題だと思うので、そこをクリアしていけば平均的にレベルアップしていけると思うので、そこなのかなって思います。

――これでインカレでの出番は終了しましたが、まだシーズンは続きますか

そうですね。3月2日出発予定です。フィンランドとロシアの方になると思うのですが。

――早稲田で過ごした四年間を振り返ってみていかがですか

楽しかったですね。兄と姉が同じ早稲田出身で。雰囲気とかもよくて、早稲田に入りたくて、決まりとかも少なくてそれがいいなって思って(笑)。早稲田に入ったのですが、いい人ばっかりで。後輩もいい子ばっかりで。高校の時は練習ばかりというか、特に何もなかったのですが、寮にも入ってみんなといろいろして、すごい充実したというか、いい四年間を過ごさせてもらったなという気持ちです。

――スキーだけでなく私生活でも充実した四年間になったと

他の大学をみても早稲田の方が、ローラーコースとか、コースではないのですが、学校の周りを走れたりもできて。1周15キロある狭山湖を走れたりとか、練習環境もよくて。練習もしっかりできたし、普通の私生活の面でもみんなでワイワイと、和気あいあいと過ごすことができました。女子寮と男子寮も近くて、女子との壁もなくみんなで仲良くというか、いい雰囲気でやれるのが早稲田のいいところだなとは感じるので。楽しかったです。

酒井結衣(スポ4=北海道・富良野)

――スタートリストでは2番手という良い位置でしたが、1周目終了時は4位に下がっていました

2つ要因があって、1つは上手くコースに入れなかったことです。もう1つは、元々私はあんまり前半早い方ではなくて。他の人よりスピードがないので、どっちかと言えば持久力型で、長い距離の方が得意で、みんなが落ちてきた時に粘るという走りなので、やっぱりどうしても最初がいつも出遅れるんですよね。でも、今日は15キロだったので正直焦りました。なんで私ここにいるんだろうと思って。焦ってもダメだなというのもあったので。ワックスがあまり効かなかったというのもあって、焦ったらもっと悲惨というか、うまくいかなくなると分かっていたので、焦らず自分のペースでいこうと思いました。

――日大の米田選手と小林千佳選手(スポ3=長野・飯山)と3人で2位集団を形成していましたが、その時のレースプランは

元々千佳とは、スタート前や昨日も(日大の選手らを含めた)メンバー的にも(前に)出れたら最初から出るしかないよねと話をしていたので。離せたらそこで競り合うくらいのレース展開になったらいいねと。でも最初は私は出遅れてしまって、千佳とも結構差があったので。一緒になって2位集団になったぐらいでちょうど上りだったので、同じチームで競り合って良いペースで上っていけてよかったなと思います。

――最大で1位と40秒差となったにも関わらず、ゴール時は5.6秒差まで詰めましたが

先ほども言ったように、私はやっぱり後半型というか、スピードがあまりないので、後半粘れるタイプで。1位の日大の選手(小林萌)は最初の2周が速くて、3周目バテてしまったと思うので、タイプの違いだと。

――ワックスの調子が良くなかったというのは

今日は結構難しい雪質だったので。今日の種目って、滑るワックスを塗って、まっすぐ進むために止めるためのワックスも塗るんですけど、今日は両方うまくいくっていうのが難しい雪質で。その辺は日大の選手がすごく(板が)当たってたのかなと思います。私の場合は、滑るワックスはすごく良かったんですけど、止める方のワックスがちょっと甘くて止まり切らなかったので。その分滑ったので、下りでは結構楽に走れたんですけど、上りはちょっと辛かったです。

――2位という好成績ですが、優勝するのに足りなかった点を挙げるとすれば

本当は1位を狙っていたんですけど、自分の得意種目でもあったので。やっぱりインカレって他の大会と違って独特な雰囲気があって。去年も3位で、一番狙ってる大会ではあるんですけど、そこに合わせ切れないというか。今日はそれなりの走りはできたんですけど、インカレの雰囲気にのまれてしまっているというか、いつもしない緊張をするので。あとは、私はこの大会で引退なので、最後のレースだと思いながらも頑張っていたんですけど、これから続けていく選手とのそこの差は大きいのかなとは思います。自分の中ではそんな風には思っていないんですけど、結果に出てしまうのかなと。

――昨年もクラシカルで3位入賞、リレーでも(クラシカルで)区間トップの活躍でした。クラシカルが得意なのですか

クラシカルが得意というか、フリーが苦手というか(笑)。

――最後に、明後日のリレーへの意気込みをお願いします

多分私は1走をまかされるので。一番競るであろう日大の1走は今日の1位の子だと予想するので、リベンジじゃないですけど、リレーではトップで2走の人に繋げるように頑張りたいと思います。