「東レ パン・パシフィック・オープン」(WTAプレミア/本戦9月19~25日/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/ハードコート)の本戦5日目はシングルス準々決勝が行われ、ディフェンディング・チャンピオンであるア…

 「東レ パン・パシフィック・オープン」(WTAプレミア/本戦9月19~25日/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/ハードコート)の本戦5日目はシングルス準々決勝が行われ、ディフェンディング・チャンピオンであるアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)がモニカ・プイグ(プエルトリコ)を6-2 6-3で、2010年の覇者であるカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)は予選勝者のマグダ・リネッテ(ポーランド)を6-4 6-3で破り、それぞれ準決勝に駒を進めた。

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 2度の優勝を誇り、「この速いサーフェスが気に入っている。このセンターコートでプレーするのは気持ちいい」と話すラドバンスカが、76分の快勝で準決勝進出一番乗りを決めた。

 準々決勝の相手はリオ・オリンピック金メダリストのプイグ。「彼女は攻撃的でよい選手。特に今シーズン調子がいい」とラドバンスカは警戒したが、この日はサービスが好調でサービスゲームで主導権を握ると巧みなドロップショットなどで前後に揺さぶり、最後までプイグに思うようなプレーをさせなかった。

 第2セットに自身のサービスで一度ブレークを許したが、逆にプイグのサービスを計5度ブレーク。「攻撃的なプレーヤーに対してはこういう内容でプレーする必要があるし、考えた通りのプレーができたと思う」と自身で納得のプレーだった。

 昨年覇者であるラドバンスカが準決勝で対戦するのは、6年前の優勝者であるウォズニアッキ。今シーズンは足首、膝、上腕二頭筋と相次いで故障に見舞われるなど苦しいシーズンを過ごし、8月にはランキングを74位まで落としていた。

 しかし、全米オープンで準決勝に進出すると、今大会でも1回戦でベリンダ・ベンチッチ(スイス)、2回戦で第4シードのカルラ・スアレス ナバロ(スペイン)を破るなど完全復活を果たしている。

「彼女はすばらしいファイター。ランキングが下がっているかもしれないが、私の中ではトップ10にいる選手と認識している。彼女とはこれまで長い間、何度も対戦しているし、お互いに手の内を知り尽くしている。長い試合になるだろうし、厳しい試合になると思う」とラドバンスカはウォズニアッキ戦の展望を語っている。

 一方、準々決勝では予選勝ち上がりのリネッテをストレートで退けたウォズニアッキも、準決勝に向けて「アガ(ラドバンスカ)はとてもラケットさばきが上手い選手。彼女とはこれまで何度も試合や練習をしてきたから、明日は試合の中で多くのサプライズが出てくるとは思わない。長いラリーが続く試合になると思う。対戦するのが楽しみだし、いい試合をしたい」と意気込みを語った。

 これまでの対戦成績は8勝4敗でウォズニアッキがリード。今シーズンはこれが初の顔合わせとなる。

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 前日9月22日から順延となっていたダブルス準々決勝に臨んだ加藤未唯(佐川印刷)とシュー・イーファン(中国)のペアは第2シードのサーニャ・ミルザ(インド)/バーボラ・ストリコバ(チェコ)に2-6 2-6で敗れ、準決勝進出はならなかった。

(テニスマガジン/ライター◎田辺由紀子)