去年のインカレ覇者である早大スキー部の男子だが、全日本学生選手権(インカレ)初日、入賞者が1人も出ない結果となった。この時点で優勝は絶望的な状況に。その一方で女子部は絶好調。これまでのすべての種目で優勝を達成し、この日だけで大量51ポイントを獲得。2年ぶりの総合優勝に向け、幸先の良いスタートを切った。

★アルペン男子は入賞者ゼロ(男子部)


1本目終了時には快調な滑りだしだと思えたが…

 インカレ初日。このインカレに先立って行われたスーパー大回転に続いて、2種目目である大回転が行われた。昨年は中川慎(スポ3=北海道・札幌第一)と今颯人(スポ2=北海道・旭川明成)が入賞を果たし、今年もポイント獲得に期待が高まるこの種目。その期待に応えるかのように、1本目終了時点では5位に今、8位に佐藤進太郎(スポ1=新潟・関根学園)、11位に石島裕一郎(スポ1=北海道・札幌第一)と3人が入賞を狙える位置につけた。しかし2本目、早大を悪夢が襲う。押切凌(スポ4=北海道・札幌第一)が「コンデションが悪い」と語れば、今も「(2本目は)1本目と全然雪質が違った」と振り返るように、晴れた状態で行われた1本目のレースと、視界が霞むほどの降雪の中で行われた2本目とのバーンコンディションの違いに対応しきれない。今、石島裕が立て続けにDNF(DID NOT FINISH、途中棄権)となってしまい、佐藤は最後まで滑り切ったものの20位まで順位を落としてしまう。「日本一難しいのではないかと思うくらい難しいコース」。以前行われた対談で、中川は花輪スキー場アルペンコースについてこのようなコメントを残しているが、コース、そして雪の状態にあざ笑られたかのようなレースとなってしまった。アルペンはこれで2種目終了したものの、いまだ男子の獲得ポイントはゼロ。次の種目である回転では一矢報いたいところだ。

(記事、写真 山田流之介)

★ルーキーが奮闘も入賞者は出ず(男子部)


懸命に手足を動かす岡村(右)と宮崎

  男子クロスカントリー競技、初日は10キロフリー。1周5キロのコースを2周したタイムで順位を争う。早大からは3名が出場するも結果は振るわず。最高順位はルーキーの星野誉貴(スポ1=群馬・利根商業)の11位にとどまり、入賞者を出すことはできなかった。
 岡村慧胤(スポ3=長野・白馬)は、「とにかくリラックスして、笑顔で楽しく滑ろう」と前向きな気持ちでスタートを切った。しかし、体が伴わなかった。序盤から早くも動きの悪さを感じとり、その後も調子を上げられず13位タイでフィニッシュ。「自分が思うように体を動かすことができなかった」と悔しさを滲ませた。また、宮崎遼周(スポ2=新潟・小出)は17位でレースを終え、物足りない結果となった。
 本来の力を発揮しきれず、不完全燃焼に終わった初日。「チーム全員で表彰台」(岡村)という目標へ向かって、気持ちを新たに、続くレースに臨む。

(記事 大滝佐和 写真 中島和哉)

★石島瑶が3年越しに『頂』へ(女子部)


優勝を達成した石島瑶

 待ちわびていた。石島瑶子(スポ4=群馬・尾瀬)は3年前のインカレでルーキーながら堂々とした滑りで見事優勝を果たした。だが、「自分が上になってくるにつれて、『自分頑張んなくちゃいけないな』って勝手に思っちゃう」(石島瑶)と言うように、学年が上がっていくにつれ徐々にチームの柱としての責任感を自覚するようになり、なかなかレースでも攻めきれなくなった。そのため、以降の2年間は安定して入賞は果たすものの、インカレの舞台で1度も『頂』に立てずにいた。今年こそ――。その思いは誰よりも強かったに違いない。そして迎えたインカレ初日、アルペン・女子大回転。1本目で石島瑶は会心の滑りを見せる。「滑りの内容としては良くなかった」というが、それでも最後まで攻めの姿勢を忘れなかった。結果は1位。2本目が悪天候により流れ、そのまま石島瑶の優勝が決定した。実に3年越しとなるトップの座に関して、インタビューでは『うれしかった』ではなく『よかった』と答えるところからも、本来の居場所が『頂』そのものだったことが伺える。さらに、松本なのは(スポ3=北海道・札幌第一)が6位入賞したことにより、この種目で早大は16ポイントを獲得。総合優勝への道は、着実に歩むことができている。

(記事、写真 山田流之介)

★小林が圧倒的な実力で見事優勝(女子部)


得意のスケーティングでインカレ初優勝を飾った小林

 クロスカントリー女子5キロフリーには4選手が出場。最も輝きを放ったのが、小林千佳(スポ3=長野・飯山)だ。いつも小林としのぎを削る選手たちがジュニア世界選手権などに出場するためインカレに不参加だったこともあり、「自分が勝たなきゃいけないな」と小林。1周(5キロ)で終了という距離の短いレースの中、序盤から攻めの滑りを展開し、前の選手を次々にとらえた。終盤も粘りの走りを見せ、最後まで勢いが衰えなかった小林は、2位と30秒以上差をつけ、圧倒的な強さで見事優勝。「素直にうれしい」と喜びを口にした。酒井結衣(スポ4=北海道・富良野)力強い走りで6位入賞と健闘。一方、佐藤葵(スポ4=秋田北鷹)は、「不甲斐ない走りになってしまった」と、悔しさの残る14位で終えた。

(記事、写真 中島和哉)

★大井がインカレで悲願達成(女子部)


表彰式で笑顔を見せる大井(左)と松本祐

 有言実行だ。インカレの目標を「優勝」と置いていた大井栞(スポ2=北海道・札幌日大)が女子スペシャルジャンプで優勝。去年惜しくも2位に終わった雪辱を晴らした。しかし、「もっと大差をつければよかった」と振り返るように、まだまだ自分のジャンプに満足はしていない。W杯で活躍できるようになるために――。インカレは一足先に種目を終了したが、大井の挑戦はこれからも続く。
 一方、ワンツーフィニッシュでチームに貢献したいと意気込んでいた松本祐依(スポ1=北海道・札幌日大)だったが、結果は2位に大きくポイントを離されての3位。来年のインカレでの雪辱を誓う。

(記事 山田流之介 写真 大滝佐和)

▽アルペン男子大回転

20位 佐藤進太郎(スポ1=新潟・関根学園)1分54秒25

38位 中平賢郷(スポ4=青森・東奥義塾)1分56秒60

43位 押切凌(スポ4=北海道・札幌第一)1分57秒76

DNF 中川慎(スポ3=北海道・札幌第一)

DNF 今颯人(スポ2=北海道・旭川明成)

DNF 石島裕一郎(スポ1=北海道・札幌第一)

▽クロスカントリー男子10キロフリー

11位 星野誉貴(スポ1=群馬・利根商業)25分12秒1

13位タイ 岡村慧胤(スポ3=長野・白馬)25分27秒6

17位 宮崎遼周(スポ2=新潟・小出)25分34秒2

▽アルペン女子大回転(1本目のみ)

優勝 石島瑶子(スポ4=群馬・尾瀬)51秒48

6位 松本なのは(スポ3=北海道・札幌第一)52秒49

25位 西村紗英(社4=長野・白馬)54秒75

32位 湊屋幸菜(スポ2=北海道・倶知安)55秒35

DNF 大越沙耶(スポ2=東海大札幌)

▽クロスカントリー女子5キロフリー

優勝 小林千佳(スポ3=長野・飯山)13分45秒

6位 酒井結衣(スポ4=北海道・富良野)14分36秒

12位 広瀬悠(スポ2=富山・雄山)15分16秒2

14位 佐藤葵(スポ4=秋田北鷹)15分27秒1

▽女子スペシャルジャンプ

優勝 大井栞(スポ2=北海道・札幌日大)187.1

3位 松本祐依(スポ1=北海道・札幌日大)134.5

コメント

押切凌(スポ4=北海道・札幌第一)

――今日の自分の滑りを振り返ってみていかがですか

コンデションが悪いっていうのと。それが悪いのは分かっていたので、言い訳にはできないのですが、その中でどれぐらい頑張れるかっていうのは自分のスタートの前とかに考えていたのですが。難しい箇所の前に1本目はちょっと失敗して。ちょっと寄り道して。視界とかは結構よかったので、ハマればいいタイムで滑ることができたと思うのですが、失敗もあったりとか、自分の中で攻めきれない部分があって。あの順位(43位)になってしまったのかなっていうのはあります。

――この順位をどのように捉えてますか

自分の中でGS(大回転)は得意な種目ではないので、別に自分に期待していない訳ではないのですが、そんなにスラローム(回転)に向けて悲観することはないのかなと思っています。チャンスはあったのですが、それを生かしきれなったという感じです。

――チームとしてもここまで入賞者が0人と、苦しい戦いとなっていますがいかがですか

今日1本目はみんな、30番に残っている人は良い位置にはつけていたとは思うのですが、力が足りなくて入賞できなかったとかではなくて、ちょっとついてなかったりとか、そういう偶然とかもあったりしての結果だと思うので、しっかりと準備していけば、次のスラロームでは、挽回とまではいかないですけどそれなりに戦えるメンバーではあると思います。

――次戦の回転種目への意気込みをお願いします

去年スラロームで悔しい思いをしているので、今年は入賞は最低限したいと思います。今日みたいに(バーンの)コンデション(不良)であったりとか、『紛れ』のあるコースでもあると思うので、そこに付け込めればどんどん入賞する中でも上は狙えると思うので。精一杯頑張ります。

今颯人(スポ2=北海道・旭川明成)

――1本目は5位につける好タイムをマークしましたが、振り返ってみていかがですか

1本目はスタート(の順番)も早かったので、雪面の状況とかは悪かったのですが、スタートが早いっていうアドバンテージを生かして攻めの滑りをすることができたので、失敗した箇所もあったのですが、その割にはいいタイムが出たのかなって思います。やっぱりスタートを生かせたのが良かったと思います。

――2本目はコースから外れてしまいDNF(DID NOT FINISH、途中棄権)になってしまいましたが、あれは何が起こったのでしょうか

入れなかったというか、あふれちゃったっていう感じです。1本目と全然雪質が違って。1本目の時には板が強く噛んでいなかったのですが、2本目の雪質になってからあんまり雪面から離れないような状況になってしまって。スタートしてから常に遅れ遅れで、速くターンを終わらせることができなくなって。それが積み重なってあそこであふれちゃったっていう感じです。

――次戦の回転種目への目標を教えて下さい

僕は得意種目がGSで、スラロームがあんまり得意ではないのですが、今年は例年に比べればスラロームも成績が伸びてきているので、去年に比べれば全然チャンスはあるのかなって思うので、今は0点で優勝とかは狙えないと思うのですが、当たって砕けろみたいな。全力で砕けないようにしたいと思います。

岡村慧胤(スポ3=長野・白馬)

――レースを終えてみて、率直な感想をお願いします

最初から最後まで楽しく滑ろうと思ったんですけど、もうすごくきつくて。結果的には応援に応えることができなかったんですけど。でも感謝の気持ちを持って、最後まで楽しく滑り切ることができたので、それはよかったです。

――今レースの良かったところと悪かったところを教えてください

良かったところは、コーチ達が良い板を作ってくれたので、最高の態勢でスタート位置には立てたと思います。悪かったところは、やっぱり終始きつくて、足も重くて自分が思うように体を動かすことができなかったので、そういうところだと思います。

――どのようなレースプランを考えていましたか

自分の調子が良ければそのまま最初から快調に飛ばしていこうと思っていたんですけど、あんまり今日は、動き始めて、体の動きが少し悪かったので、うしろに速い選手もいたので、その人についていこうかなと思いました。

――どのような気持ちでレースに臨みましたか

自分は結構、大事な大会になると空回りして、体がガチガチになって動かないことが多いので、とにかくリラックスして、笑顔で楽しく滑ろうと思ってスタートしました。

――レース途中であまり体が動かないと分かったときに、気持ちの変化はありましたか

気持ちの変化はそこまでなかったんですけど、でもまあきつかったので、それはもうしょうがないと思って受け止めて滑りました。

――昨年のインカレと比べて、変わったところや成長できたところはありますか

夏からウエイトトレーニングと体幹トレーニングを昨シーズンよりも一層力を入れてやってきたので、そういう体の面では万全の状態で臨めたかと思うんですけど。国体とか出場できなかったので、ちょっとレースの感覚がどうなのかなと。

――今日の結果をどのように捉えていますか

入賞できていないので、それはちょっと悔しいですけど、終わってしまったので、もうとにかく切り替えて、明日のレースでチーム3人表彰台に上がれるように、万全の準備をしたいと思います。

石島瑶子(スポ4=群馬・尾瀬)

――優勝おめでとうございます。1年生ぶりとなる優勝だと思いますが、今のお気持ちはいかがですか

天候が荒れて1本のレースになっちゃったんですけど、優勝できてよかったです。

――2本目が中止となりましたが、それを受けていかがですか

2本目滑ってたら、どうなるか分からなかったレースでもあるんですけど、1本目でちゃんと1番につけられたのは良かったと思います。

――勝因はどこにありましたか

セットがまっすぐなセットだったので、思い切っていくしかないセットだなという印象で。まっすぐ攻めていくことを意識していけたのがよかったのかなと思います。

――今日の滑りで悪かった部分があれば

滑りの内容は良くなくて、全体的にポジションがうしろになっていたことと、雪が難しい雪で、スキーの反応が無い、スキーが返ってこない雪で、そこに対してスキーが返ってこないから急いで上体から動いちゃっていたので、スキーのたわみをうまく使えなかったと思います。

――対談では大嫌いとおっしゃっていたコースでしたが

雪が雪で、コースがどうのこうのっていうよりはもう雪が難しいなという感じだったので。難しかったですね。

――次戦の回転種目に対しての意気込みは

今スーパーGとクロカンも全部女子は頭とっているので、この流れでスラロームもしっかり優勝したいと思います。

佐藤葵(スポ4=秋田北鷹)

――今の気持ちを教えてください

全然ダメだったので悔しいです。

――きょうの試合に向けてどのような気持ちで臨まれましたか

最後というのはそんなに考えていないんですけど、2年間入賞できていなかったので、4年生としてちょっとでも貢献できたらなって思っていたんですけど、結構不甲斐ない走りになってしまったので悔しいです。

――きょうの試合の中で良かった点、悪かった点、ご自身でどのように振り返っていますか

良かったところはあまりないです。悪かったところは、ダメになった時に気持ちもダメになってしまうので、終わってみてもっと強くなりたいなと思いました。

――きょうのコースの状態やコンディションはいかがでしたか

コンディションは良い方向にもっていけていました。コースは雪があまり滑らなかったので、そういう時でも早く走れるようになりたいです。

小林千佳(スポ3=長野・飯山)

――レースを終えて、率直な感想をお願いします

初めてインカレで優勝することができたので、素直にうれしいなと思います。いつもトップで戦っている選手達が世界ジュニアとU23に行っていて(インカレに)来ていないんですけど、私もそれ(世界ジュニアとU23)を目指していていたんですけど、今回は行けなくて。ここでタイム差をつけて勝とうとは思っていたので、得意のスケーティングでまずは、と思ったのですが、案外タイム差はつけられなかったのかなという感じはありますけど、でも30秒以上つけて勝つことはできたので、それは素直にうれしいです。

――レースの収穫と課題をそれぞれ教えてください

前半から攻めた滑りができて、前の選手との距離も詰めていけたんですけど、中盤上り切ってからのところがダラダラしている部分があって、そこら辺の上りから下りの繋ぎとかそういうところで少しスピードに乗り切れなかった部分はあるかなとは思って、後半崩れた滑りになってきてしまったので、その辺でも進む滑りを持続できるようにはしていきたいなと思います。

――今回の会場はコースが難しいと聞きました。コースの特性も踏まえて、練習ではどんなことを意識していましたか。

鹿角(今回の会場)は多分好き嫌いが結構分かれるコースだと思うんですけど、私はここはインターハイの時に優勝しているコースで、結構自分の中では好きなコースなので、上ったらすぐ下るっていうのが多いコースの設定で、上りで頑張って下りでしっかり休めるんですけど、上り切りでうまくスピードに繋げるとか。そういうのは常に練習から意識して。練習で速くずっと滑ってるとやっぱり疲れちゃうので、上りはゆっくり滑っても、上り切りとか下りはじめとかはレースを意識してやるようにはしていました。

――スタート前はどのような心持ちでしたか

このレースはスケーティングで、自分の自信のある種目で、さっきも言ったようにライバル達が上の大会に行っちゃってていないっていう部分もあって、やっぱり自分が勝たなきゃいけないなっていう気持ちもあって。でも緊張もしたんですけど、今日は絶対に勝てるっていう自信もあったし、もう絶対に勝たなきゃいけないっていうのは思ってはいました。

――この結果をどのように捉えていますか

やっぱりタイトルを取ることは嬉しいですし、久しぶりに個人で優勝できて、それはすごい自信には繋がったので、また明日に繋げていきたいなと。3冠を目指しているので。3冠します。

大井栞(スポ2=北海道・札幌日大)

――優勝という結果に対して、率直な感想をお願いします

ちゃんと優勝できてよかったです。

――今日のジャンプに点数をつけるなら何点ですか

75点だと思います。昨日公式練習がキャンセルになってしまって、今日ぶっつけ(本番)で試技1本目2本目っていう感じだったのですが、もうちょっといい内容を飛べたら良かったって、もっと大差をつけて優勝できたら良かったなっていう風に思います。

――昨日強風で練習が中止になったことの影響はありましたか

昨日やっぱり飛べていると、ジャンプ台の感触を掴むことができるのですが、今日初めてっていうことだったので。ちょっと緊張しましたね。

――インカレ2年目となって、ここまでのチームの雰囲気はどうですか

去年は1年目であんまりよく分かっていない感じというか、インカレってどういうものなんだろうなと思ったのですが、2年目は自分も分かってきて、チームもやっぱり優勝に向けて頑張っていると思うので、自分は貢献できてよかったなと思います。

――次の目標はありますか

今シーズンの試合はまだあったのですが、コロナウイルスの影響でなくなってしまうかもしれなくて、来シーズンになってしまうかもしれないんですけど、来シーズンはワールドカップのメンバーに入って世界を回っていたらいいなと思います。