昨春のセンバツで打線の中軸を担い優勝の立役者となった熊田任洋(スポーツ科学部入学予定=愛知・東邦)と、エースとしてチームを昨夏の甲子園優勝へと導いた清水大成(スポーツ科学部入学予定=大阪・履正社)が春から早大野球部の一員となる。高校時代に日本一を経験した両選手が、4年間優勝から遠ざかっている早大で、再び日本一を目指す。神宮へと戦いの場を移す2人の甲子園のスターに大学野球生活に懸ける熱い思いを伺った。

※この取材は2月13日に行われたものです。

「早慶戦を見た時にすごく魅力を感じた」(熊田)


質問に答える熊田

――高校野球を引退されてから今まではどのように生活されてきましたか

熊田 引退してから、監督(東邦高・森田泰弘監督)から卒業するまで野球部だと言われていたので、練習に参加していました。

清水大成 履正社高校でも、現役の選手に混ざるわけではないですが、グラウンドに行って3年生全体で練習していました。

――東京に来てからの生活はいかがですか

熊田 特に変わってないです。

清水大成 自分も変わっていません。

――現在は寮に住まれているのですか

清水大成 学生マンションに住んでいます。

――早大野球部の練習に参加して1週間ほどになりますがいかがですか

熊田 一つ一つの課題を解決するために深い練習をしているなと感じています。

清水大成 高校と違って、選手一人一人が自分の課題を明確にして練習に取り組まれているので、見習っていこうと思っています。

――なぜプロ志望届を出さず大学進学を選ばれたのですか

熊田 高校のチームメイトに石川昂弥(現中日ドラゴンズ)がいるのですが、今まで一緒にやってきて、自分はそのレベルに達していないと感じたので大学進学を選びました。

清水大成 自分も同じで、大学4年間でもう一度鍛え直したいと思いました。

――数ある大学の中で早大を選んだ理由は何ですか

熊田 早慶戦を見た時にすごく魅力を感じて、自分もその伝統のある早稲田のユニフォームを着て試合に出たいなと思いました。

清水大成 東京六大学リーグというレベルの高いリーグで、その中でも伝統のある早稲田大学で頑張りたいと思ったので、選びました。

――いつ頃から早大を意識し始めましたか

熊田 2年の冬ですかね。

清水大成 3年の夏前に、小宮山さん(悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)に声をかけていただいて、意識し始めました。

――熊田選手はどのようなきっかけですか

熊田 東京のほうでやりたいというのは強く思っていて、それで早慶戦とかを見る中で、早稲田でやりたいなと思いましたし、小宮山監督のもとで力をつけたいと思ったからです。

――早大の野球に対するイメージはどのようなものですか

熊田 気合いというかきついというかそのようなイメージがありました(笑)。

清水大成 個々の選手のレベルが高くて、かつ組織力も高くチーム一丸で戦うとイメージです。

――高校野球と大学野球の違いはどのようなところを感じていますか

熊田 まず体つきもそうですし、打撃練習をしている中でのインパクトの強さなどの『力強さ』は高校生と違うなと強く思いました。

清水大成 大学では高校と異なり、一人一人の選手が個々の課題に対して足りないところを強く自分から進んで練習されているところに衝撃を受けました。

――先輩の印象はいかがですか

熊田 自分たちは入って分からないことがたくさんありますが、先輩たちはとても優しく教えてくださいますし、自分たちがやりやすいように優しく接していただいています。

清水大成 自分も同じで、分からないところがあれば一緒になってやってくれて、一から十まで説明していただき、ありがたいです。

――小宮山監督の印象はいかがですか

熊田 プロを経験された方というのもあり、言っていることが心に突き刺さるというか、奥深いなと感じています。

清水大成 野球に対して熱心に取り組まれている方だなと感じています。

――ここから熊田選手への質問に移ります。高校野球と大学野球の大きな違いとしてバットの違いが挙げられると思います。熊田選手は昨年のU18W杯で木製バットへの対応力を見せていましたがそこへの自信はいかがですか

熊田 U18W杯で何とか結果を残すことが出来たので、自分のバットコントロールは持ち味だと思うので、大学野球でも強みにして頑張っていきたいなと思います。

――W杯では各チームで遊撃手を務める選手が多く集まる中、遊撃のレギュラーとして活躍されました。その遊撃というポジションへのこだわりはいかがですか

熊田 ショートというのは華というか内野の要だと思いますし、誰が見てもショートというポジションは注目して貰えると思うので、その点で自分がチームを印象付けられたらなと思います。

――昨年まで絶対的レギュラーだった檜村選手が卒業されて、ショートのレギュラー争いは激しくなることが予想されます

熊田 先輩方と一緒に練習している中で、自分に足りないところが数多くあると思ったので、そこを盗んでレギュラーになれるように頑張りたいなと思います。

――高校時代のチームメイトの石川選手はドラフト1位指名で中日ドラゴンズに入団しましたが、石川選手から刺激は受けましたか

熊田 打撃練習は他の選手に比べて飛ばしますし、ドラフト1位で入って今実戦で結果を残しているので、自分も負けていられないなと思います。

――東邦高時代の3年間で身に付けたことは何ですか

熊田 応援されているというか、多くの方に支えてもらって部が成り立っているということを強く言われたので、感謝しながら野球に取り組むということだと思います。

――3年間で一番記憶に残っている試合は何ですか

熊田 センバツで優勝した試合です。

――続いて清水大成選手への質問に移ります。清水大成選手は制球力が高いと思うのですが、そのような高い制球力はどのように身につけられましたか

清水大成 自分は制球力にそこまで自信があるわけではないのですが、試合ではバッターに気持ちで負けない姿勢で臨むことを意識しています。

――打たせて取るというよりは三振をたくさん奪うという印象があるのですが、意識はしていますか

清水大成 三振というのはチームに流れを持ってくると思っているので、次の回の打線にリズムをつくれるような投球がしたいと思っています。

――昨秋のドラフト会議ではチームメイトの井上広大選手(現阪神タイガース)が指名を受けましたが、刺激は受けましたか

清水大成 投手と打者で(ポジションは)違うのですが、同じチームからプロへ行ったということで、自分も負けないように頑張りたいです。

――同じ投手として飯塚脩人選手(スポーツ科学部入学予定=千葉・習志野)が早大に入学されますが、どのような印象をお持ちですか

清水大成 日本代表も経験していて、レベルの高いピッチャーだと思うので、負けないように頑張りたいです。

――履正社高から早大野球部にスポーツ推薦で入学する選手は初とお聞きしましたが、そこに対する不安などはありませんでしたか

清水大成 先輩は誰もいらっしゃらないので、かなり不安はあったのですが、自分がしっかりと頑張って次の後輩たちへいい影響を与えられるようにしたいです。

――履正社高での3年間で身に付けたことを教えてください

清水大成 履正社高校は野球だけできれば良いということではなくて、人間性もかなり重視しているので、3年間で野球の技術だけでなく、人間性も身に付いたかなと思います。

――高校3年間の中で一番印象に残っている試合を教えてください

清水大成 高校2年生の時の夏の予選(北大阪大会準決勝)の大阪桐蔭戦でラスト1アウトから逆転負けしたことですね。あの試合でより一球に対する思いが強くなりました。

「安心感を持ってもらえる選手に」(清水大成)


質問に答える清水大成

――続いて甲子園のお話に移らせていただきます。3年時のセンバツを振り返っていかがですか。

熊田 あの時は平成最後の甲子園優勝というのがかかっていて、全員が「優勝する」ということを口に出していたので、同じ方向を向いていました。自分としてもチームとしても一番良かった時期かなと思います。

清水大成 自分たちの代は甲子園に出場できずに終わるぞと言われていた世代だった中、何とかつかんだセンバツの切符だったのですが、(星稜高の)奥川投手(恭伸、現東京ヤクルトスワローズ)に3安打17奪三振の完封負けを喫して、やっぱり全国レベルの投手だったりそういうレベルの高さを実感できたので、チームとしてもう一度夏に向けての団結力が高まったかなと思います。

――その次の夏の甲子園ですが、センバツで負けてしまった星稜高校相手に勝利して優勝を果たしました

清水大成 星稜高校を倒して優勝というのを掲げてやってきたので、良かったと思っています。

――一方熊田選手の東邦高校は県大会敗退という結果に終わりました

熊田 やっぱり野球というのは流れや勢いで変わってしまうということを強く感じさせられました。

――お互いの印象を教えてください

熊田 (清水大成は)関西の人なので、言い方悪いですけどオラオラ系みたいな、そういう感じかなと思っていたのですが、結構優しい一面もあります。

清水大成 ありがとうございます(笑)。

熊田 あときれい好きですね。すぐファブリーズかけてます(笑)。

清水大成 熊田はU18も経験していてすごい選手で、どんな感じかなと思っていたのですが、本当に穏やかです。あまり「自分が自分が」というわけでもなくて、周りの意見もちゃんと聞いて、その上で、自分の意見も持っていてしっかりしていると思います。

――先ほど、清水大成選手に飯塚選手の印象を伺いましたが、ほかに同じくスポーツ推薦で入学される選手の印象をそれぞれ教えてください。まず、熊田選手から見た野村健太選手(スポーツ科学部入学予定=山梨学院)と飯塚選手の印象を教えてください。

熊田 野村は意外と抜けているというかマイペースなところがあるかなと思います。飯塚はU18の時も一緒だったのですが、ずっと1人で喋っています(笑) 。

――独り言ですか

熊田 いえ、違います。話しかけてくれます。あとおちゃめなところもあると思います。

――では、清水選手から見た野村選手の印象を教えていただけますか

清水大成 さっきもあったのですが、本当にマイペースで自分のペースでやっているなと思います(笑)

――自分の性格をどのように分析しますか

熊田 自分は周りに流されずに、自分の決めたことをやるという、そういう性格かなと思います。

清水大成 自分も誰かがやっているからやるとかではなくて、自分で決めて自分で動きたいタイプだと思います。

――野球以外に今まで経験したスポーツなどはありますか

熊田 水泳を小1から小4か小5ぐらいまでやっていました。

清水大成 特にないです。

――春からスポーツ科学部に入学されますが、学んでみたい分野などはありますか

熊田 人の体の仕組みとかを学ぶと思うのですが、そういうことは野球にもつながってくると思うので、積極的に(授業を)受けていきたいなと思います。 

清水大成 自分は高校の先輩もいなくて、環境も変わって、何もかもが未知の世界なので、しっかりと授業を聞いて、自分の興味を持ったことなどに取り組んでいきたいなと思います。野球と勉強は全く別ではないと考えていて、高校時代も文武両道をよく言われてきたので、忙しいとは思いますけど、何とかそれをできるようにしたいと思います。

――目標としている選手や、こんな選手になりたいという理想の選手像はありますか

熊田 目標にしている選手というのはあまり考えたことないのですが、人を魅了できるようなプレーをしたいなと思っています。

清水大成 自分は周りに自分が投げていたら勝てるという安心感を持ってもらえる選手になりたいなと思います。

――現時点での部活動においての目標はありますか

熊田 檜村さんが抜けられたので、その穴を埋めて試合にすぐ出たいなと思っています。 

清水大成 目標としている具体的な数字などは特にないのですが、さっきも言った通り周りに安心感を与えられるような投手になりたいなと思っています。

――4年後、早大を卒業した後の目標はありますか

熊田 プロの世界に入って活躍したいなと思っています。

清水大成 自分も上のステージで頑張れるように4年間しっかり頑張りたいと思います。

――最後にルーキーイヤーの抱負を教えてください

熊田 レギュラーをつかみ取って、リーグ優勝ができるように頑張りたいなと思います。

清水大成 リーグ戦(東京六大学リーグ戦)で投げられるように頑張りたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 土生諒子、山崎航平)


高校で日本一を経験した2人が、早大を日本一へと導きます!

◆清水大成(しみず・たいせい)(※写真右)

2001(平13)年6月5日生まれ。176センチ。80キロ。大阪・履正社高出身。スポーツ科学部入学予定。投手。左投左打。主な経歴…選抜高等学校野球大会出場、全国高等学校野球選手権大会優勝

◆熊田任洋(くまだ・とうよう)

2001(平13)年4月15日生まれ。174センチ。76キロ。愛知・東邦高出身。スポーツ科学部入学予定。内野手。右投左打。主な経歴…U18W杯5位、選抜高等学校野球大会優勝

※清水大成選手と清水大翔選手(スポ2=大阪・早稲田摂陵)は名字ならびに名前の1文字目が同じ漢字であるため、弊会の紙面・HPでの表記はそれぞれ『清水大成』、『清水大翔』となります。