第103回日本陸上競技選手権大会男子・女子20km競歩兼東京2020オリンピック男子・女子20km競歩日本代表選手選考競技会第31回U20選抜競歩大会


2月16日(日) 六甲アイランド甲南大学周辺コース


男子20km競歩

2位 池田 1:19'07


女子20km競歩

DNS 竹中




高速レースでも最後まで正しいフォームを貫く



※掲載が遅くなり申し訳ございません


   雨が降る悪天候のもと、第103回日本陸上競技選手権大会男子・女子20km競歩兼東京2020オリンピック男子・女子20km競歩日本代表選手選考競技会が行われた。既に東京五輪日本代表に内定している山西(愛知製鋼)以外の選手にとって、優勝すると代表内定が決定する今大会。代表権獲得を目指し東洋大から池田(済3=浜松日体)が出場。積極的なレースを展開するも、山西の驚異的なスパートに付いていくことができず2位となった。今大会では代表権獲得には届かなかったものの、池田にとって大きな収穫のある試合となった。


   レースは序盤から日本新記録に迫るハイペースで進む。先頭集団は6人から、先頭をかわるがわるして行われる駆け引きにより山西、高橋、池田の3人に絞られた。先頭争いで「一番のスパートだった」と池田が振り返るのは11km地点。山西がさらにペースアップをし、試合を動かす。高橋が続くも、池田は付いていくことができない。その後徐々に前との距離が開き、後続の選手に追い付かれ4位となる。しかしレース終盤、序盤の高速レースが響いたのかペナルティを受ける選手が続出。その中でも池田は順位を上げ3着でフィニッシュした。ゴール後、2着でゴールした野田(自衛隊体育学校)に最終局面のペナルティ2分が加算され、歩型での警告が少なかった池田は繰り上がる形で2位となった。


   池田の正確なフォームは強力な武器である。ハイペースで進められた今大会。最後までフォームを崩すことなく完歩することができた要因は、昨年の世界陸上競技選手権大会以降に強化を行ったスタミナにある。酒井瑞穂コーチは「今回は悔しい部分もあるが、やってきたことは評価できる」と手応えを表した。一方で、優勝した山西の歩きのような思い切ったスピードレースに注目。来月に控える全日本競歩能美大会(以下、能美競歩)に向け、長所を生かしながらも「池田の殻を破れるような練習」を行っていく。


   惜しくも今大会では内定を決めることができなかった池田。同様に東京五輪選考となる能美競歩での優勝そして五輪日本代表内定に向け、新たな一歩を踏み出す。


◼️コメント


・酒井コーチ

(出場意図は)東京五輪の代表権を取るため。(9月の)世界陸上は猛暑の中6位という結果だった。もともとスタミナ練習が苦手なタイプだったので、その自分が苦手とするスタミナを強化した。また消化吸収を高める食品を選び、食事を沢山摂れるようにした。食事を変えることでスタミナもつき、今までにないくらいに健康状態も良くなった。練習も今までの中で一番できた。今日のレースが世界大会レベルで、学生のレベルの試合ではないような展開だったが、本人にとってそこはすごくいい経験になった。池田は、レース中のペース変動に迷ったり戸惑ったりしたと言っていたが、そこも東京五輪に向けていい経験になったと思う。今日のレースは1kmの中でも細かなペースの上げ下げがあり駆け引きがすごかった。途中11km地点で山西くんが前に出たのも今までにないLAPの上げ方だった。いかれたときにびっくりして固まってしまい動きも固くなった、と池田が話していた。上半身が固まると下半身も動かなくなるので、精神的な部分が固いフォームに影響が出たと思う。しかし強化してきたスタミナとフィジカルトレーニングがあったから最後まで正しいホームで歩けた。スタミナがないと最後に足が浮いてしまい失格となってしまう。いいフォームのまましっかり地面を捉えて最後まで歩けたというのが今回の2位という結果だった。今回は悔しい部分もあるが、やってきたことは評価できる部分もすごくある。フォームが上位選手の中で一番注意が少なかったというのも財産。東京五輪と同じ審判で、国際審判もいる厳しいジャッジの中で、上位選手の中では、山西くんと池田の警告が一枚のみで、それ以外は二枚以上出た。フォームは引き続き武器になると思う。ただ山西くんのように途中で思い切ったレースをしたり、常識を覆すようなラップを刻めるような経験値を積むことが今後の池田の課題かなと思う。正しいフォームに加えて、他の選手がついてこられないようなスピードが求められる。(東洋大競歩ブロックとして)同じ練習をして同じ食事をしてる川野が内定を取れたということはすごく励みになったと思う。来月に学生選手権に出る3人の選手も競歩ブロックに誇りを持って練習しているので、ブロックの雰囲気はすごく良い。(能美競歩に向けて)今までの練習を振り返りながら、池田自身が殻を破れるような練習を積み重ねていきたいと思う。



・池田(済3=浜松日体)


(レースプランは)前半から積極的なレースをして、自分で決めていたところでスパートをかけるというプランだった。(東京五輪の選考である今レースに向けて)内定を掴むという思いで、優勝することを考えて練習をやってきた。世界選手権後はしっかり距離を踏んでスタミナ強化を図ったり、実践的な練習にも引き続き取り組んで、順調に仕上げられたかなと思う。(本日のレース展開は)山西さんが途中11kmでスパートをかけたときに対応できなかった。それ以降離れたということで、ずるずるとその焦りから気持ちの面で余裕を持つことができなかった。前半は思った以上にハイペースだったが、まだ耐えきれるなという感覚があった。だがどこかで固くなってしまったというか、焦りが出てしまっていたのかなと思う。11kmの地点を我慢できていれば、もしかしたらまだ勝負ができていたのかなというのがある。その後の山西さんや英輝さんのレース展開を見てもあそこが一番のスパートだったのかなというのがわかったので、もっと落ち着いて対応できていればと悔やまれる。(雨の中のレースだったが)雨は降っていたが気温はそこまで低くなかったので、スタートしてからの寒さは感じなかった。風がスタートと反対側に吹いていたが、風に関してもそこまでマイナスにはならなかった。(収穫は)国際大会と同様に、1kmコースになったり国際審判がいるというルールの中で、歩型の面でいい評価をいただいたこと。国際大会の世界選手権と今回の日本選手権でいい評価をいただいたことは、次の大会でその長所を生かさないといけないなという次の課題の1つに挙げられると思う。(課題は)後半一気にペースが落ちてしまったので、どんなレースになっても落ち着いて自分のやりたいことをやれるというメンタルを作らなければいけない。1ヵ月後の能美に向けてもう一度やっていきたい。(能美競歩の目標は)優勝して東京五輪の内定を掴むこと。今回2位とはなったが、しっかり自分の優勝という形で内定を掴みたいと思う。


TEXT/PHOTO=水越里奈