ことし初の大舞台となる第20回全日本室内学生個人選手権(インカレインドア)が大阪・岸和田市総合体育館で行われた。室内で行われるため、射距離が18メートルと普段より短いのが特徴の今大会。早大からは男子5選手、女子2選手が出場し、棚田歩(スポ3=北海道・帯広三条)と市川遼治主将(スポ3=群馬・高崎商大付)が予選を突破し決勝トーナメントに進出する。棚田が激戦を戦い抜き堂々の準優勝、市川もベスト8の好成績を収めるなど、それぞれが課題とともに収穫を得た実りある大会となった。

 予選ラウンドは全60射の総得点で競われ、男子は上位32名、女子は上位16名が予選を通過できる。全員での勝ち残りを目指したが、決勝への切符を獲得したのは棚田と市川のみ。2人同様、先日の全日本室内選手権に出場した中村美優(スポ2=北海道・旭川北)も予選突破を目指し、前半は予選通過が見える位置で折り返したが、後半の1本目に0点となる痛恨のミス。その後も「精神面で立て直すことができなくて、ミスを連発してしまった」と大きく点数を落としてしまい、決勝進出はならず。また、昨年もインカレインドアに出場した北遼祐(スポ2=埼玉・大宮開成)、全日本学生王座決定戦(王座)に出場した矢原七海(スポ1=福岡・柏陵)らも奮闘したが、決勝ラウンドに駒を進めることはできなかった。


準々決勝で行射する市川主将

 決勝ラウンドは1対1で得点を競い合うトーナメント方式で行われる。1セット3射を放ち、得点が多い方に2ポイント、同点の場合は1ポイントが加算され、6ポイント先取で勝利となる。市川と棚田は1・2回戦を順当に勝ち進む。しかし準々決勝で、市川は今大会の優勝者である吉田侑雅(近畿大)と対戦。0-6で敗北を喫し、ここで姿を消した。棚田は準決勝で接戦となるも「運も味方してくれた」と6-4で制し、自身初となる全国大会決勝の舞台へ。決勝では一人ずつ交互に行射するため、射つ瞬間は会場が静まりかえり、射った直後にはチームの声援が響く独特の雰囲気が漂う。棚田は先に相手に2点を取られるも、その後はお互いに譲らず1点を重ね合う戦いになる。張りつめた緊張感の中、5セット目で同点となるかと思われたが、わずかに相手が上回り4-6で敗北。惜しくも優勝は逃し、準優勝となった。


決勝で惜敗し、悔しげな表情を見せる棚田

 棚田は今試合を振り返り、「優勝を目指していたので、素直に悔しい」と苦笑いを浮かべる。しかし、昨年から大きく成績を上げた準優勝という成長した姿を見せてくれた。他の選手たちも、悔しさや課題は口にしたものの、表情はさほど暗くない様子だ。春から始まる関東学生リーグ戦(リーグ戦)や王座と、選手たちはしっかりと先を見据えている。

(記事 朝岡里奈、写真 橋口遼太郎、朝岡里奈)

結果

予選ラウンド

▽RC男子

棚田 584点 【3位】

市川 570点 【17位】

※上位32名が決勝ラウンド進出

田邊 554点 【50位】

中野 546点 【63位】

北  507点 【68位】

▽RC女子

矢原 551点 【28位】

中村 535点 【36位】

決勝ラウンド

棚田 準優勝

市川 ベスト8

コメント

◇予選ラウンド終了後

棚田歩(スポ3=北海道・帯広三条)

――きょうの予選を振り返っていかがでしたか

結果的に見ると3位通過ということで、自分の中では今までで一番いいくらいの予選の通過ができたので、素直にうれしく思いますし、後半もいつもよりも点数がよくて良かったです。でも、前半の1ラウンド目が本当に自分の中ではあまりうまく当てきることができずにきたので、そこが反省点と、結果的にその前半の失敗で585点以上、ホワイトバッチというアーチェリーの中での点数で区分けされた位に1点届かなかったのが悔しかったです。

――予選と決勝ラウンドではやはり気持ちが違うものですか

基本点数は予選が当たっていても決勝トーナメントでは当たらなくなったり、逆に予選で当たらなくても決勝トーナメントで当てられるということがあるので、そこの気持ちは違ったりします。

――先週の全日本室内選手権でかなり高成績を収められました。今週はいい気持ちで臨めましたか

はい。初めて全日本の室内で8位入賞ができて、自分の中ではとても自信になっていました。その気持ちできょうもとにかく自分のいつものプレーをすれば絶対に大丈夫だと思っていたので、結果が出てよかったと思います。

――室内では屋外と感覚が違うものですか

本当は同じように射たなければいけないんですけど、室内独特の緊張感もあったり距離の近さによって感覚とかが変わったりするので、そのあたりは結構違いますね。

――選手の間が近いのはやはり違いますか

そうですね、人との間隔は狭いのでそのあたりも意識して、意識しながらも自分の射ができるようにというのは心がけていました。

――あしたに向けての意気込みを聞かせてください

全日本の室内では8位で入賞ということで、初めて賞状を取れたんですけど、やっぱり目指すのは優勝なので、あしたしっかり優勝目指して頑張りたいと思います。

中村美優(スポ2=北海道・旭川北)

――今大会の目標は

昨年インカレ(インドア、全日本学生室内個人選手権)に出られなかったので、まずは予選を通過しようと思ったんですが、今回は自分のミスが抑えきれなくて、それが達成できなかったことはすごく残念だなと思います。

――この試合を振り返っていかがですか

前半は、個人的にはそんなに悪くなかったかなと思っていて、自分の中でいくつかの決めていたポイントがあったんですが、それを最大限工夫してできていました。でも後半の1本目にエムって(0点になって)しまって、そこで自分の中で精神面というか、立て直すことができなくて、ミスを連発してしまったので、まだ課題は多いかなと思っています。

――関東学生リーグ戦に向けての意気込みをお願いします

リーグ戦は、今回のような個人戦と違って8人で戦っていくので、おそらくレベル的にはそんなに苦しい試合になることはないかなと思っているんですが、その中でもしっかりと調整をして、次の東日本(全日本学生東日本大会)だったり、王座(全日本学生王座決定戦)につなげられるような試合にしたいと思っています。

矢原七海(スポ1=福岡・柏陵)

――今大会の目標は

8点以内をずっと射つ、黄色の中しか射たないというのを目標にしていました。

――試合内容を振り返っていかがですか

前半は結構うまくいって1本しか外さなかったんですが、後半になるにつれて集中力が切れたりとか、疲れとかでどんどんミスが多くなってきてしまったので、そこはもっと練習量が必要だなと思いました。

――関東学生リーグ戦に向けての意気込みをお願いします

1年生の頃もリーグ戦に出させてもらっていて、初めてだから、それなりに引っ張っていってもらおうというところがあったんですが、2年生になるので、後輩をしっかり引っ張れるような点数を射つことと、やっぱり点数でしっかり存在感を出していけるように頑張りたいと思います。


◇決勝ラウンド終了後

市川遼治主将(スポ3=群馬・高崎商大付)

――先週の全日本室内選手権もありましたが、調子はいかがでしたか

自分の中での調子は先週の方が割といい方で、試合の中でも少し大きな外しがあったなくらいで、感覚的には先週の試合の方が良かったかなという感じではありました。

――今回の大会で良かった点は何でしたか

前回の試合の方が規模が大きいもので、今回の大会は学生の日本一を決める大会ということで、割と知り合いも多くて、前回と違う点は自分のコンディションというよりかは、話す友人が増えてリラックスして試合に臨めたことが一番良かった点だと思います。

――今回の結果はご自身の中で満足いくものでしたか

満足のいくものではなかったのですが、今までトーナメントでなかなか勝ち進むことができていなかったので、今回2勝したということは悔しい反面、自分の中では成長できているのかなという実感にもなりました。今後4年生として試合があるので、それに向けてもっといい成績がとれるように頑張っていきたいと思います。

――予選の感覚はいかがでしたか

移動や試合続きで少し体の疲れも感じていた中で、最後まで集中して射てたので、ぎりぎり何とか粘れたかなという感じではありますね。

――決勝ラウンドで一対一になって心境の変化はありましたか

一対一になって周りも声を出すようになると、予選とは雰囲気が違うので多少緊張度は増しましたね。ただ、経験を積んできたので今までよりはリラックスして試合に臨めました。

――次戦への意気込みを教えてください

3年生最後の全国大会がこれで終わったということで、リーグ戦、東日本、王座と続いていきます。目標でもある王座制覇というのを達成するためにも、明後日から春合宿が始まりますし、予定も沢山あるので、チーム一丸となって頑張っていきたいと思いますし、主将としても頑張っていきたいと思います。

棚田歩(スポ3=北海道・帯広三条)

――お疲れさまでした。きょうの試合を振り返っていかがでしたか

結果的に準優勝ということで、あそこまでいったらやっぱり優勝したかったので、素直な感想を言うと悔しいという気持ちが一番です。

――1回戦目は6-4で勝利しました

1回戦目はけっこう自分の中ではあまり射てていなくて。この調子だとやばいなと思いながら射っていたんですが、まあ運良く勝てたかなという感じです。

――2回戦目と準々決勝ではストレートで勝利しました

そうですね、結構点数的にも自分の射ち方ができていて、しっかり点数も決められたので楽に試合が進められたかなと思います。

――そこから準決勝、決勝へと進んでいきましたが

自分のアーチェリー人生の中で、全国大会で準決勝や決勝に進むこと自体がなくて、初めてだったので、結構自分の中で新しい感覚というか、緊張したりとかいろいろあったんですが、その中でいつもよりは自分の練習通りに射ててはいなかったなというのが正直な感想です。

――やはり緊張感などは違いますか

そうですね、あそこまでいくとやっぱりうまい人しかいないので、かなり緊張しました。

――その中でも準決勝では激戦を制して勝利しましたね

結構ほんとに、運も味方してくれたかなという感じで決勝まで行きましたね。

――決勝では交互に射つ方式でしたが

それこそ交互射ちは今まで経験してこなかったので、ちゃんと20秒以内に射たなきゃという気持ちで頑張っていましたね。

――最後、順位が決まった時の心境は

最後の1射がぎりぎり9点で、シュートオフに持ち込めなかったので、結構、あー悔しいな、やっちゃったな、という感じはあります。

――今は悔しさの方が大きいですか

そうですね、やっぱり優勝を目指していたので、悔しいなという部分が一番大きいです。でも、あらためてインカレで2位ということで、自分の中で、個人的な結果としてはいい順位を取れたので、 そこは自信につなげていきたいなと思います。

――最後に、関東学生リーグ戦に向けての意気込みをお願いします

今回しっかりいい結果が出せたので、この自信をリーグ戦にぶつけて、リーグ戦ではしっかり自分が点数や雰囲気、両方でチームを引っ張っていけるよう頑張りたいと思います。