「東レ パン・パシフィック・オープン」(WTAプレミア/本戦9月19~25日/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/ハードコート)のシングルス2回戦で、アリャクサンドラ・サスノビッチ(ベラルーシ)が第3シードのカロリナ・プリ…
「東レ パン・パシフィック・オープン」(WTAプレミア/本戦9月19~25日/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/ハードコート)のシングルス2回戦で、アリャクサンドラ・サスノビッチ(ベラルーシ)が第3シードのカロリナ・プリスコバ(チェコ)に6-4 6-2のストレート勝ち。明日の準々決勝で大坂なおみ(日本)と対戦する。
サスノビッチは自身の勝利に驚きを隠せなかった。「勝てると思ってなかったから、次の大会が行われる武漢(中国)への今日のフライトをキャンセルしなきゃいけない。ホテルもチェックアウトしちゃった」と舞台裏のうれしい誤算を明かした。
プリスコバは敗戦にも淡々としていた。「USオープンが終わってから今日の試合まで1回しか練習できなかった。完全な準備不足」とUSオープンのファイナリストは敗因を挙げた。
調子の上がらないプリスコバに対し、サスノビッチが第1セットから先手を取る。2-2から2ゲームを連取するが、すぐに追いつかれて4-4。ここでプリスコバは2度キープするチャンスがあったが生かせず、サスノビッチが最初のチャンスでブレークした。イライラを募らせたプリスコバは、思わずラケットをたたきつけ、次のゲームでもミスを繰り返し、第1セットはサスノビッチが制した。
第2セットは勢いに乗るサスノビッチが2-2から4ゲーム連取で一気に勝負を決めた。相手の準備不足があったとはいえ、終始アグレッシブに戦い、自身も認めるように「勝利に値するプレーをした」のは確かだ。
「初めてトップ10の選手に勝てたので、とても重要な勝利。一球、一球に集中して、テニスを心から楽しむことを心掛けた」と勝利の喜びを語った。
明日、対戦する大坂については「彼女の試合は何度か見たことがある。若いけど素晴らしい選手。でも、私は自分のプレーに集中するだけ。大坂対策はこれからコーチと考えるわ。(大坂が地元の期待を一身に背負うのに対し)自分には重圧も、失うものも何もない。とてもいい試合になると思う」と語った。
サスノビッチはジャパンウィメンズオープン1回戦で土居美咲(ミキハウス)を倒した試合を「コーチと考えた作戦で美咲はかなりやりづらそうだった」と振り返る。多彩なショットを操り、アグレッシブでプレーに偏りのないオールラウンダーで、作戦を着実に実行する力もある。明日のゲームでは、どのような“大坂対策”を見せるのか、注目される。
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サスノビッチの勝利の余韻が冷めやらぬセンターコートに、次に登場したのは、今大会第1シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)とアナスタシア・セバストワ(ラトビア)。2人は、わずか2週間前のUSオープン2回戦で顔を合わせており、そのときはセバストワが7-5 6-4のストレート勝ちを収めている。
日本のファンの間でも大人気のムグルッサ
「あのときはグランドスラムで緊張した。USオープンのセンターコートは巨大でとてもうるさいの。でも、ここは静かで観客はテニスへのリスペクトを持っており、プレーしやすい」とムグルッサは語り、有明では伸び伸びと持てる力を発揮した。6-3 6-3のストレート勝ちでリベンジに成功し、愛嬌のある笑顔で観衆に手を振った。
(テニスマガジン/編集部◎池田晋)