「東レ パン・パシフィック・オープン」(WTAプレミア/本戦9月19~25日/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/ハードコート)の本戦4日目は、シングルス2回戦4試合とダブルス準々決勝1試合が行われた。 ダブル…

 「東レ パン・パシフィック・オープン」(WTAプレミア/本戦9月19~25日/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/ハードコート)の本戦4日目は、シングルス2回戦4試合とダブルス準々決勝1試合が行われた。

 ダブルス準々決勝に進んだ青山修子(近藤乳業)/二宮真琴(橋本総業ホールディングス)はガブリエラ・ダブロウスキー(カナダ)/マリア ホセ・マルチネス サンチェス(スペイン)に6-7(5) 6-7(6)で敗れ、準決勝進出はならなかった。

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 前週のジャパンウイメンズオープン(WTAインターナショナル/ハードコート)でペアとしてツアー初優勝を果たした青山/二宮は、さらに出場選手のレベルが上がったプレミア格でもペアとしての力を発揮し、多くのファンに2人のダブルスの魅力をアピールした。

「優勝の翌週というのは気持ち的にも満足感が出て、そこをどう切り替えていくかが今大会で難しかったところ」と青山は振り返ったが、1回戦でファイナルセットのスーパータイブレークの末に辛くも勝利すると、この日はたくさんのテニスファンの声援に後押しされ、スリリングな接戦を演じてダブルスの面白さを存分に見せてくれた。

 有明コロシアムの第1試合に組まれた準々決勝。祝日の秋分の日ということもあり、あいにくの雨にも多くのファンが有明に足を運んだ。

 試合は「私たちのリターン力が上がっていて、しっかり戦えた手応えがあった。次の課題はサービスゲームでどうプレーしていくか」と青山が振り返ったように、ブレーク合戦に。第1セットをタイブレークで失った青山/二宮は、第2セットも1-5と敗色濃厚となった展開から5ゲーム連取で6-5と逆転に成功した。

「自分たちのリズムを作って積極的にプレーしていこう」と話し合ったというふたりは積極的にポーチに出ると、平行陣を敷く相手ペアに対して後方から針の穴を通すようなトップスピンロブで魅せるなど、コロシアムのファンを盛り上げた。

「観客が多ければ多いほどいいプレーを見せるぞ、という気持ちになる。お客さんの声が力になった。セカンドセットのプレーは、そういう部分も大きかった」と青山。

「普段は試合で楽しいと思うことはないタイプ」と言う二宮も、「今回初めて試合ですごく楽しいと感じられた。本当に楽しくて、たくさんのお客さんの声というのがすごく力になるということが実感できた」と初々しく、この試合の雰囲気を振り返った。

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 ペアを結成して1年。ツアー初優勝に、プレミア大会でのベスト8。この秋、確かな手応えを得たふたりが目指すのは、さらなる上の舞台であるグランドスラムで勝ち進むことだ。

「今後はふたりで、グランドスラムで勝てるように成長していきたい」

 たくさんのテニスファンをふたりのプレーで魅了するという喜びを知った二宮は、目標についてきっぱりと語った。

 ペアとしてはまだ成長過程で、「サービスゲームでどういったパターンをチョイスしていくのか。今回はそれがうまく選択できなかった」(青山)というように課題もまだ多い。それでも、青山がつくっていくプレーのバリエーション、二宮の爆発力、そして何よりふたりのプレーがうまくかみ合ったときのコンビネーションは今後の大きな可能性を示した。

 伸びしろは、まだまだある。

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 終日続いた雨のため、そのほかのダブルス準々決勝は翌日に順延。加藤未唯(佐川印刷)とシュー・イーファン(中国)のペアと第2シードのサーニャ・ミルザ(インド)/バーボラ・ストリコバ(チェコ)の試合は、23日のセンターコート第1試合(10時00分試合開始※ただし開場は11時00分)に行われる予定だ。

(テニスマガジン/ライター◎田辺由紀子)