「ATP500 リオデジャネイロ」(ブラジル・リオデジャネイロ/2月17日~23日/クレーコート)の初日夜の部。この日の観客は、十分にチケット代の元を取った上、さらに楽しめる夜になったと言える…

「ATP500 リオデジャネイロ」(ブラジル・リオデジャネイロ/2月17日~23日/クレーコート)の初日夜の部。この日の観客は、十分にチケット代の元を取った上、さらに楽しめる夜になったと言えるだろう。米テニスメディアBaselineが伝えている。

ワイルドカードで出場したチアゴ・ザイブチ ビルチ(ブラジル)が3時間50分の試合の末に、アレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)を5-7、7-6(3)、7-5で破った。試合はザイブチ ビルチが第1・第2セットを5-3で、第3セットも3-0でリードしていたが、いずれも途中で追いつかれるという激しい展開となった。

ダビドビッチ フォキナは第2セット、ザイブチ ビルチのサービスゲームで5-6、0-40とし、3回のマッチポイントを掴んだ。1回目は、ザイブチ ビルチのフォアハンド・ショットがネットを弾いてコートに落下。2回目は、ザイブチ ビルチがフォアのダウンザラインを決めた。そして訪れた3回目のチャンス。ダビドビッチ フォキナは、ドロップボレーを拾おうと猛ダッシュし、勢い余ってネットに大激突してしまった。

観客も幾分殺気立っていた。ダビドビッチ フォキナは、一度は相手にブレークポイントを握られた時に、後には相手がまだ構えていないうちにアンダーサーブを打って、地元のザイブチ ビルチを応援する興奮したファンからブーイングを受けた。

だが試合が終われば、2人は抱き合って健闘を称え合った。ザイブチ ビルチは勝利の喜びに浸り、さっとサインをした後、チームの仲間と抱き合って喜ぶために選手席をよじ登った。

もう一人のワイルドカード、カルロス・アルカラス(スペイン)も同様に、ドラマチックな試合を闘い抜き、第7シードのアルベルト・ラモス ビノラスに7-6(2)、4-6、7-6(2)でツアーレベルのデビュー戦を勝利で飾った。

アルカラスはまだ16歳で、ATPのトップ500の中では最年少の選手だ。第3セット、5-4で迎えた自分のサービスゲームをラブゲームでブレークされ落とした時は、落胆で崩れ落ちそうになった。次のゲームでは3回のブレークポイントを握ったものの、全て落としてしまった。

世界ランキング41位のラモス ビノラスは第3セット、ゲームカウント6-5でリード、カウントをデュースとし勝利まであと2ポイントと迫ったが、それが最後のチャンスとなってしまった。6-6となりタイブレークに入ると、アルカラスが6-1とリードし、まもなく、3時間37分にわたった記憶に残るデビュー戦を手中に収めた。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019ジュニアでのザイブチ ビルチ

((Photo by Quality Sport Images/Getty Images)