今季限りでの引退を表明したDeNA三浦大輔投手はどんな時もファンを気遣う気持ちを忘れない男だ。22日も咄嗟の対応でファンの胸を打った。■「多大なご迷惑をお掛けして申し訳ございません」 今季限りでの引退を表明したDeNA三浦大輔投手はどんな時…

今季限りでの引退を表明したDeNA三浦大輔投手はどんな時もファンを気遣う気持ちを忘れない男だ。22日も咄嗟の対応でファンの胸を打った。

■「多大なご迷惑をお掛けして申し訳ございません」

 今季限りでの引退を表明したDeNA三浦大輔投手はどんな時もファンを気遣う気持ちを忘れない男だ。22日も咄嗟の対応でファンの胸を打った。

 同日は本拠地・横浜スタジアムでのヤクルト戦が降雨のため中止となり、29日に延期となることが発表された。本拠地最終戦も当初の24日から29日に変更となり、このため24日に予定していた三浦のラスト登板と引退セレモニーも29日に延期となった。これを受け、雨天中止が決まった12時15分から、横浜スタジアムの周辺にはチケットの払い戻しと29日のチケットを求めるファンが長蛇の列を作った。

 その列はスタジアムを一周してしまうほどの長さとなったが、4時間を超える待ち時間にも、ファンは三浦の最後の雄姿を目に焼き付けるべく雨の中で辛抱強く並んでいた。

 それを知った三浦はすかさず行動に出た。

「この度、雨男・三浦大輔のせいで、本拠地最終戦が29日に順延になってしまい、皆様に多大なご迷惑をお掛けして申し訳ございません。29日のラスト登板、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。雨の中大変だと思いますが、風邪などひかぬよう、お気をつけください。以上、三浦大輔でした。ヨロシク」

 会場周辺に番長のアナウンスが響き渡ると、ファンから拍手も沸き起こった。

 25年間のプロ野球人生で「苦しい時、(ファンに)本当に助けられた」と振り返る三浦。この日のアナウンスにも感謝の気持ちがにじみ出ていた。

白井京子●文 text by Kyoko Shirai