競泳女子の池江璃花子(19)が19日、テレビ朝日系「報道ステーション」に録画で出演した。昨年2月に白血病を公表してから、公の場で語るのは初めて。元テニスプレーヤー・松岡修造キャスターのインタビューに答える形で、「死にたいと思った」闘病中の…
競泳女子の池江璃花子(19)が19日、テレビ朝日系「報道ステーション」に録画で出演した。昨年2月に白血病を公表してから、公の場で語るのは初めて。元テニスプレーヤー・松岡修造キャスターのインタビューに答える形で、「死にたいと思った」闘病中のこと、五輪のプレッシャー、目標を持つ大切さ、病気の人へのメッセージなどを語った。
「一番しんどい時は、死にたいって思いました。」
白血病発覚から1年。抗がん剤治療を始め、昨年9月に造血幹細胞移植を受けた。現在は退院し、日常生活が送れるまでに回復している。テレビ画面に登場した池江は、以前よりほっそりとした姿で、時折涙を流しながら赤裸々な思いを明かした。
「本当に一番しんどい時は、死にたいって思いました。こんなに苦しい思いをするんだったら死んだ方がマシって」。
闘病中の心境を「思ってたより、数十倍、数百倍、数千倍しんどい」とツイッターでつづったことがあったが、「携帯なんて絶対触れない、もうテレビも見られない、音も聞きたくない、ご飯も食べないという状況が2週間続いて。寝返り打つのもしんどい状況だったので、もう数千倍どころじゃない。すごい吐き気がひどい時に、ずっとトイレに閉じこもってて、すごいしんどくて。人が感じる苦しいとはレベルが違う苦しさなんだろうなっていうのは思いました。人によって苦しさの度合いって違うと思うんですけど、こんな経験、二度としないだろうっていう経験はしたと思います」と副作用の苦しみを包み隠さず話した。
「死にたい」と絶望した後について、「でも、その言葉を、今だったり、後々考えた時にすごく反省しました。1回目の一時退院の時、すっごい幸せだったんですよ。車に乗ったり、外食したり、すべてが幸せ。こんなに楽しいことが待ってたのにっていう気持ちになって。絶対こんなこと思っちゃダメなんだなって思いました」。
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ガンバレ、池江!白血病と闘って来た当事者たちの言葉…(https://cocokara-next.com/athlete_celeb/yell-for-rikakoikee/)
『あなたも元気になれるよ』ということを伝えたい
昨年2月、病気の告知を受けた。「病院で先生に『白血病です』って言われました。名前は聞いたことあったけど、どういう病気か知らなくて『抗がん剤治療をやります』『髪の毛がすべて抜けます』って言われて、そこで大泣きして。でも部屋に戻ったら、意外と元気になってたというか、病気になったらなったで頑張るしかないなってすぐ切り替えました」。
東京五輪には競泳女子エースとしてメダル確実と言われていたことにも触れ「自分ではわからなかったけど、どこかにプレッシャーがあって、もうオリンピックについて考えなくてもいいんだって気持ちになった。その時に初めて『意外とプレッシャーを感じてたんだな』ってわかりました。『五輪』『金メダル』っていう言葉から解放されて、ホッとして、ポジティブに切り替わったのかもしれないです」。
24年パリ五輪に向け、トレーニングを再開した。「やっぱり筋肉は落ちていて、できない自分がある意味、面白い。ここからどれくらいのスピードで自分が成長していくのか楽しみ。筋肉もりもりだったので、入院して体が細くなって、入る服がたくさん増えてうれしいっていう気持ちが勝っちゃいました」と10代の女の子らしい一面も。続けて「パリ五輪に出られなかったとしても次があると思っています。次は28歳なので、パリが24歳。自信があるわけじゃないけど、目標って絶対に必要だし、水泳だけじゃなくて人生においても。いつか試合に出たら、何秒ぐらいで泳ぎたいとか考えるんです。泳ぐ姿も夢に見ます。タイムも聞こえるんです。毎回、意外と(タイムが)速くてびっくりしました。夢ですけどね」と笑った。
白血病と向き合い、約10カ月の入院、闘病生活を経て退院した。「ここにいることが奇跡だし、生きていることが奇跡。気持ちがそういう風に変わりました。水泳をすることが当たり前になってたけど、まったく違って。病気になってよかったとは1ミリも思わないんですけど、病気になって学んだことが多いから、自分が今どういう立場でどういう気持ちで生きていくべきなのかを考えさせられたので、自分の人生にとっては大きなターニングポイント。そういう病気の方たちにとっても、絶対希望を持って治療に励んでほしいし、ここまで元気になれた人間がいるんだから、『あなたも元気になれるよ』ということを伝えたいなって思っています」。
同じ病気に苦しむ人だけでなく、多くの人々に「自分も頑張ろう」と思わせる、池江からのメッセージだった。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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