今春、ロジャー・フェデラー(スイス)が「ATP1000 ローマ」での初めてのタイトルや、「ATP1000 マドリード」で3つ目のクレーマスターズタイトルを獲得することはないようだ。スイスの事情…

今春、ロジャー・フェデラー(スイス)が「ATP1000 ローマ」での初めてのタイトルや、「ATP1000 マドリード」で3つ目のクレーマスターズタイトルを獲得することはないようだ。スイスの事情に通じたテニス記者Rene Staufferによると、現在38歳で世界ランキング3位のフェデラーが、2020年に参加するクレーコートの大会は「全仏オープン」(フランス・パリ/5月24日~6月7日/クレーコート)のみとなるようだ。米テニスメディアTennis.comが報じている。

フェデラーは、「全仏オープン」を含む全てのクレーコートの大会に不参加であった2017年以来、クレーコートの大会への参加を減らしている。2018年も同様にしてから、昨年はマドリード、ローマ、そして「全仏オープン」で戦った。フェデラーはマドリードとローマでは準々決勝に進出し、「全仏オープン」では2015年以来の準決勝進出を果たした(2016年は怪我のため不参加)。その準決勝ではラファエル・ナダル(スペイン)と対戦。「全仏オープン」で12回優勝しているナダルは、フェデラーを6-3、6-4、6-2のスコアで下し、「全仏オープン」での対フェデラー戦績を6勝0敗とした。

クレーコートでの成功という点では、フェデラーにとって「ATP1000 マドリード」だけが特別な大会のようだ。大会の分類の仕方にもよるが、彼がクレーコートで獲得した唯一のマスターズタイトルと言うことができ、フェデラーは同大会を6度制している。2002年から2007年の間にハンブルクで4度優勝した後、大会はマドリードに移動。2002年の優勝は彼にとって初のマスターズタイトルであり、2007年には当時クレーコートで81試合連勝中だったナダルに2-6、6-2、6-0で勝利して記録をストップし、優勝で締めくくった。

2009年にハンブルク・マスターズが「ATP1000 マドリード」に移ってからは、フェデラーは2度優勝している。ナダルを破り優勝した初開催の2009年と、ブルークレーのコートで開催された2012年だ。

フェデラーの「ATP1000 ローマ」での優勝はこれまで達成されていない。決勝に4回進出しているが、2003年にはフェリックス・マンティーヤ(スペイン)に、2006年と2013年はナダルに、2015年にはノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れている。

ジョコビッチに準決勝でストレート負けした「全豪オープン」で、メジャータイトルをまだ増やしていけると思うか質問されたフェデラーは、「ああ、できると信じてる。昨年の成績を見ても、僕が今も持っているもの、今どんなプレーができているかを見ても、できると思ってる」と答えている。

そして、フェデラーは自身が8度優勝している「ウィンブルドン」が最もメジャータイトル獲得の可能性が高いのではと聞かれると、「たぶんバーゼルかハレでの大会かな。試合数が少ないからね」と笑顔で答えた。

フェデラーは「ATP1000 マイアミ」と「全仏オープン」の間、およそ7週間たっぷり休養を取り、グラスコートのシーズンに入ることになる。もちろん、タイトル獲得の機会は2回減ってしまうことにはなるが。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「全仏オープン」でのフェデラー

(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)