最終セット2-2から始まったブレイク合戦に終止符を打ったのは、前回王者で第1シードのアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)だった。6連続ブレイクで5-5となったところで、それまで不安定だったサービスが見違えるように決まり、6-5とリード…

 最終セット2-2から始まったブレイク合戦に終止符を打ったのは、前回王者で第1シードのアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)だった。6連続ブレイクで5-5となったところで、それまで不安定だったサービスが見違えるように決まり、6-5とリード。最後はバーボラ・ストリコバ(チェコ)のミスにも助けられて7-5とし、2時間を超える死闘を制した。

「バーボラは何でもできる器用な選手。とてもタフな試合だったけど、何とか乗り切れてうれしい」とラドバンスカは安堵の表情を浮かべた。

 時差ボケを解消できず、コンディション調整に苦しんだ。「時差ボケはむしろひどくなっていた。でも試合が夜(9時前に開始)で日中に寝られたのはラッキーだった」と、この日の第6試合に組み込まれた幸運に感謝した。

強打と絶妙なドロップショットで相手を苦しめたストリコバ

 一方、ストリコバは自慢の強打に、相手のお株を奪う絶妙なドロップショットを織り交ぜながら、緩急をつけたテニスを展開。第1セットを3-6で失うが、ミスを恐れずに攻め続けて第2セットを6-3で奪い返す。だが、最終セットは最後の最後でミスへの恐怖心が芽生えた。

 5-6で迎えた自身のサービスゲーム。最初のポイントこそ強烈なサービスからのハーフボレーで奪うが、2連続ダブルフォールトで15-30。弱気になって“入れにいった”ファーストサービスをたたかれてマッチポイントを握られる。最後はよいサービスからネットに出るが、簡単なボレーをミス。何度ミスを繰り返しても崩さなかった強気の姿勢を、最後の大事な場面で崩したことが命取りになった。

(テニスマガジン/編集部◎池田晋)