21日、首位攻防の第1ラウンドはソフトバンクが1-2で日本ハムに競り負け、首位の座を明け渡した。工藤公康監督は「緊迫したいいゲームだった」と淡々と振り返った。■粘りの投球見せた千賀に「出せるものは出してくれた」 21日、首位攻防の第1ラウン…

21日、首位攻防の第1ラウンドはソフトバンクが1-2で日本ハムに競り負け、首位の座を明け渡した。工藤公康監督は「緊迫したいいゲームだった」と淡々と振り返った。

■粘りの投球見せた千賀に「出せるものは出してくれた」

 21日、首位攻防の第1ラウンドはソフトバンクが1-2で日本ハムに競り負け、首位の座を明け渡した。先発の千賀滉大が2回にレアードに2ランを被弾。打線は5回に本多雄一の適時打で1点を返し、9回にも一打サヨナラの場面を作ったが、江川智晃が中飛に倒れて試合終了。工藤公康監督は「緊迫したいいゲームだった」と淡々と振り返った。

「もう1本(出れば)なんだけど、それが出たら苦労はしないからね。確かに負けはしたけど1点は取ったし、チャンスもいくつか作って、みんなで何とかしようというのがベンチに満ちていた。一丸となったことを明日につなげたい」

 1点を追う9回、1死二、三塁で打席には高谷裕亮。まずはスクイズで同点という選択肢も考えられる場面だったが、フルカウントからボール球に手を出して2死となった。工藤監督は、その場面の指示について次のように語った。

「(バットに)当ててくれたら『ゴロGO』で。相手の守備も特別前ということもなかったし、バウンドが上がれば(三塁走者)城所くんの足なら(大丈夫)と思っていた。ギャンブル的なスクイズよりも、そっちの方がいいだろうと」

■千賀については「彼なりに良い調整をしてくれた」

 また、2ランこそ浴びたものの、6回まで粘り強く投げて試合を作った先発の千賀について、指揮官は及第点を与えた。

「ホームランは打たれたが、ピンチがある中で6回まで抑えて、自分が出せるものは出してくれたと思う。このくらい大きなゲームになると緊張感もあっただろうが、彼なりに良い調整をしてくれた」

 そして最後にもう一度、選手たちが作り出した雰囲気について強調するように繰り返し語った。

「チーム一丸となって、という雰囲気は出ている。それは相手もそうかもしれないが、一致団結して崩していくんだというものを出して、明日につながる攻撃はできた。みんな声を絶やさず元気に守備につき、ベンチに帰ってきたら『さあ、いくぞ』とまた声を出していた。泣いても笑っても10試合しかない中、選手はこの2試合の重要性をわかってくれている。この雰囲気を絶やさないようにしたい」

 明日、ソフトバンクが負ければ日本ハムに優勝マジック「6」が、引き分けても同「7」が点灯する。指揮官が語る「いい雰囲気」が、マジック点灯阻止につながることだけを願いたい。

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura