ミットを叩く音が心地いい。オリックスの春季キャンプ第2クール。ブルペンで大きな体を目一杯使い、黙々と投げ込む澤田圭…

 ミットを叩く音が心地いい。オリックスの春季キャンプ第2クール。ブルペンで大きな体を目一杯使い、黙々と投げ込む澤田圭佑のストレートには、重たいという言葉だけでは形容できない力強さを感じる。

 澤田はアマチュア球界で輝かしい実績を積み上げてきた。愛媛県・松山市立久谷中時代はえひめ西シニアに所属し、エースで4番として全国大会でベスト4。高校は名門・大阪桐蔭に進み、藤浪晋太郎(阪神)とともにマウンドを守り、3年時に甲子園春夏連覇を達成した。



2018年には47試合に登板し、オリックス中継ぎ陣の一角を担った澤田圭佑

 藤浪の剛腕ぶりに注目が集まるなか、澤田は強心臓とコースに投げ分ける絶妙なコントロールを武器に、幾度となくチームを救ってきた。また、夏の甲子園ではホームランを放つなど打者としてのポテンシャルも高く、ほかのチームだったら間違いなく「エースで4番」の逸材だった。

 立教大でも1年春からリーグ戦に登板し、通算22勝を挙げた。4年時は主将を務め、文字どおり大黒柱としてチームを牽引した。

 愛嬌あるキャラクターで、大阪桐蔭の西谷浩一監督からは「さわちゃん」と可愛がられ、後輩からの信頼も厚かった。

 澤田は2016年にドラフト8巡目でオリックスから指名を受けて入団。1年目から中継ぎとしてマウンドに上がると、2年目には47試合に登板。5勝0敗8ホールド、防御率2.54とチームに欠かせない存在となった。

 だが昨年は、26試合と大きく登板数を減らした。さまざまな要因があったなかで、澤田は感じたことがあった。

「もっと三振を取れるボールを磨かないといけないと思いました。勝負どころで三振を取れないときついなと」

 中継ぎ投手は登板する場面がさまざまで、ピンチでの登板もあれば、チームにいい流れを呼び込むようなピッチングが必要な時もある。どんな状況であっても、リズムよく投げるには打者にとって最もダメージがある三振を取ることが一番だと、澤田は考えている。

「バットに当てられるよりは三振のほうがいいです。バッターも三振はしたくないでしょうし……。そのためには、ストレートの質をもっと上げていかなくてはいけないと思いました」

 このオフはトレーナーとともに沖縄でトレーニングをこなし、体づくりに徹した。体も4キロほど絞り、澤田の顔には充実感がみなぎっていた。

「今はまだ仕上がっていないのでなんとも言えないですけど、7割ぐらいまでできていると思います。過去3年間と比べて、ストレートの走りは今年が一番いいです。あとは変化球が緩まないように、腕をしっかり振ること。今のところはいい感じできていると思います」

 同期入団の山岡泰輔は、昨シーズン最高勝率のタイトルを獲得するなどエース格となり、地位を固めつつある。山岡ほどの輝きはなくても、強烈な存在感を放てる力が澤田にはある。

 今年も中継ぎでの期待は大きいが、1試合でも多く澤田の投げる姿を見てみたいものだ。澤田のピッチングが、オリックス躍進のカギを握ると言っても過言ではない。