昨今、マラソン大会が多様化しています。記録を気にせず走る、その土地の景色や食べ物を楽しみながら走る。ランナーである筆者も多くの大会に参加していますが、特徴は大会ごとにさまざまです。マラソンイベントの特徴や楽しみ方、おすすめの大会までご紹介…

 昨今、マラソン大会が多様化しています。記録を気にせず走る、その土地の景色や食べ物を楽しみながら走る。ランナーである筆者も多くの大会に参加していますが、特徴は大会ごとにさまざまです。マラソンイベントの特徴や楽しみ方、おすすめの大会までご紹介します。

ジャーニーラン

 走りながら旅をする。それが「ジャーニーラン」です。その土地の文化や歴史に触れ、自然を楽しむ。あるいは人との交流もジャーニーランの醍醐味のひとつです。おもに100kmに代表されるウルトラマラソンをも超える超長距離で行われますが、制限時間は緩めに設定されている大会が多いでしょう。国内ではNPO法人スポーツエイド・ジャパンがさまざまなジャーニーランを開催しており、「みちのく津軽ジャーニーラン」「うつくしま、ふくしま。ジャーニーラン」などが挙げられます。

マラニック

 マラソンとピクニックを組み合わせた造語「マラニック」。その名の通り、ピクニックのように景色や観光を楽しみつつ走る大会です。タイム計測をしない、順位をつけないものも多く、まさに「走ることを楽しむ」マラソン大会と言えるでしょう。“うどん県”として有名な香川県では、チェックポイントがうどん店という「が開催。また、筆者も宮城県の「仙女ウルトラマラニック」や千葉県の「銚子まるごとマラニック」などの企画・運営に携わっており、マラニックは地域活性化とも相性のよい大会と言えます。

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ロゲイニング

 おもに山などで開催され、地図とコンパスを頼りにチェックポイントを回る「ロゲイニング」。コースは決められておらず、自身あるいはチームで作戦を練り、制限時間内にどれだけ多くのチェックポイントを回ることができるのか競います。現状では大会は小規模なものが多いですが、東京都内では「世田谷シティロゲイン」、静岡県では「伊豆高原ロゲイニング大会」など、大会は全国各地で増えつつあるようです。

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障害物レース

 走るだけでなく、目の前に立ちはだかるいろいろな障害を乗り越えてゴールを目指す「障害物レース」。壁を乗り越え、重いものを運び、あるいはアスレチックなどをクリアするなど、チーム戦を導入する大会も多く見られます。代表的なレースを例に挙げるとすれば「スパルタンレース」でしょう。国内外の各地で開催されており、走る距離や難易度、コンセプトは大会によって多様。リピーターも多い人気の大会です。

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走力に関係なく楽しめるマラソン大会も多い

 ジャーニーランは距離が長いため難易度は高いですが、それ以外は走力に関係なく誰でも楽しめる要素の大きい大会です。一人で参加するのはもちろん、仲間と一緒、あるいはチームを組んで出られるものも多いでしょう。マラソンといえば記録更新や己の限界に挑戦するイメージが強いですが、昨今はこうした“楽しめる”大会が増えています。気になるものがあれば、ぜひ参加してみてください。

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。また、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】https://www.run-writer.com

<Text:三河賢文/Photo:Getty Images>