「東レ パン・パシフィック・オープン」(WTAプレミア/予選9月17~19日、本戦9月19~25日/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート)の本戦初日、シングルス1回戦で、大坂なおみ(日本)が土居美咲(ミキハウス)を6-4 6…
「東レ パン・パシフィック・オープン」(WTAプレミア/予選9月17~19日、本戦9月19~25日/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート)の本戦初日、シングルス1回戦で、大坂なおみ(日本)が土居美咲(ミキハウス)を6-4 6-4で下した。
9月19日付のランキングでは土居が34位、大坂が66位と日本女子のトップ2による対戦。お互いに強烈なストロークを打ち合い、少しでもボールが甘くなるとすかさずコーナーにウィナーを決める。ハイレベルで一瞬も気を抜けない、緊迫感のあるゲームとなった。
どちらも立ち上がりはファーストサービスが好調で難なくキープ。だが、第3ゲームで土居がデュースにもつれたのに対し、大坂は高速サービスがことごとく決まり、ラブゲームでキープした。
第5ゲームで土居のファーストサービスが入らなくなったところを狙われてブレークされる。続くゲームでは土居も粘ってデュースに持ち込むが、大坂の2本連続の強烈なサービスで逃げ切られた。お互いそのままキープを続け、第1セットは6-4で大坂が制した。
第2セットも似た展開となった。ただ、大坂の強烈なストロークがより高い精度で決まり、土居を追い詰めていく。第3ゲームで大坂がブレークすると、その後はお互いにキープ。大坂が4-3とリードしたサービスで、土居がこのゲーム唯一のブレークポイントをつかむ。だが、3連続でファーストサービスを決めた大坂がキープして、6-4で逃げ切った。
勝負を分けたのは大事な場面でのサービスの差。苦しい場面で土居はファーストサービスが決まらず、苦しんだ。それに対して大坂はファーストサービスの確率は土居の55%より低い45%だったが、ここぞという場面ではきっちり決めて試合を制した。
「今日の試合は収穫もあり、プラスに考えている」と敗戦にも前を向く土居
「ランキングで評価される世界なので、日本人のトップという意識は少なからずあった。今日は最初から最後まで相手のプレーが崩れなかった。自分のいいプレーもあったけど、彼女のサービス、強いショットでブレークするチャンスがなかった」と土居は脱帽。
「彼女とはよく練習しているし、対戦を楽しみにしていた。どちらもいいプレーを見せられたと思う。すべてのプレッシャーは美咲ちゃんに掛かっていた。彼女のほうが上かもしれないけど、私にとってランキングは重要じゃない。コートに立てば対等の関係になるし、どちらにも勝つチャンスがあるものだと思っている」と大坂は重圧を感じることなく、周囲の盛り上がりに影響されずに冷静に試合に臨み、勝利を勝ち取った。
ともに世界で勝ち上がることを目指している日本女子テニス界トップの2人。今回の初対戦では、終始高い集中力を保ち、隙を見せなかった大坂が勝利。今後も世界での2人の活躍とともに、2人がより大きな舞台でふたたび戦う姿も見られるのではないか。
(テニスマガジン/編集部◎池田晋)